「なるほど……」 京介さんは、真剣にその見取り図を見ながら、色々と話を聞いていたけど、わたしは全く物件のことは分からないので、聞き耳を立てるしかなかった。 「あ、一つ肝心なことをお伝えするのを忘れてしまいました。 実はこちらの物件、開業に伴って家賃が少しだけお安くなるキャンペーンをやっております」 「えっ、本当ですか?」 「はい。通常ですとこちらのお値段なのですが……入居から三ヶ月間、なんと開業記念ということで半額の家賃となっております」 「えっ!は、半額……?!」 「ま、マジか」 え、は、半額!? そんなことある……!? 「はい。実は入居者様限定のシークレットということで、特別価格にと、いうことになっております」 「では、ここにします。ここにお願いします」 「えっ!? きょ、京介さん!?早くない!?」 もう決めちゃうのー!? 早い……! 「ありがとうございます! ではこのまま契約の方に移らせて頂いても、よろしいですかね?」 「はい。お願いします」 「かしこまりました。ただ今契約書をお持ち致しますので少々、お待ちくださいませ」 担当の三神さんは席を離れていく。 「え、京介さん、良いんですか?もう決めてしまって……まだ内見してもないのに」 「いいんだよ。 これよりもきっといい物件は、きっと見つからないと思うぞ?」 「ま、まあ……そうかもしれませんが……」 でも、本当にもう決めていいのかな……? 「大丈夫だよ。実来は何も心配しなくても大丈夫だよ。俺が全部やっておくから」 「で、でもっ!」 「実来、俺は実来と産まれてくる赤ちゃんのために、いい物件を選んだだけだよ。 何も怖くないから、大丈夫だよ」 「は、はい。分かりました……」 気が付いたらそのまま契約が始まって、わたしたちはついにそのお部屋の契約をしてしまった。 入居出来るのは三月からになるので、ちょうど赤ちゃんが産まれる前か、後くらいだろうか。 お部屋の内見が出来るのはニ月からなので、ニ月の内見が出来る時になったら、また連絡をくれると言っていた。 でも本当に、あのままスッと決まってしまったので、あっという間だった。 とりあえず新居は決まったけど、それまではもう少し今の家でガマンガマンだ。 でも楽しみが一つ増えたので、ワクワクしている。
Last Updated : 2025-03-16 Read more