Semua Bab 極めて甘い愛〜若頭を拾ったら溺愛されて困ってます〜: Bab 31 - Bab 40

41 Bab

意識しないわけない 9

「無理なくっていわれてもな·····」「そんなに難しく考えないで。僕は若頭である前から花ちゃんの同級生だよ」「それはそうだけど·····」「うーん。そんなに不安なら、そうだな·····いっそ僕と、どこか出かけてみる?」「えっ、デ、デートするの」私と·····セツ君が?そんなことして大丈夫かな? 「うん。デートしよっか。同級生の僕とね」「い、いきなりだね」「いや、ずっと前から誘うつもりだったんだよ。でもタイミング的にどうしようかなって思ってたんだ」「でもほら、危ない人たちに囲まれて襲われるとか、絶対にない?」「ん?そんなん無いから大丈夫だよ。もし万が一何かあろうものなら、僕がその危険を全て消していくから」「そんなこと言われても、やっぱり怖いよ」セツ君はふっと笑った。まるで本当に大丈夫みたいに。「本当に、なんにも変なこと起きないから安心して。大丈夫じゃなかったら、あの日に傘を返しに来たりしない。」その言葉、信じていい?デートしてみる、のか。うーん。 ·····正直悩む。デートなんてしたら、セツ君を好きになるしかないじゃない。 でも、セツ君簡単に引いてくれなさそうだし。 決めかねてる私にセツ君が優しく言葉をかけてくれた。「デートが難しいなら一緒にお出かけってことでもいいよ」えっと、一緒にお出かけするのを一般的にデートと言うのでは?「一緒に出かけるのをデートって言うんだよセツ君。言い方変えただけじゃん」「ふふっ。そうだね」セツ君ったらやけに楽しそう。そんな姿を見てるともう、逃げられないような気がしてならない。そうだ。デートでセツ君をガッカリさせたら、諦めてくれるかも·····?
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-07-07
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意識しないわけない 10

「1回くらいならセツ君とデートしてみてもいい、かも」 かも、と言葉を濁してる自分が優柔不断な気がしないでもない。 ずるいよね、私って。 そんな風に思ってる私なんてお構い無しにセツ君は大喜び。曇りのない、まっさらな笑顔はただ仲良くしていた子どもの頃みたいに、なんの隔たりもない。その表情を見ているとデートの誘いを、前向きに行きたいと答えられなかった私って可愛くないなって、自己嫌悪。 「本当!?ありがとう!花ちゃんを楽しませるからね!任せてよ!わあ、嬉しすぎてにやけてきちゃうな」 セツ君には悪いけど、私を好きじゃなくなってもらわないと。 ·····なんだろう、この感じ。胸が痛い。セツ君が私を好きになるのを諦めたら、ちょっと寂しい。いやいやそれって、彼を意識しすぎてるからだよね。 気にしてるのは相手を好きだからじゃなくて、向こうが私を好きだから意識せざるを得なかったってだけ。そう、私がセツ君を好きだからという訳じゃない。 ·····好きじゃないんだ。そう、好きなはずない。仲のいい同級生だとしても、セツ君は極道の若頭。 私は、やっぱりデートに行けないと言いかけようとした。でもその言葉は彼を傷つけてしまう。だからーーきゅっと口を軽くむすんで、セツ君の笑顔から目を逸らすしかなかった。
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-28
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ただのデートじゃない 1

セツ君とデートをする私は頭を悩ませていた。身支度をしながらずっと考えていたけど。·····セツ君に幻滅されるには何をどうしたらいいの!?好きにさせたままじゃいけないんだから。頑張って嫌われなきゃなのに。そうじゃないと私もセツ君を好きになってしまう。何も打つ手がないまま支度を終え、セツ君の部下が運転する車に乗った。車のドアを部下の方が開けてくれたけど、スキンヘッドで身体の大きい怖そうな人だった。驚いた私は失礼しますと小声になりながらも席に座る。隣にはもちろんセツ君が座ってる。いい加減この近すぎる距離感に慣れなきゃなのに、やっぱりほんの少しも落ち着かない。車なのにうちのソファより、ふかふかしていて尚更、居心地が悪いな。 セツ君が運転手に行き先を告げた。場所を聞いた私はえ!?と声を上げてしまった。だってカレイドリリーって言ったよね? 高級ブティック店じゃないの!セツ君が嫌だった?と聞いてきたので、そうじゃないけど、高いお店だよねと控えめに告げた。だけど「値段の心配なんてしなくて大丈夫だよ。僕がなーんでも買ってあげるからね」と私を甘やかす。もう、最初から不安でいっぱいになってきた。 カレイドリリーに着くまでセツ君は部下で運転手のカネさんの話をしてくれた。苗字は金子さんでセツ君が小さい頃から付き人として居たらしく身体が大きいわりに臆病な性格で、犬に吠えられるのが苦手らしい。セツ君の話が面白くてつい笑ってしまったけど、失礼だったかなとごめんなさいと言いかけた私に、「こうみえて犬苦手なんすよ。小さい頃大型犬に追いかけまわされたのトラウマで·····今の笑うところっす」と笑っていた。人って見かけによらないんだなと、おかげで少し緊張が和らいだ。カネさんのお子さんの話の途中でカレイドリリーに着いた。 お店の近くに着いて下ろしてもらった。セツ君は何の遠慮もなく高そうでおしゃれな服がディスプレイしてあるお店に私を連れて行く。出かけるにはお店が豪華すぎて、なんだか目の前がクラクラしてきた。私は庶民派だから、ブティックとか行かない。
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-28
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ただのデートじゃない 2

好きなものを選んで良いとセツ君は言うけど、服やジュエリーがどれも私にはレベルが違いすぎる。 大人可愛いをコンセプトにしてるカレイドリリーは、ファッション雑誌で見たことがあった。でも私には手の届かない値段ばかり。 それにブランドなんて今まで買ったことないから、どうやっても選べずにいた。·····ああ、どうしたらいいの。ただ眺めるしか出来ない私にセツ君が気にかけてくれた。「もしかして欲しいのがないかな」「う·····ん。ごめんね。私にはブランドものはちょっと」「そっか。僕の方こそごめんね。気がつかなくて。花ちゃんならカレイドリリーが似合うかなって思ったんだけど。だって花ちゃんは自分を強く持ってるからブランドだけに染まらない、花ちゃんらしさが出るかなって思ったんだ」 そういや、セツ君がプレゼントしてくれたのもカレイドリリーだったっけ。 紙袋や箱に綺麗なロゴが入ってたから。 セツ君の贈り物は気軽に身につけられるものじゃないから、ほとんどが新品のままとっておいてある。セツ君がくれたもので唯一付けてるのはダイヤモンドのネックレスだけ。身に付けるのを止めようにも、贈り物なに1つ使わないままなのも失礼かなと思ったから。今思った。1番高いものばかり選んでセツ君をガッカリさせれば良かったかも。いや、よく考えたらセツ君ならみんな買ってくれそう。 お店のきらびやかさ気分が落ち着かなくなってきた。数分でもいいから1人になりたいかも。「セツ君。ちょっとお手洗い行ってきていい?」「うん、行ってらっしゃい」私はなんだか逃げるみたいにその場を離れた。お手洗いに向かう途中、人とぶつかってしまった。「あっ、すみません。ぶつかって·····」「痛いじゃないの。よそ見するんじゃないわよ」「ごめんなさい」「ふんっ、服装からして庶民のくせに。どうせ買わない冷やかしでしょ。邪魔邪魔」ぶつかってしまった相手を見ると可愛いらしい女の子だった。パッと見、大人びた中学生にも見えなくもないくらい。私より身長が小さくて、茶髪のゆるふわに巻いた肩くらいの髪。猫みたいに目がぱっちりしていた。香水だろうか。セツ君とはまた違う。でも似たような、甘くてとろけそうな香り。「あんた、雪那と一緒みたいだけど、雪那の何なの。まさか彼女じゃないわよね」女の子は明らかに不機嫌そうな言い
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-30
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ただのデートじゃない 3

セツ君の所に戻ると、私の異変にすぐに気づいて心配してくれた。私はさっきの女の子の話をすべきか迷ったけど、セツ君に迷惑がかかるかもしれないから黙っておいた。さっきの女の子は、私の身元なんて知らないはずだし、本当に何かしてくるわけじゃない、大丈夫なはずだよ⋯⋯ね。セツ君はデートを切り上げて帰ろうかと言ってくれた。確かに気分の調子が悪いけど、せっかく誘ってくれたのに申し訳ないや。でも、もう帰りたくなってきた。セツ君にはっきり言わなきゃ。私なんか好きにならないでって。「花ちゃん⋯⋯何か嫌だった?」「何か嫌だったというか、分かったんだ。やっぱりセツ君に私は相応しくない」「相応しくないなんて、僕達は同級生なんだから⋯⋯」「セツ君には私の感じてる気持ちは分からないよ。だってセツ君は昔とはもう違うし、プレゼントもデートの場所も庶民の私には全然合ってないよ。私にはハードル高すぎて、正直辛い。私なんかもう好きにならないで、お願いだから」「そう⋯⋯だったんだ。僕、全然気づかなくてごめんね」その傷ついた顔が見たくないからずっと我慢してたけど、もう駄目。「もう、私とは関わらないで。セツ君の気持ちが重くて、心が追いつかない」本当にセツ君は何もかも変わってしまった。変わらない私を置いていくんだ。私が帰ろうとすると、心配だから送っていくと言ってきかなかった。でも、私はひとりで帰りたいとセツ君に強く言い返した。ちょっと遠いけど駅まで歩いた。電車に乗って帰る40分間、私はぼろぼろとみっともなく泣いた。
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-10-13
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ただのデートじゃない 4

席がガラガラで座って、流れる景色をじっと見ていたら、ふと、元彼を思い出した。千春君ならきっと、私を元気にしてくれる。千春君は今どうしてるんだろう。 やっぱり私はセツ君を好きになれない。若頭だからとか、感覚が合わないとか色々あるけど、完全に嫌いな訳では無い。だって悪い人じゃないから、極道の若頭ではあるけど優しいし。でも私は千春君をまだ、忘れられないから。千春君の前なら、混乱せずにいつもの自分らしくいられるのにな。⋯⋯久々に話したくなったかも。メッセージアプリに『会いたい』と千春君に送った。ためらいながらどうにか言葉を繋いだ。正直メッセージを送るのを止めようとしたけど今、たまらなく千春君に話を聞いてほしい。でも迷惑かな。ちょっとドキドキする。思いきって送ったら既読が早くついた。いつも千春君って既読付くのが早いんだよね。『ん?どうしたの』ん?どうしたのは千春君の口癖。懐かしいなと少し笑ってしまった。別れてからずいぶん経つし、久々にメッセージ送ったから、返事来ないかもなんて思ってたから嬉しい。 『ちょっと私の話聞いてほしいから会いたい』『分かった、ちょうど暇だったから良かった。どこ集合にする?』『私今、どこにも行きたくないから私の家じゃだめかな?今、色々あって電車で帰るところだけど、後2駅で着く』『いいよ。まだ話聞いてないけど元気出しな。ちょっと準備あるから1時間半後でいいか?』うん、いいよ。ありがとうと返信。元気出しなのメッセージが千春君らしくて安心して、深いため息がでた。電車の揺れさえも心地よく感じて、セツ君と一緒だった時のもやもやが少しづつ消えていく。肩の力も抜けてきて胸の重みが楽になって、窓からの景色もトーンも柔らかく明るい。涙も止まり、心がふわりと穏やかになった。
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-10-13
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忘れられない恋の行方 1

ーー萩原千春。 高校の同級生。2年と3年の時同じクラスだった。席がよく隣になるから、その度に「またかよ」なんて笑いながら言い合ってた。 初めて隣の席になった時、千春君は優しい笑顔で仲良くしようって言ってくれたっけ。 いつも近くに千春君が居た。好きなロックバンドが同じだったからよく音楽の話をした。それ以外の話も沢山。 千春君は話が面白くて上手で更に聞き上手でもあった。 だから私は千春君を気がつくと好きになった。 でも千春君は家族の話だけはしなかった。家庭が複雑だとは聞いた。 私も余計な詮索はしなかったし、出来なかった。3年の夏に千春くんに告白されて、付き合う。ずっと前から私も彼を好きだったから凄く嬉しかった。何気なかった毎日も今思えばキラキラしていて、人生で1番楽しかった。千春君のおかげ。 高校卒業してからも大学が一緒だったから、しばらく関係は続いてた。でも大学1年の夏、千春君は急に大学を辞めて私とも別れた。『理由は絶対に聞かないで』って言われたから、何も知らないままで私の恋は終わった。それでも未だに時々メッセージアプリでやり取りはしてた。『久しぶり。なんでもないけど元気か?』『風邪ひかないようにな』『花はいつも心配症だから俺も心配』別れてからも、私を気にかけてくれる優しさ。 何も訳を聞けないまま。今もメッセージアプリでやり取りしてるのに、なんで私たち別れなきゃいけなかったんだろう。 千春君をまだ好きで居ていいのかな。千春君は背伸びしなくてもいい。 心の距離感が心地よい。⋯⋯セツ君と違う。千春君のさり気ない優しさ、セツ君の特別扱いの優しさ。セツ君はまるで嵐のように突然現れて、私の心を乱す。そんな激しい人。千春君は柔らかい笑顔で私を包んでくれる穏やかな人。 でも千春君にはきっと隠してる陰がある。付き合って一緒の頃、いつも笑っていて楽しそうにしてるのに、時々悲しそうな表情をしてぼーっとしてた。それに楽しくて大笑いしてたかと思えば、急に黙ったり。 私は千春君の何を知ってて、それでいて知らないんだろう。でもこんなに鮮明に思い出せるし、大切な記憶がほんの僅かでも色褪せるのが怖いくらい。
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-11-06
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忘れられない恋の行方 2

何も忘れてなかったんだな、私って。昔を思い出してる間に、家に着いた。玄関のドアノブに手をかけながら、ため息をひとつ。ドアを開けて、いつもと違う履き慣れてないよそゆきのパンプスを脱いで、いつもの私に戻る。ああ、やっぱり自然体で居たいな。肩張るような緊張感はどうも苦手だし。リビングに辿り着いたら、少し安心した。だって私の居場所は何も変わらないから。千春君が来るまでソファで待つことにしよう。ついでに飲み物でも……珈琲にミルクとお砂糖をたっぷり入れて、少し冷ましてからごくりと一口飲む。舌に感じるふわふわした味。ずん、とくる甘みに絡まっていた疲れがほころんでいくーーマグカップをテーブルに置いて、少しぼーっとしよう。 ……ん、あれ、私……?「ははは。よっぽどお疲れちゃんだな」 気がついたら隣りに千春君が居た。千春君に久々に会ったのに、何も変わってなくて安心した。茶髪のショートウルフが良く似合う。くせっ毛の毛先がぴょこっとしているの、相変わらずだな。やさしい桜色のワイシャツはボタンが2つ開いてる。そんなラフな服の着方さえ千春君らしいな。 ……って懐かしんでたけど、 私居眠りしてたなんて。気が緩んでたかも。「ご、ごめん。なんか寝ちゃってた」慌てて謝る私に、千春君は合鍵、まだ持ってたから勝手に入ったの、ごめんなと手に持ってる鍵をひらひらさせた。 「いやあ。返すのすっかり忘れてたわ。まだ返さんけどな」目を逸らした千春君が合鍵をジーンズのポケットに入れた。 「え?あっ、そうだ。返してもらってなかったっけ。そういや私、どれくらい寝てたの」 「俺が家に上がってから2時間はグースカだったぞ」 「……寝すぎじゃん、私」 「まあまあ、いいじゃん。疲れてるみたいだしさ。それに、なんか起こすのもったいなくてさ。人の寝顔なんてそうそう見られないから」 「ちょっ、起こしなさいよ。見てないで」「んー?ていうかそんな疲れるほど何があったん?」 「何があったもなにもありまくりだよ。はぁ……」「ため息ですか花さん」「だってえ。あっ幸せ逃げちゃうか」「ため息ついたくらいで幸せが逃げてたまるかよ」にこっと笑った千春君に私も自然と笑顔になった。
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-02-14
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忘れられない恋の行方 3

「で、本当に何があったんだ」セツ君のこと、なんて説明したらいいかな?……若頭だなんて言えないし。「じ、実は……」「彼氏でも出来たの」「えっ」 「いや、なんかダイヤのネックレスしてるからさ。花の趣味じゃなさそうだし」 しまった。セツ君とデートするからつけた方がいいかなって、そのまま外すの忘れてた。「いや、実は同級生から貰ったというか」「いや、同級生から貰うにしては特別大きくない?しかも高そうだし」「う、うん。なんか、その……」 「彼氏じゃないのか?」「うん、小学校の同級生だよ」「同級生って、男?」「そうだけど……」「じゃあ、その同級生君にとって花は特別なんだよ。好きでもない女の子にそんな高価なもの、特別でもないのにあげたりしないから」「そ、そうだよね。やっぱり好かれてる、よね」「嫌なのか?」「断りきれないというか」 「そいつの連絡先、知ってる?花が嫌なら代わりに言ってやるよ」 「あっ、そういえば知らない」「じゃあいつもどうやって会ってんの」「家に訪ねてくる」「わざわざ会いに来るんだな」「そう、プレゼント毎回持ってきてくれるんだけどブランドものばかりで……」「社長か何かなの、そいつは」「ちょっと言えない」「言えないような仕事なのはまずいな」「やっぱり、そうだよね」ね、を言い追えるかのタイミングでインターホンが鳴った。モニターを見ると…… セツ君が居た。セツ君だとわかった途端、私は固まって動けずにいた。 千春君だって居るのに。どうしよう。 「さっきのこと、謝りたくて」モニター越しになんて言ったらいいか、言葉を考えていると千春君が代わりに返事をした。「あんたが花の小学校の同級生か」「そうですが」「花が迷惑してるんだわ、もう近寄んないで」「僕は花ちゃんに用があるので。ねえ、花ちゃん開けてほしいな。ちゃんと謝りたいし、このまま帰れない」「帰りな。あんた花の迷惑とか考えたことある?」「君、花ちゃんの友達かな」「元彼ですが」「ふーん。君と話したいなあ」 「話したいだって。いいか?花」うんとも、いいえとも言えずに首を傾けるしかない私。「大丈夫だよ。俺喧嘩したい訳じゃないし。花が嫌なのを同級生に分かってもらいたいだけだから」きっと千春君なら何とかしてくれるかもと私は頷いた。頷いたものの、怖く
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-02-14
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忘れられない恋の行方 4

「あんたさあ、俺と何話すの」「ん?君に特に用は無いんだけど、気になるなって」 「用ないならさっさと帰ればいい」 「帰らないよ。君さ、花ちゃんの元彼って本当なのかい」「わざわざ嘘ついたりするかよ」「いや、花ちゃんに頼まれて付き合ってたフリでもしてるのかなあって」「いや俺と花は高校の時の同級生で……」「僕は小学校の頃からの同級生なんだけど。あーあ。花ちゃんを探すのに手こずったな。だから君みたいなどうでもいい男と付き合ったんだ」「……あんたに色々ツッコミ入れたいんだけど、花が転校してからずっと探してたとかさ、ある意味ストーカーじゃね」「ストーカー、ね。まあ半分はそうかも。僕、花ちゃんが大好きだから」「もう半分はなんだか」 「純愛、かな」そういやセツ君、前にも言ってたっけ。 何年もずっと探してたって。 セツ君の言葉に千春君が数秒無言になった後、大げさなくらいのため息をついた。「純愛もな、相手が受け止めてくれなきゃただの迷惑だからね。あんた、わかんないみたいだけど。花、言ってやれよ。もう来るなって」千春君に促されつつも、なんて言ったらいいか迷う。「セツ君、私……」「花ちゃん、顔が見たいから近くに来てよ。元彼さんが邪魔で花ちゃんが見えないや」私は前に出て、セツ君に近づいた。すると、いきなり手を掴まれた。 驚く間もなく私はセツ君の腕の中に。 セツ君はいつも、いきなりすぎる。離れようとしても、セツ君から逃れられない。「僕、諦め悪いんだ。ごめんね、元彼君。帰らなきゃならないのは君のほう」はあ?なんで俺が……と不機嫌そうな千春君の表情に私は何ともいえない気持ちになる。 「あ、そうそう。僕、こういう者なんだけど」そう言ったセツ君は真っ黒い何かを千春君に見せた。どうやら、名刺みたいだ。「……藤堂組、ね」「そう、僕若頭だからさ。悪いけど、花ちゃんを僕から奪わないでね。さもなくば……」 「さもなくば、なんだって」千春君は意外にも冷静だった。 落ち着いてるのは、なんでなの。 相手は極道の人なのに。 私は気がつくと手汗をかいてるし、妙な緊張感で少し吐きそうなのに。「ただじゃおかない、ね」「ふーん。そう」「君、僕が怖くないのかい」「ああ、全然。だって……」千春君はワイシャツの胸ポケットからケースを取り出して、セツ君に差し
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-02-17
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