錦戸裕蔵(にしきど ゆうぞう)とエッチしたあと、七海春妃(ななうみ はるき)はようやくこの言葉の意味を理解した。――「年を取るほど力強くなる」というのは、本当だった。裕蔵は年上だけど、体力は驚くほどあった。一晩で七回なんて当たり前。コンドームも、箱ごと使い切る勢いだった。春妃は、自分より八歳も年上のこの男に、すっかり夢中になってしまった。年上だからこそ、やり方も大胆だった。欲望に駆られれば、裕蔵の社長室から春妃の通う大学まで、あらゆる場所で、あらゆる体位で、二人は貪り合った。ある日、春妃がオンラインで指導教官に課題の進捗を報告している最中でも、裕蔵の手はスカートの中に忍び込んできた。「進みをしてるんだけど!何してるの!」「声、出すなよ。こういうシチュエーションはまだ試してないだろ?人前でって、もっと興奮するかもよ。やってみないか?」……年上は優しいなんて、誰が言ったんだろう。この男、欲望が異様に強いた。そのあと、春妃は全身が痛くて、まともに動けなかった。目を覚ますと、裕蔵の姿はすでになかった。スマホには、彼からのメッセージが届いていた。【夜恋に来た】春妃はシャワーを浴び、タクシーに乗って「夜恋」というバーへ向かった。個室のドアに手をかけた瞬間、中から裕蔵の友人たちの声が聞こえてきた。「裕蔵、遥(はるか)さんの『身替わり』にしたの子、もうすぐ二十四歳だろ?また捨てるのか?」手がノブの上で止まった。裕蔵の、あの落ち着いた声が続く。「うん、五日後だ」友人たちは一斉に笑った。「やっぱりな。あの子、めちゃくちゃ惚れてるのに、まさか年齢縛りとはな!」「本当にな。今まで何人と付き合った?みんな二十四歳になったら振られたじゃん。泣きながら自殺未遂しても、全然動揺しないんだもんな」「しょうがないよ。裕蔵ってさ、生まれつき専一な人だから。あの時、遥さんが二十四歳で死んでから、遥さんに似た子しか選ばなくなった。二十四歳になったら必ず別れる。誰も二十四歳のままではいられないけど、二十四歳の女の子は、いつでもいるからな……」個室の外で、春妃の顔からすっと血の気が引いていった。どうやって家に戻ったのか、まるで覚えていない。震える手でスマホを取り出し、あちこちに連絡して、よ
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