清吉は、あの二つのイヤリングをそっとプレゼント用の箱に戻し、保管しておいた。家に持ち帰ったアクセサリーも、一つずつそこに収めた。そしてすぐさま家を飛び出し、以前ペアリングをオーダーしたジュエリー会社へと向かった。「あのペアリングのデザイナーを指名したい」そう伝えると、応対したスタッフはすぐに手配してくれた。現れたのは五十代の女性デザイナー。知的で優雅な雰囲気の人物だった。清吉が、「一緒にペアリングのデザインを完成させたい。自分で完成させて、最愛の人を取り戻すために渡したい」と伝えると、彼女は目を見開いた。「森さんは、以前もうペアリングを作られたはずですが……?」清吉は青ざめた顔で一瞬沈黙し、やがてかすれた声で言った。「俺は……多くの過ちを犯して、彼女を失った。今はその償いをしたい。取り戻したいんです」デザイナーはすべてを察したように、深く頷いた。多くを聞かず、ノートパソコンを開いた。「どんなイメージですか?具体的な案はありますか?」清吉は落ち着いて考え、自分の思い描くデザインを丁寧に伝えた。彼の言葉に応じて、画面上のリングが少しずつ形を変えていく。その過程に、彼は胸がじんわりと温かくなるのを感じた。甘くて、切なくて、けれど確かな希望に満ちた気持ち。――彼女も、このデザイナーと一緒に、こんなふうに考えながらリングを作ったんだろうか?彼はどうしても、青葉の誕生日までにリングを完成させたかった。そして当日、彼女の前に姿を現し、それを渡す。きっと心が動くはずだ――たとえその場では無理でも、努力し続ければいい。彼女を失ったやり方で、もう一度彼女を取り戻すと彼は決意した。二人の十数年の時間を、やり直す。彼女が七歳のときからずっと一緒だった。自分が本当に反省していて、想いが本物だと伝われば、必ず戻ってきてくれるはず。そう信じることで、日々は少しずつ速く、軽やかに過ぎていった。やがて、青葉の誕生日前日がやってきた。完成したリングを受け取ると、彼は大切に持ち帰り、準備を整え、そのまま空港へと急いだ。今夜の便で、彼女の住む街へ向かうのだ。彼女と同じ街で、同じ空気を吸える――それだけで、清吉は胸が高鳴った。飛行機の中でも、彼は何度も手荷物を確認した。今回の旅には、自分の荷物は一
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