「無理なくっていわれてもな·····」「そんなに難しく考えないで。僕は若頭である前から花ちゃんの同級生だよ」「それはそうだけど·····」「うーん。そんなに不安なら、そうだな·····いっそ僕と、どこか出かけてみる?」「えっ、デ、デートするの」私と·····セツ君が?そんなことして大丈夫かな? 「うん。デートしよっか。同級生の僕とね」「い、いきなりだね」「いや、ずっと前から誘うつもりだったんだよ。でもタイミング的にどうしようかなって思ってたんだ」「でもほら、危ない人たちに囲まれて襲われるとか、絶対にない?」「ん?そんなん無いから大丈夫だよ。もし万が一何かあろうものなら、僕がその危険を全て消していくから」「そんなこと言われても、やっぱり怖いよ」セツ君はふっと笑った。まるで本当に大丈夫みたいに。「本当に、なんにも変なこと起きないから安心して。大丈夫じゃなかったら、あの日に傘を返しに来たりしない。」その言葉、信じていい?デートしてみる、のか。うーん。 ·····正直悩む。デートなんてしたら、セツ君を好きになるしかないじゃない。 でも、セツ君簡単に引いてくれなさそうだし。 決めかねてる私にセツ君が優しく言葉をかけてくれた。「デートが難しいなら一緒にお出かけってことでもいいよ」えっと、一緒にお出かけするのを一般的にデートと言うのでは?「一緒に出かけるのをデートって言うんだよセツ君。言い方変えただけじゃん」「ふふっ。そうだね」セツ君ったらやけに楽しそう。そんな姿を見てるともう、逃げられないような気がしてならない。そうだ。デートでセツ君をガッカリさせたら、諦めてくれるかも·····?
Last Updated : 2025-07-07 Read more