Todos os capítulos de 恋人未満の彼と同棲生活(仮)始めます: Capítulo 61

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11.私は全部知っている⑦

 それからの私は、どこか上の空。仕事をしていても、何度も同じところで作業の手を止めてしまっていた。『桃瀬先生が話すに値する相手だと思えば、彼も話してくれると思いますし』 忘れようとしても、竹中さんの言葉が頭から離れてくれない。(話すに値する相手……) そんな値踏みするような目を、一臣さんから向けられたことなんて一度もない。 あくまでも竹中さんが勝手に言っただけだ。 そんなの、分かってる。分かっているのに。 私は一臣さんの弟さんのことを、――もっと言えばご家族のことを何も知らなかった。 弟さんがいることも、今日竹中さんから聞かされて初めて知ったくらいだ。(私には話しても無駄だと思われてる?) 親しくなって、それほど経っていないのだ。時期尚早なだけかもしれない。 でも……。 さっきから同じことをぐるぐると考えては、自分を慰めるように教えてもらえていない理由を探している。 現に私だって、一臣さんに自分のことを全て話しているわけじゃない。 家族構成や、孝夫さんとの馴れ初め。 考えてみれば、うなちゃんとの出会いだって、話したりしていないもの。 お見合いで出会ったわけでもない限り、そういうのは少しずつ分かり合っていくものだと思う。(それに……)  誰にだって、人に話したくないことのひとつやふたつ、きっとあるはずだもの。 考えてみれば竹中さんの言い方では、弟さんのことは一臣さんにとって、言いづらい部類のことみたいに聞こえた。 だとしたら尚更。そんなことを、まだ恋人ですらない私が〝教えてほしい〟なんて思うこと自体おこがましい話なのかも?(でも……あんなふうに言うってことは……竹中さんは一臣さんからそういう話をしてもらっていたってこと……だよね?) そもそも、竹中さんと一臣さんはどのくらいの期間、お付き合いなさっていたんだろう? 付き合い始めてどのくらいで、彼から〝話すに値する相手〟だと思われたのかな……。(私は……) 一臣さんと私は、まだちゃんとお付き合いしているわけではない。 下の名前で呼び合って、触れるか触れないかの軽いキスを交わして。一線を越えそうにもなったけれど、私が孝夫さんにされたことを思い出して怖がったのに気付いた一臣さんが、待ってくれた。 もしあのまま身体の関係があったとして……『付き合おう』って言われていない間
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