神殿育ちの嫌われΩは、隣国の伯爵αに蕩ける愛を刻まれる

神殿育ちの嫌われΩは、隣国の伯爵αに蕩ける愛を刻まれる

last updateDernière mise à jour : 2025-06-02
Par:  甘梨鈴Mis à jour à l'instant
Langue: Japanese
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ランダリエ王国の平民であるエマは、幼い頃に『聖樹』(せいじゅ)として神殿へ入り、16歳で第二王子の婚約者に選ばれた。 『聖樹』は「必ずアルファを産むオメガ」として身分問わず大切にされるが、第二王子はエマが平民であることを蔑み、事あるごとに虐げてくる。 後ろ盾のないエマは、逃げることもできない。 半年後。王国の式典に帝国の皇太子が参列し、その使節団をもてなすことになったエマだが、そこで皇太子の側近、ルシアンに出会う。 長い銀髪に紅い瞳を持つルシアンは、誰もが見惚れるほど美しい青年だった。 オメガ蔑視の強い帝国人にも関わらず、エマには親切にしてくれる。 ルシアンの優しさに心惹かれていくエマだが……!?

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Chapitre 1

プロローグ

 エマの躰は燃えるように熱く、息を吐くのもやっとだった。

「はぁッ……んぅっ、ぅぅッ」

 発情(ヒート)がくると、いつもこうだ。

 エマが理性を保とうと必死で歯を食いしばっても、躰の奥が激しく疼いて仕方ない。

 すでに成人を迎えたものの、まだ十六歳のエマにとっては、若さゆえに発情がことさら辛く感じられる。

 発情期がくるたびに自室に引きこもり、一人で耐え抜くしかないと思っていたのに。

「私の、可愛いエマ」

 エマを覗き込む、甘い眼差し。

 銀色の長い髪にルビーのような赤い瞳は、まるで月の精のようだ。

 エマが密かに恋い慕う、銀髪のアルファ。

「ぁんッ、はぁッ……る、ルシアン様ッ」

「エマ。もっと声を聞かせて」

 耳元で囁く甘い声に、ビクビクと躰が震えた。

 この場にいるはずのない彼が、火照ったエマの躰を慰めようとしてくれてるのだ。

「ぁぁん、ぁぁっ、やぁんっ」

 乱れた夜着は、エマの秘部を露わにして、もう意味をなさない。

 発情したエマは全身の肌を赤く染めて、張りつめた雄から白濁の蜜をこぼし、汗と愛液でシーツを濡らす。

 エマはもう何時間もの間、躰の疼きを静めるために半身を慰め、一人で果てた。

 何度も達しているせいで、ルシアンの指が肌を撫でただけで、身悶えてしまう。

(もっと、触って欲しい……っ)

 エマは無意識に腰を揺らし、ルシアンの緩い愛撫に喘いだ。

 すると、ふいに股間をひと撫でされる。

「ひゃぁぁッ! ぁ、あぁぁんッ!」

 淫らな刺激に、嬌声を上げる。

 エマの瞳からは、ポロポロと涙があふれた。

 快楽に悶えるエマの眦に、ルシアンがそっと口づける。

 そして、耳元で甘ったるく囁いた。

「私の愛しい薔薇。貴方は、大人しく愛でられていれば良いのですよ」

「ぁんっ、そ、そんな……」

 首を振るが、ルシアンの手は止まらなかった。

 フッと笑みを浮かべ、エマの昂ぶった雄を扱く。

「ひゃぅぅッ!!」

「ああ、もうイってしまいましたか」

 ビクビクと躰が跳ね、頭が真っ白になる。

 だが、絶頂を迎えた躰に、容赦なく次の快楽が襲いかかった。

「ァ、ぁぁッ……んぁぁ、ァァッ!」

 ルシアンのしなやかな指が、緩んだ蕾を掻き回したのだ。

 すでに愛液に濡れ、ぐっしょりとシーツを濡らしているそこは、ルシアンの指を悦んで受け入れる。

「ぁぁん、ぁぁっ、やぁんっ」

 グチュグチュとイヤらしく響く水音に、耳を塞ぎたくなる。

 それなのに、蕾はキュッとルシアンを締めつけ、離そうとしない。

「フフ、ここは正直ですね」

「ぁぁッ」

 ルシアンのからかう声に、エマは思わずシーツに顔を埋めた。

 視界からルシアンを追い出しても、中を弄る指は止まらない。

 前にも、中を弄られたことはあるけど、あの時よりも、ひどく感じてしまう。

 ルシアンの長い指がイイところを突くたびに、白濁が迸った。

「ァァッ……はぁ、んんっ」

「エマ、我慢せずにイきなさい」

「ひゃぁぁっ!」

 ルシアンの指に攻められ、はしたなく乱れて、何度も絶頂を迎えた。

 快楽に理性を溶かされるうちに、エマは淡い夢をみてしまう。

(ルシアン様が、僕を抱いて下さったら……)

 あの美しいルビーの瞳に射貫かれて、雄々しい昂りに最奥まで穿たれたら、どれほど甘美な絶頂を迎えられるだろうか。

 想像するだけで胸が震え、思わずルシアンのシャツを掴んでしまった。

「ぁん、っ……あぁぁっ」

「エマ?」

「ルシアン、さま」

 この方に、抱いて欲しい。

 エマの恋心も、オメガの本能も、それを望んでいる。

 だけど、わずかに残った理性が、冷たく咎めるのだ。

(……そんなこと、許されるはずない)

 どれほどルシアンを恋い慕っていても、エマは第二王子の婚約者だ。

 王子に虐げられていようと、不貞を犯せば罪に問われる。

 ルシアンだって、そんな罪を犯してまでエマを望みはしないだろう。

「ッ……ぅっ」

「エマ、泣かないで下さい」

「ぁ……」

 ぼやけた視界に、ルシアンの心配そうな顔が映る。

 眦から落ちる涙にようやく気付き、あわてて顔をぬぐった。

「貴方があまりに可愛いから、意地悪しすぎてしまいました」

 ルシアンが、優しく頭を撫でてくれる。

 困ったような顔でエマを見つめ、頬にチュッとキスをくれた。

「る、ルシアン様っ!」

「エマ。貴方の発情(ヒート)が落ちつくまで、側にいます」

「……はい」

 ルシアンの言葉に、エマは微笑みを浮かべる。

 愛しい人の手でこの身を慰めてもらえるのだから、エマは幸せだった。

 叶わない願いに、胸を引き裂かれたとしても。

(ーールシアン様が、僕の婚約者だったら良かったのに)

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プロローグ
 エマの躰は燃えるように熱く、息を吐くのもやっとだった。 「はぁッ……んぅっ、ぅぅッ」  発情(ヒート)がくると、いつもこうだ。  エマが理性を保とうと必死で歯を食いしばっても、躰の奥が激しく疼いて仕方ない。  すでに成人を迎えたものの、まだ十六歳のエマにとっては、若さゆえに発情がことさら辛く感じられる。  発情期がくるたびに自室に引きこもり、一人で耐え抜くしかないと思っていたのに。 「私の、可愛いエマ」  エマを覗き込む、甘い眼差し。  銀色の長い髪にルビーのような赤い瞳は、まるで月の精のようだ。  エマが密かに恋い慕う、銀髪のアルファ。 「ぁんッ、はぁッ……る、ルシアン様ッ」 「エマ。もっと声を聞かせて」  耳元で囁く甘い声に、ビクビクと躰が震えた。  この場にいるはずのない彼が、火照ったエマの躰を慰めようとしてくれてるのだ。 「ぁぁん、ぁぁっ、やぁんっ」  乱れた夜着は、エマの秘部を露わにして、もう意味をなさない。  発情したエマは全身の肌を赤く染めて、張りつめた雄から白濁の蜜をこぼし、汗と愛液でシーツを濡らす。  エマはもう何時間もの間、躰の疼きを静めるために半身を慰め、一人で果てた。  何度も達しているせいで、ルシアンの指が肌を撫でただけで、身悶えてしまう。 (もっと、触って欲しい……っ)  エマは無意識に腰を揺らし、ルシアンの緩い愛撫に喘いだ。  すると、ふいに股間をひと撫でされる。 「ひゃぁぁッ! ぁ、あぁぁんッ!」  淫らな刺激に、嬌声を上げる。  エマの瞳からは、ポロポロと涙があふれた。  快楽に悶えるエマの眦に、ルシアンがそっと口づける。  そして、耳元で甘ったるく囁いた。 「私の愛しい薔薇。貴方は、大人しく愛でられていれば良いのですよ」 「ぁんっ、そ、そんな……」  首を振るが、ルシアンの手は止まらなかった。  フッと笑みを浮かべ、エマの昂ぶった雄を扱く。 「ひゃぅぅッ!!」 「ああ、もうイってしまいましたか」  ビクビクと躰が跳ね、頭が真っ白になる。  だが、絶頂を迎えた躰に、容赦なく次の快楽が襲いかかった。 「ァ、ぁぁッ……んぁぁ、ァァッ!」  ルシアンのしなやかな指が、緩んだ蕾を掻き回したのだ。
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