「おい!実来、こっちだ」 「京介さん!すみません、お待たせしてしまって」 慌てて京介さんの元へと走った。 「実来、危ないから走らなくてもいい。転んだら危ないだろ?」 「す、すみません。遅れてしまったので……」 「気にするな。時間までは後五分もあるし、急ぐ必要はないよ」 「ありがとうございます、京介さん」 わたしは京介さんに微笑む。 「ああ、それより今日は、こんな場所で申し訳ない」 「いえ。大丈夫です」 今日は京介さんのご両親に合う日だ。 とても緊張してしまい、今から心臓がバクバクだ。 服を選ぶのに手間どってしまって、家を出るのが少し遅くなってしまった。 「実来、緊張してるのか?」 「そりゃそうですよ……!」 こんな大事な日に緊張しない訳がない。 「そんなに緊張することはないよ。うちの両親は結構フレンドリーだから、話しやすいと思うよ」 「ええ?そんなこと言われても……。緊張してしまいますよ。会うの初めてですし」 「そっか、大丈夫だよ。 さ、行こうか」 「は、はい」 「それより、ブーツなんて履いてきて大丈夫なのか? 妊娠中なんだから、ブーツじゃなくてもよかったのに」 「いえ。でもせっかくご両親に会うので……。少しでもキレイに見せたくて」 「何言ってる。そんなことをしなくても、実来は充分キレイだよ」 「そ、そうですか? ありがとうございます……」 京介さんがかけてくれる言葉は全部が優しくて、本当に心に刺さる。 京介さんだからこそ、本当に嬉しく思うんだ。 ありがとう、京介さん。 「さ、実来、ドアを開けるよ」 「は、はいっ」 待ち合わせ時間の十五時ちょうど。 ドアの向こうで待っている京介さんのご両親と、ついに対面する時がきた。 京介さんはドアをノックしてから、静かにドアを開けた。 「父さん、母さん、入るよ」 「どうぞ〜」 「し、失礼します……」 やばい。緊張が止まらない……。どうしよう……。 「京介、待ってたわよ〜」 「母さん、紹介するよ。 今交際してる彼女だ」 「は、初めまして。麻生実来と申します! よ、よ、よろしくお願いしますっ……!」 やだ〜噛んじゃった……! は、恥ずかしい! 「あなたが実来さんね? 初めまして。京介の母の小百合(さゆり)です。よろしくお願いしますね」 「こ、こちらこそ……よ
Last Updated : 2025-03-15 Read more