Todos los capítulos de 神殿育ちの嫌われΩは、隣国の伯爵αに蕩ける愛を刻まれる: Capítulo 101 - Capítulo 110

206 Capítulos

第100話 王立劇場

    「まだ足りませんよ。我が国の皇后や皇太子妃は、一度身に着けた装飾品を、二度着けることはありません。高位貴族もそうです」 「そうなんですか!?」  初めて聞いたが、すごく贅沢な話である。  ランダリエ王国の王妃や王太子妃は、代々受け継がれてきた宝石を大事にするため、重要な式典や公務では、所有している最高級の装飾品を使い回すのが慣例だ。 「レディー。ランダリエの貴族でも、常に新しい装飾品を身につけている方をお見かけしますよ」  ルシアンの言葉に、ナタリナも頷いた。 「お嬢様。殿方からの贈り物は、受け取るのが礼儀ですよ」 「あっ……」  昨日も、同じことを言われたのだ。  反対する言葉が思いつかず、エマはためらいながらも頷く。 (もうネックレスを頂いているのに……いいのかなぁ)  首元を飾るピンクサファイアのネックレスも、ブローチも、素敵すぎてうっとりするけど、エマにはあまりに過ぎた代物だ。  だけどルシアンにとっては、大した金額ではないのだろう。 (やっぱり、ルシアン様と僕は、住む世界が違うんだ……)  分かっていたことだけど、あらためて身分の差を感じてしまい、胸の奥がチクリと痛む。  ルシアンと、一緒にいたい。  そう望むことさえ不相応な気がして、エマはそっとため息をこぼした。   初めて訪れた王立劇場は、立派な建物だった。  足を踏み入れると、豪華絢爛と呼ぶにふさわしい装飾で彩られている。天井には金箔とフレスコ画が施され、漆喰の曲線美が柔らかい光を反射している。壁には赤と紫の深いベルベットのカーテンが垂れ、緞帳の金糸刺繍が煌めく。  通路には細長いシャンデリアが幾つも吊り下がり、観客席全体を柔らかく照らしていた。 「うわぁ。すごいですね!」  エマは視線だけをキョロキョロと動かしながら、隣のルシアンに話しかける。  三階建ての劇場は、舞台の前に重厚な木製のバルコニーが張り出し、貴族や王族用の特別席が並んでいる
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第101話 素敵なオペラ

    (僕とルシアン様は、恋人ではないけど……もし、ルシアン様が死んでしまったら……)  愛する人を失うセラフの恐怖が、エマの胸に突き刺さる。  それは、どんなに恐ろしく、辛いことだろう。  想像するだけで胸が痛んだ。  そして、同じ聖樹であるリセリアの想いにも、エマは共感する。 (もし、僕が死を目前にしたら……大切な人に、女神の祝福とご加護が届くように、必死に祈るだろうな)   ナタリナを始めとした、エマに寄り添い、親切にしてくれた人達のために。  それから、愛するルシアンのために。  エマを温かく包んでくれる人達の笑顔を思い出し、手にしたハンカチをギュッと握りしめた。 『リセリアッ……ああっ、僕をおいて逝かないでくれッ!!』  舞台の上でリセリアが永遠の眠りにつき、セラフが慟哭する。  セラフの周りがほのかに光って見えるのは、女神の祝福と加護が与えられたという演出だろう。  リセリアの最期の祈りが通じたことに、エマはハラハラと涙を流した。  吹雪が吹き付ける中、セラフがリセリアの亡骸を抱く。けれど、二人の周りだけは雪が止み、光が差し込む。  雪の精霊が舞い降り、二人の姿を隠したところで、演目が終わった。  幕が閉じて、歓声が響く中、ルシアンがそっと声を掛けてくる。 「エマ。大丈夫ですか?」 「は、はいっ……す、すみません。感動してしまって」  ハンカチで目元を抑えて、エマはルシアンを見上げた。  ルシアンは微笑みながら、オペラの感想を伝える。 「素敵なオペラでしたね」 「はいっ。リセリアが先に亡くなってしまいましたけど……でも、リセリアの想いが報われて良かったですっ」 「二人の姿を、吹雪が隠してしまったのも、神の思し召しでしょう」 「はい。セラフは、リセリアの愛によって、女神の祝福とご加護を得たのですから。あの後も生き延びたはずです。女神のみもとに召されたあとは、リセリアと一緒に、いつまでも天国で幸せに過ごしたと思います」  エマは
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第102話 騒ぎ

     取り巻き達もせせら笑っていたが、あまりに下品すぎて、気分が悪くなってきた。 「それが、お前の女か? 珍しい髪の色だな。顔を見せてみろ」 「ッ……」  急に声を掛けられて、エマは肩を震わせた。  ルシアンの腕にぎゅっと抱きつき、必死で扇子を握る。  もし無理やり取り上げられたら……。  顔を見られてしまったら、すぐ正体に気付かれてしまう。 「大丈夫ですよ、レディー。どうかご安心ください」  ルシアンが優しく囁き、エマを庇うように前に出た。 「王子。この方は、帝国で最も高貴な御方に、縁(ゆかり)のあるご令嬢です。軽々しく、その御顔を拝させるわけには参りません」 「何だと! 俺はランダリエの王子だぞ!」 「たとえ王子であらせられても、この御方へ無礼は許されません。お控えください」 「ふざけるな! おい、女! 王子の俺が『見せろ』と言っているんだ! その面(つら)を晒せ!」 「王子、無礼が過ぎますッ。帝国への侮辱と受け取らせていただきますよ」 「伯爵風情が、偉そうに! どけ!」  レオナールがルシアンにつかみかかろうとしたが、その前にルシアンの護衛がサッと止めた。  剣の鞘で、レオナールを牽制する。 「こ、このっ! 王子に剣を向けるとは! 反逆罪で投獄してやる!!」  逆上するレオナールに、劇場の衛兵がやってきた。  揉めている相手が、自国の王子と帝国の貴賓と知り、真っ青な顔になる。 (王子のせいで、ここの人達に迷惑が……)  エマはレオナールの怒声に怯えていたが、それでも、小声でルシアンに訴えた。 「る、ルシアン様……皆様に、ご迷惑がかかってしまいます」 「……かしこまりました」  ルシアンは苦い顔で頷き、吠えているレオナールに向かって言った。 「王子。本日は、カミラ嬢とご一緒ではないのですか?」 「貴様には関係ないだろう!?」 「ああ。今日は別のご令嬢のようですね。次の晩餐会で、カミラ嬢にご挨拶した際に
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第103話 レストラン

    「いえ……あの、こちらを利用する女性が、王子のせいで酷い目に遭ってないか、心配で……」 「レディーは優しいのですね」  ルシアンが微笑みながら目を細める。  エマの頭をそっと撫でて、小声で囁いた。 「今日のことは、王太子殿下に報告いたします。あの方なら、何かしら対策を講じられるでしょう」 「ぁっ、ありがとうございます」  ルシアンの言葉に、エマは感心しながら頷く。 (そっか。ダリウ殿下に報告すれば、王子に関する被害とか調べてくださるんだ)  エマはレオナールの代わりに実務の書類作業を行っているが、まだまだ知らないことばかりだ。  レオナールの仕事を無理やり押しつけられるのは嫌だけど、王族としてやるべき仕事内容を覚えるのは楽しかった。  もっと色んな事を覚えて、できることを増やしていきたい。  ダリウや王太子派の家臣たちに認めてもらえたら、レオナールの元から抜け出せるかもしれないのだ。 (頑張らないと……ナタリナを守るためにも)  エマの胸の内で静かに決意した。   観劇を終えたあとは、レストランに向かうことになった。  馬車の窓越しに、街の景色がゆっくり流れていく。  劇場の華やかさとはまた違う、落ち着いた雰囲気の王都の中心部を抜け、やがて重厚な石造りの建物が視界に入った。  窓には色とりどりのステンドグラスが嵌められ、昼の光を受けて宝石のように輝いている。 「ここが……レストランですか?」  エマは、驚きに目を見張った。 「こんなに素敵な建物なんですね」 「王都でも随一のレストランだそうですよ。貴方も気に入ると思います」 「ルシアン様は、ここでお食事されたことがあるのですか?」 「いえ。私も初めてです。ですが、先日、ティエリー様が王太子殿下とここへ来られたそうで、満足されていましたから」 「皇太子殿下が!」  エマは思わず口元に手を当てた。  そんな話
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第104話 本音がこぼれる

     他にも、飲み物や、産地など色々説明してくれるが、エマにはさっぱりだ。  名前は聞いたことがあっても、実物を見たことがない。 「レディーは、果実水でいいですか?」 「はいっ」  ルシアンに任せて、すべて決めてもらった。  支配人の挨拶と説明が終わり、料理を運んできた店員も部屋から下がる。  最初の給仕を終えたナタリナと従者も、控えの間に下がった。  そうすると、ルシアンと二人きりになる。  もちろん、すぐ隣の控えの間にはナタリナたちがいるけど、エマの視界にいるのがルシアンだけになって、嬉しかった。 「ルシアン様は、赤ワインですか?」 「ええ。では、乾杯しましょう」  エマはテーブルに置かれた細長いグラスを見つめた。まだ果実水しか許してもらえないので、そこは少し不満だ。  でも、目の前のルシアンが優しく笑いかけてくれるから、エマも笑顔で頷く。  食事前の祈りとして、胸の前で両手を交差させるように重ね、目を閉じる。 「女神イーリスの豊かなる恵みに感謝申し上げます。大地の実りに祝福を」  目を開けると、右手でグラスを持ち、ルシアンに向けて掲げた。  するとルシアンも、柔らかい眼差しでエマを見つめる。 「……ライヒトの御光(ごこう)に感謝を。理(ことわり)と恵みが我らにあらんことを」  お互いの視線が交わって、エマは頬を赤くした。 「帝国では、光の神ライヒトに祈るのですね」 「ええ。帝国ではライヒト神を信仰していますから。ランダリエは、イーリス神の他にも神々がいるのでしょう?」 「いえ、女神様の使いとして、たくさんの精霊がいらっしゃいますが、神として崇めるのは女神イーリスの一柱(ひとはしら)のみです」 「そうなのですか?」 「はい。史実や神話では、大精霊のことを『神』と表現することもありますから、混乱しやすいようです」 「そうですか。精霊を神と……帝国にはない考え方ですから、実に興味深い」  ルシアンは目を輝かせた。
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第105話 デザート

     もちろん、ひと口ごとに食材の質の高さと技術の繊細さが伝わって感動するのだけど、空腹なのもあって「おいしい」が頭の中でいっぱいだった。  魚料理のあとは肉料理が運ばれる。魚料理もそうだったが、見た目の美しさも芸術品のようだ。  香ばしく焼き上げられた仔牛のローストは、口の中に入れるとほろほろとほどけていく。 「お肉って、こんなに柔らかくなるんですね」 「味もくどくなくて良い。ここのシェフは、腕がいいようですね」 「さすが、王都一のレストランですね」  エマは、付け合わせの季節野菜もしっかり食して、幸せな笑みを浮かべた。  最後に出てきたデザートの盛り合わせには、パッと目を輝かせる。  チョコレートのムースにアプリコットのゼリー、バニラの香るクリームと金箔が散らされ、お洒落で美しかった。 「わぁっ。すごく綺麗です」 「デザートワインもよく合います」  口の中でとろける甘さに、エマは満面の笑みを浮かべる。  こんなにおいしいお菓子は、滅多に食べられない。淑やかにというマナーも忘れて、最後まで夢中で食べてしまった。  フルコースはさすがに量が多く、お腹いっぱいになって、おかわりまではできなかった。だけど、ルシアンがメニュー表を渡して、ドリンクを頼むよう勧めてくれる。 「飲み物も、たくさんあるんですね」 「エマは甘い飲み物が好きでしょう? フレッシュジュースは気に入ると思いますよ」  メニュー表には、果実水だけでなく、いろんな果物の名前が載っていた。エマの知らない果物のことも、ルシアンはよく知っていて、この中で一番甘いというマンガルのジュースを注文する。 (ルシアン様って、博識で素敵だよね)  エマも、もっと見習いたいと思う。  運ばれてきたジュースは、黄色い色でとろみのある、珍しいジュースだ。 「ルシアン様。このジュース、すごくおいしいです! 南国の果物って、こんなに甘いんですね」  エマはサファイアベリーのジュースがいちばん好きだけど、マンガルはとろみもあって気に
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第106話 可愛いところを、見せて

    (ナタリナ! ルシアン様に咎められたらどうするの!?)  エマはハラハラしたが、ナタリナも従者も出ていくと、扉が閉まり、二人きりになった。  急にシンと静まり返って、エマはドキッとした。  ほんの少し前まで、楽しい会話と食器の触れ合う音で満たされていたのに、今は息をするのもためらうほど、静かだった。  正面に座っていたルシアンが、椅子から立ち上がる。  その仕草ひとつに、食事のときとは違う、柔らかい気配があった。  ルシアンは、ゆっくりとエマの側まで歩み寄り、その場に片膝をついた。 「エマ。やっと二人きりになれましたね」 「ルシアン様っ……」  エマはドキドキしながら、ルシアンを見下ろす。  さっきのナタリナとの会話が聞こえていなかったことに、安堵する。  だけど、落ちついていられたのは、そこまでだった。 「エマ。私の願い通り、下着を着けて下さって、ありがとうございます」 「い、いえっ!」 「私に、見せてくれますか?」 「ァッ……あの、……こ、ここで?」 「ええ。ここでは二人きりです。あなたの姿を見つめるのも、私だけです」 「ルシアン様……」  緊張と羞恥で、心臓がドクンドクンと早鐘を打つ。  でも、ルビーのような美しい瞳が、期待に輝く様を見て、拒めるはずがない。  エマは顔を真っ赤にしたまま、コクッと頷いた。   ルシアンにエスコートされ、長椅子へ移動する。  ソファーに腰掛けたエマの前に、ルシアンが両膝をつき、嬉しそうに見上げてきた。 「エマ。貴方の可愛いところを、見せて」 「っ……んっ」  昨日と同じように、クッションに背もたれにして、エマは自らのドレスをギュッと握った。  自分でスカートを持ち上げるのは、ひどく恥ずかしい。  エマは膝をギュッとくっつけたまま、スカートをゆっくり引き上げていく。 「ンッ、っ……ぁぁっ」
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第107話 下着を濡らして

     ルシアンは、恥じらうエマを辛抱強く待つ。 「んっ……」  艶やかな唇から、甘い声がもれる。  視線をあげれば、頬を上気させたエマが、薄紅の髪を揺らしている。 (髪の色を変えるだけで……本当に、オデット様と雰囲気が似ている)  ルシアンは、自らが作り上げた芸術品を、うっとりと見上げた。  エマに最高級のドレスを着せ、髪を淡い紅色に染める。  すべては、皇太子妃オデット・モンルージュの血縁者に見せかけるためだ。帝国の重臣であるモンルージュ公爵家の令嬢に仕立てれば、ランダリエの王子と言えども、無下には出来ない。 (あの愚かな王子も、その取り巻きも、全く気付いていなかったが)  劇場にいた見識ある貴族ならば、ルシアンの態度とエマの髪色ですぐに察しただろう。  今頃は、一部で噂になっているかもしれない。 (あの王子を始末する為には、確実な証拠が必要だ)  昨夜、ティエリーから命令が下った。  ダリウの政敵であるノワジエール侯爵を失脚させるため、不正や悪事の証拠を揃えるのがルシアンの任務だ。その中には、当然レオナールの悪事も含まれる。いや、むしろ愚かなレオナールを足がかりに、様々な証拠を掴めるはずだ。 (王子が片付けば、自然と王太子の政敵も消える)  そうなれば、ルシアンにとっても喜ばしい状況になる。 「ぁぁっ、……んっ、」 「エマ……」 「はぁっ……ぁ、ルシアンさまっ」  エマの甘い声に、ルシアンは目を細めた。 (この可憐な花を、手に入れる機会が巡ってくる)  第二王子の婚約者。その立場さえ、消滅してしまえば。  可憐で美しいエマがルシアンの隣に並び立ち、嬉しそうに微笑む……その姿を想像するだけで、胸が高鳴る。 「エマッ」 「んっ……ぁぁっ」  エマは恥じらいながら、スカートを捲り上げ、なまめかしい太ももを晒している。  その奥に見える、白いレースの一部。隠された秘部を妄想するだけで、ルシアンの息が速くなった。
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第108話 口で愛撫

     愛撫するたびに、エマの昂ぶりが窮屈そうになり、うめき声が聞こえた。 「ぁぁッ……ぃ、ぃたい……っ」 「ああ。これでは苦しいでしょう。今、外しますから」  ルシアンは優しく声を掛けて、腰で結ばれた紐を緩める。  パサリと布が落ちて、エマの昂ぶりがプルッと弾むように揺れた。 「あんっ、ッ、はぁっ……はぁ、……っ」 「もう、蕾までぐっしょり濡れてますね」 「ンッ、やぁぁっ、……ぁ、言わないでぇ……っ」  エマが、フルフルと首を横に振る。  頬を赤くして、涙をこぼす姿は愛らしい。  恥ずかしがるくせに、蕾からは愛液をあふれさせ、肌着まで濡らしている。  何より、エマの淑やかな蕾から、静香石の紐が垂れてる様はひどく卑猥だった。愛液にまみれた飾り紐は、静香石が動作するたびに揺れて、エマの口から喘ぎ声が漏れる。  オメガには必要な物だと知っているが、蕾へ玩具を挿れているようにしか見えず、ルシアンの雄はますます漲る。 「ひゃぁぁんっ! ぁん、ぁぁっ、……んんッ」 (……私のモノだ)  ルシアンは唇に笑みを浮かべ、啼いているエマを見上げた。  初めて見た時から惹かれていた、可憐な花。  清らかで美しいエマが、はしたなく秘部を濡らし、淫らに喘ぐ。その妖艶な姿に、ルシアンは激しく滾った。 「エマッ……私が、たっぷり可愛がってあげます」 「んぁ、ァァッ、……ルシアン様っ」 「どうか、声を聞かせてください。貴方が満足するまで、愛したいのです」  ルシアンは、蕩けるような声で、エマに誓う。  この愛おしいオメガは、ルシアンのものだ。 (エマの番(つがい)になるのは、私だ)  いつか訪れる未来が、はっきりと見える。  エマは、ルシアンのために蕾を濡らす。ルシアンの愛撫に甘い声で啼き、滾る熱を悦んで受け止める。  そして、ルシアンの子を成すのだ。 (私の愛するオメガッ!)  今すぐ、己の猛った雄で華奢な躰を貫き、中で果て
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第109話 ブローチの交換

     エマを手に入れるには、やるべきことが山のようにある。 「ぁぁっ、ッ、んぁぁ、ルシアン、さまぁ……っ!」  エマの昂ぶりを扱きながら、甘い声で果てるのを見届ける。  どんなに愛しくても、むやみに手を出すわけにはいかないのだ。 「エマ」 「ぁんっ……ルシアンさまっ」  クッションにもたれたエマが、濡れた瞳でルシアンを見つめる。  達したばかりのエマは、美しく妖艶だった。  ひどく欲をそそられるが、ルシアンはグッと堪えて、エマに囁いた。 「貴方は、私にとって唯一の薔薇です」 「ぁっ……」 「そのことを、忘れずにいてください」 「……はい、ルシアン様」  エマは微笑みを浮かべて、頷いた。  何の約束もできないのに、それでもルシアンを信じてくれている。 (愛しい、私のエマ)  可憐な花が、自分を見つめていることに高揚しながら、ルシアンはエマの躰を快楽で溶かしていった。  + + +  エマは、ルシアンとレストランの個室で甘い時間を過ごし、幸せに満たされていた。  王宮へと戻る馬車に乗り込んだあとも、気分は高揚していたが、体に力が入らない。 「エマ。私に寄りかかってください」 「ぁっ……ルシアン様」  ルシアンが腰を抱き寄せてくれたので、素直に肩を借りた。  体を預けるように寄りかかると、ルシアンが手を握ってくれる。 「ん……ルシアン様」 「エマ。今日は貴方とデートできて、とても楽しかったです」 「ぁ、僕もっ! ルシアン様に触れて頂けて、幸せでした」  エマは顔を上げて、ルシアンに微笑んだ。  今、二人きりでいるときは、想いを隠さなくてもいい。  ルシアンもまた、エマを想ってくれてるのだから。 「エマ」  赤い瞳が、優しく細められる。  エマはドキドキしながら、ルシアンを見つめた。  ただ
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