佐藤グループ本社ビルを出て、凛は助手席にバッグを放り投げた。すると、すぐにスマホの着信音が鳴り響いた。電話に出ると、聖天の低い声が車内に響いた。「会議はどうだった?」「まあまあですね。ちょっと眠かったんですけど」凛はそう答えながらハンドルを回し、車はゆっくりと地上駐車場から出ていった。そして、会議で起きたことを簡単に話した。聖天は静かに話を聞き終えると、落ち着いた声で言った。「リーダー不在か。これは大きな影響を与える決断だな」「そうですよ。ですから、急いで意見を採用させることはしなかったのです。資料を置いて、出てきました。良平さん親子が株主たちに資料を見せないとしても、株主たちは馬鹿
Magbasa pa