Semua Bab 極めて甘い愛〜若頭を拾ったら溺愛されて困ってます〜: Bab 11 - Bab 14

14 Bab

セツ君の甘すぎる思い 1

孤独に、震えている子猫を拾うみたいなそんな再会だった。雨の中、ごみ捨て場にセツ君は居た。雫たちが染み込んだアスファルトみたいに、冷たさを身体にまとわせては、ぽつりと誰にも知られずに存在していた。私は胸の芯から冷えて凍りつくみたいな、そんな悲しい気持ちになった。どうしても放っておけなかったから、家に連れてきたけど、すっかり大人になったセツ君にときめいてしまった。でも、何一つ聞けないまま帰ってしまった。 謎が残りながらも、また会う約束をした。2週間以上たった日曜日に、セツ君は私の家を訪ねて来た。もう会えないかと思っていたから、少しほっとした。玄関のドアを開けた時、外はどんよりと曇り空だった。春の匂いが家に入ってくるような微風が吹いていた。その風がセツ君の香水の匂いを私へと運んだ。匂いは簡単に思い浮かべられるほど、鮮やかに香っていた。一瞬、セツ君が持ってる花束から放たれているのかと思ったけど、これは彼の香りだ。 セツ君はお礼の言葉を添えながら、傘を返してくれた。玄関に置いてある傘立てにしまうと、セツ君は更に、プレゼントだと言って花束を私に差し出した。え?と一瞬にして、時が止まる。固まってる私に、セツ君は跪きスマートさ全開で渡してきたので、その雰囲気に流されるまま受けとった。とりあえず、上がってってよと迎えると、お邪魔しますと丁寧に靴を揃えて家に上がっていった。セツ君が部屋に入っただけで、私の部屋の温度は、2人分のあたたかさになった。 全く人を自分の家に呼ばないものだから、それは、なんとも不思議な空気感だった。リビングのソファに座ってもらい、自分は向かいに座布団で座ろうとした。 セツ君が隣に何で来ないの?と残念そうにしてる。「隣、おいでよ」「い、いいよ。私はここで」「帰っちゃおうかな。じゃあ、今日はこの辺で」「えっ!?」「僕に帰ってほしくないよね、だからお願い。隣に来てよ」すぐに帰ってしまったら、また話を聞けない。 だから、ちょっと緊張しつつも隣に座った。どうしよう、いくらなんでも距離が近すぎるって。呼吸する音さえ聞かれてしまいそう。セツ君は嬉しそうに微笑んだ、私の緊張なんて知らないみたいに。 私は、自分のときめいてしまった感情に知らんぷりしてさっき受け取った花束の花びらを見つめる。
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-05-08
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セツ君の甘すぎる思い 2

セツ君は、あの日貸した傘を返しに来てくれただけではなかった。玄関先でもらったのは、深紅の薔薇の花束だった。数えてみると7本ある。意味はなんだろうと気になったけど、セツ君は意味は内緒だって言ってた。確かに知ったら、ドキドキするかもだよね?ずっと愛してますとかかな。まあ、あとで調べてみようっと。プレゼントの薔薇は、きっと誰もが美しいと思うくらい、華やか。それでいてどこか、近寄りがたいような上品さを漂わせていた。薔薇の色の深みがまるで彼の情熱的な気持ちを表してるんじゃないかのよう。花束を渡すセツ君は、迷いが全くない真剣な瞳をしていた。でも、私はその花束に相応しい女性なのか疑ってしまう。だってその美しさには棘があって、冷ややかな痛みがあるから。気安くセツ君の気持ちに触れてはならないような気がしてならない。薔薇は異様なまでに美しい香りを放っていた。私はどうしたらいいか分からなくて、とてもじゃないけど、薔薇にほんの少しも触れる勇気さえない。私の心に戸惑いの色がじわりじわりと広がる。どうしたらいいものか、自分の心に聞いてみても、分からない。でも私は小学校の頃、セツ君が好きだった。今はもう違うけど、心のなかで綺麗に飾れるような素敵な思い出。セツ君は凄く優しい。それは今も変わらない。⋯⋯変わらないのに。私の胸に小さい、本当に些細な棘が刺さってる。
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セツ君の甘すぎる思い 3

あのおとなしいセツ君と、なんだか違う。黒髪なのは変わらないけど、今日も高そうな黒いスーツと黒のワイシャツを着てる。香水も大人な香りを醸し出してる。薔薇の花束を持ってくるし。花束で思い出したけど昔、クローバーと一緒に咲いてる白い花をセツ君が摘んできて、プレゼントしてくれたっけ。そう、昔のセツ君は優しくて、もっと素朴な感じだった。でも、今はその素朴さは全く感じない。昔のセツ君はどこに居るのかな。寂しさで心が震えてしまう。薔薇なんてセツ君らしくないよ。そう思うと尚更もらえない。セツ君にちょっと受け取れないや、ごめんねと謝った。でも、しゅんとした顔でどうしても、駄目?と言われると断りづらくなってしまい、申し訳ないながらいただくことに。プレゼントを素直に喜べたらよかったけど、ちょっと重い、かも。私には薔薇の花束なんて絶対、似合わない。それにもう充分すぎるのに、更にプレゼントをくれた。ホワイトゴールドの細いチェーンに大きめのダイヤモンドが1粒ついたシンプルなデザインのネックレス。この透明な煌めきはきっと、セツ君の混じり気のない愛の気持ちだ。ちょっと流石にこんな高価なものは受け取れないからと断ると、セツ君は花ちゃんがいらないなら捨てるしかないからと言ってきた。「捨てるなんて、もったいないことしないで」「花ちゃんが受け取ってくれないなら、無意味だ」私は迷った末、ネックレスを受け取ることにした。つけてほしいと言われたから、自分でつけようとしたら、セツ君が身につけるのを手伝ってくれた。近くにセツ君が居るんだと思うと、なんだか緊張してしまう。私、ここまでしてもらって大丈夫なんだろうか?天罰がくだったりしないかな。
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セツ君の甘すぎる思い 4

だって私、べたべたに甘やかされてるんだもの。いつか、誰かに今の幸せをめちゃくちゃにされたりとか。そう、セツ君を好きな誰かに私は背中を刺されたりして。あんたなんかに、雪那は相応しくないのよ。だから、消えてちょうだいなんて。⋯⋯漫画やドラマじゃあるまいし。つけられたよと耳元で囁いてきたセツ君。振り向いて、似合ってるかなと聞いてみた。「凄く綺麗だよ。花ちゃんの美しさに寄り添えるようなダイヤを選んだから。ダイヤが小さすぎると、花ちゃんの綺麗さの引き立て役にならないからね」そんな聞いていて恥ずかしくなるようなセリフまでさらっと言えるセツ君にときめいてしまいそうな自分が居る。「どうして、私なんかにここまでしてくれるの」セツ君が首を横にゆっくりふって、私なんかじゃないよ。僕の大切な花ちゃんだよと力強く言った。「花ちゃんだからここまでしたいんだ」どうしよう。プレゼントを断ろうとしたのに、私ってば流されてない?高価なプレゼントを平気で持ってくるセツ君。一体何の仕事をしているのか気になって仕方なかった。それとなく聞いてみても、セツ君は笑いながらはぐらかす。「お金の心配は大丈夫」と言って話を逸らそうとしてくる。
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