「......」凛がこんな反応をするなんて、志穂は全く予想しておらず、しばらく唖然としていた。凛が部屋を出てだいぶ経ってから、ようやく我に返った。......秋が深まってきた頃、日が暮れるのが日に日に早くなってきた。凛が仕事から帰ってきて玄関を開けると、美味しそうな匂いが中から漂ってきた。室内が明るく照らされ、そのおかげか窓の外の暗い夜空までもが、少し優しく感じられた。聖天がスープの入った鍋をキッチンから運んできて、テーブルに置いた。「ちょうどいいタイミングで帰ってきたな」明るい光に照らされた聖天の顔には、普段の厳しさなんか一ミリもなく、とても穏やかだった。目尻には、笑みまでもが浮
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