All Chapters of 名探偵シュウと秘密の校舎: Chapter 21 - Chapter 30

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Ep20:文化祭の終幕(事件の解決)

文化祭終了直後に発覚した爆弾事件は、星見キッズを新たな危機に巻き込んだ。図書室で見つかった偽物の爆弾と「S.M.」のイニシャル、背の高い人影の映像が手がかりとなり、警察のDNA鑑定でS.M.が松本翔の兄、松本誠司であることが判明した。林間学校での田村悠斗殺害事件の犯人、松本翔の逮捕に対する逆恨みが動機と推測されたが、詳細はまだ不明だった。夜の警察署で話を聞いた星見キッズは、誠司の行方を追う決意を固めた。 「松本誠司…。弟の逮捕を僕たちのせいにしてるなら、危険だ。次の行動に出る前に見つけなきゃ」シュウがノートに書き込みながら言った。「でも、どうやって探すの? 警察が追ってるけど…」カナエが不安そうに尋ねた。「ジャケットが体育館裏で見つかった。近くにいる可能性がある。誠司がまだ学校周辺に潜んでるかも」シュウが考え込んだ。佐藤刑事が提案した。「誠司の自宅はすでに確認したが不在だ。学校周辺に潜伏してる可能性は高い。君たちの視点が役立つ。協力してくれ」「分かりました。僕たちで学校周辺を調べます」シュウが頷いた。星見キッズは学校周辺を捜索することに。タクミがタブレットで周辺の地図を表示し、「体育館裏から近い場所…。校庭の裏にある倉庫とか怪しいかも」と指摘した。「倉庫か…。文化祭で使った道具が残ってる。隠れるにはいい場所だね」リナがスケッチブックに倉庫の位置を書き込んだ。「よし、倉庫へ行こう。気をつけて動くよ」シュウが懐中電灯を手に指示した。夜の校庭は静まり返り、倉庫の鉄扉が風で軋む音が響いた。シュウが懐中電灯で照らすと、扉が少し開いていた。「誰かいる…!」ケンタが小声で叫んだ。倉庫の中には、背の高い男が文化祭の装飾道具の陰に隠れていた。黒いフードを脱ぎ、疲れ切った表情の男
last updateLast Updated : 2025-06-29
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Ep21:タクミの家での一夜(静かな夜の思い出)

二学期に入り、星見キッズは次々と事件に巻き込まれていた。林間学校での田村悠斗殺害事件、文化祭での爆弾脅迫事件と、心休まる暇がなかった。しかし、文化祭以降、学校生活は穏やかで楽しいものに戻り、11月の秋深い季節に星見小学校は笑顔に満ちていた。ある放課後、教室でタクミがタブレットを手に提案した。「ねえ、みんな! 文化祭から落ち着いたし、気分転換に僕の家に泊まりに来ない? ゲームもできるし、楽しいよ」「タクミの家? いいね! 泊まりって初めてだ!」ケンタがサッカーボールを手に目を輝かせた。「楽しそう! 私、賛成! スケッチも持っていくよ」リナがスケッチブックを手に微笑んだ。「タクミの家って、どんな感じなんだろ? 楽しみだね」カナエが笑顔で言った。「よし、決まりだ。土曜日に泊まりに行こう。みんな、親に許可をもらってね」シュウがメガネを直して計画をまとめた。土曜日、星見キッズはタクミの家に集まった。タクミの家は学校から歩いて15分ほどの住宅街にあり、モダンなデザインの二階建てだった。リビングには大きなテレビとゲーム機があり、タクミの母親が笑顔で出迎えた。「いらっしゃい、みんな! ゆっくりしていってね」「ありがとうございます!」シュウたちが一斉に頭を下げた。リビングに荷物を置き、みんなは早速ゲームを始めた。タクミがサッカーゲームを起動し、ケンタがコントローラーを手に叫んだ。「シュウ、対戦しよう! 俺、負けないよ!」「いいよ、ケンタ。僕も負けない!」シュウが笑顔で応じた。画面上で白熱した試合が繰り広げられ、カナエとリナが応援した。「シュウ、シュート!」「ケンタ、ディフェンス頑張って!」タクミが効果音を追加し、盛り上げた。ゲーム中、シュウの視線は一瞬、タクミの楽しそうな横顔に留まった。無邪気な笑顔に、シュ
last updateLast Updated : 2025-06-30
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Ep22:夜の告白(心の揺れ)

11月のある静かな夜、タクミの家で星見キッズは泊まりを楽しんでいた。田村悠斗の思い出を語った後、シュウ以外のメンバーは眠りに落ち、星空の映像がリビングに穏やかな光を投げかけていた。時計は深夜1時を回り、シュウだけが目を覚ましていた。タクミのタブレットから流れる星空のBGMが静かに響き、寝袋の中で眠る仲間たちの寝息が部屋を満たしていた。 シュウは寝袋の中で体を起こし、静かに周囲を見回した。カナエとリナはスケッチブックを抱えたまま穏やかな寝顔を浮かべ、ケンタは口を半開きにして軽いいびきを立てていた。そして、タクミは寝袋にくるまり、小さな胸を上下させながら穏やかに寝息を立てていた。タクミの無防備な寝顔、細い首筋、かすかに見える寝間着の袖から伸びる華奢な腕 シュウの視線は自然とそこに引き寄せられた。 「…何だ、この感じ」シュウは内心で呟き、メガネを直した。心臓の鼓動が少し速くなり、頬が熱くなるのを感じた。タクミの幼い顔立ちと、眠る姿の無垢さが、シュウの胸に奇妙な感情を呼び起こしていた。田村くんの思い出を語る中で感じた切なさが、なぜかタクミの寝顔と重なり、抑えきれない何かとして湧き上がってきた。 シュウは目を閉じ、深呼吸を試みた。 「これは…ただの疲れだよね。事件続きで、感情が混ざってるだけ…」と自分に言い聞かせた。 しかし、目を開けると、タクミの寝息が再び耳に届き、そのリズムに合わせて心がざわついた。タクミの小さな手が寝袋の外に落ち、シュウは無意識にその手をじっと見つめた。柔らかそうな肌、幼い指先 シュウの身体が勝手に反応し、胸の奥が熱くなった。 「何!? 僕、こんな気持ち…」シュウは慌てて目を逸らし、頭を抱えた。自分の感情に気づき、混乱が広がった。タクミが幼い男の子であること、その無垢さが自分を惹きつけることに、シュウは初めて直面した。 僕ってショタコン?? その言葉が頭
last updateLast Updated : 2025-07-01
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Ep23:モールの悲劇(新たな事件の幕開け)

タクミの家で迎えた翌朝、星見キッズはリビングで朝食を囲んでいた。タクミの母親が用意したホットケーキとフルーツの朝食を食べながら、みんなは昨夜の楽しい時間を振り返っていた。「タクミ、お母さんのホットケーキ、めっちゃ美味しいね!」ケンタがシロップをかけたホットケーキを頬張りながら言った。「うん、フルーツも新鮮! タクミの家、最高だね」リナがスケッチブックを手に笑顔を見せた。「お母さんに感謝だね。みんな、楽しんでくれてよかった」タクミがタブレットを手に笑った。「シュウ、昨日よく寝れた? なんか静かだったけど…」カナエがシュウに尋ねた。「う、うん…寝れたよ。タクミの星空映像、落ち着いたから…」シュウは少しぎこちなく答え、タクミの無垢な笑顔に目を奪われた。昨夜、ショタコンとしての自分に気づいたシュウは、タクミの存在が気になって仕方なかった。朝食を終え、タクミが提案した。「ねえ、せっかくだから近所のモールに行かない? ゲームセンターもあるし、散歩がてら楽しそう!」「いいね! モールならいろんなお店もあるし、行こう!」カナエが賛成し、みんなも乗り気になった。シュウはタクミの提案に心が躍り、「うん、タクミが行きたいなら…僕も賛成」と少し照れながら答えた。リナがスケッチブックを手に「モールの雰囲気、スケッチしたいな」と呟き、ケンタも「ゲームセンターでサッカーゲームやりたい!」と元気よく言った。タクミの家から歩いて10分ほどの場所にある「星見モール」は、週末ということもあり家族連れや若者で賑わっていた。モールの中央には大きな吹き抜けがあり、1階にはフードコートや雑貨店、2階にはゲームセンターや映画館が並んでいた。星見キッズはまずゲームセンターに向かい、クレーンゲームやアーケードゲームを楽しんだ。「シ
last updateLast Updated : 2025-07-02
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Ep24:モールの謎(深まる謎)

星見キッズは、タクミの家での泊まり会の翌日、近所の星見モールで起きた刺傷事件に巻き込まれた。被害者の山田美咲は命を取り留めたが、黒いフードの人物が吹き抜けで刺し、2階へ逃走する姿がカメラに映っていた。目撃者が多いにもかかわらず犯人の顔が見られていない謎と、現場に残された「次はお前が…」という脅迫文が事件を複雑にしていた。シュウはタクミへの感情が抑えきれず、チームワークが乱れ始めていた。事件当日、モールでの初動調査を終えた星見キッズは、タクミの家のリビングで作戦会議を開いていた。シュウがノートを広げ、状況を整理した。「黒いフードの人物が吹き抜けで山田美咲さんを刺し、2階へ逃走。凶器は見つからず、目撃者が多いのに顔が見られていない。脅迫文には『次はお前が…』とある。トリックが何か…。高木刑事でも解けない謎だ」タクミがタブレットを手に提案した。「シュウ、2階のカメラ映像、もっと詳しく見る? 何か見落としがあるかも」「うん、タクミ、頼むよ…」シュウはタクミに微笑んだが、他のメンバーの表情は曇っていた。カナエが静かに口を開いた。「シュウ、さっきからタクミの意見ばかり聞いてるけど、私たちの声も聞いてほしい。チームで解決するんだよね?」「そうだよ、シュウ。僕が見つけた柱の傷とか、リナのスケッチも重要な手がかりだと思うんだけど…」ケンタが少し苛立った声で言った。リナがスケッチブックを手に呟いた。「シュウ、タクミのこと大事なのは分かるけど、みんなで協力しないと…」シュウは一瞬言葉に詰まり、ノートに目を落とした。「ごめん…。みんなの言う通りだ。僕が…集中できてなくて」シュウの視線がタクミの無垢な横顔に向かい、心がまた揺らいだ。タクミが「僕、大丈夫だよ。シュウ、みんなで頑張ろう?」と笑顔で言うと、シュウは「うん、タクミ…ありがとう」と呟いたが、内心の葛藤は深まるばかりだった。タク
last updateLast Updated : 2025-07-03
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Ep25:モールの真実(亀裂の深まり)

星見キッズは、星見モールで起きた刺傷事件の解決に挑んでいた。被害者の山田美咲は命を取り留めたが、黒いフードの人物が吹き抜けで刺し、2階へ逃走する姿がカメラに映っていた。目撃者が多いにもかかわらず犯人の顔が見られていない謎と、時間的なアリバイの矛盾が事件を複雑にしていた。犯人は山田美咲の元同僚、佐藤健太郎と判明したが、彼のアリバイが固く、トリックが解けない状況だった。シュウはタクミへの感情が抑えきれず、チームワークが乱れ、メンバー間の緊張が高まっていた。 タクミの家のリビングで作戦会議を終えた星見キッズは、モールでの調査を続けていた。シャンデリアの反射が犯人の顔を隠したトリックと、佐藤健太郎が裏口から逃走した映像が手がかりとなったが、吹き抜けから反対側のエリアへ5分で移動する時間的な矛盾が解けていなかった。シュウはノートに書き込みながら考えを整理した。「佐藤健太郎が犯人なら、吹き抜けで刺した後、どうやって5分で反対側に移動したんだ…? 時間的に無理だ。トリックがもう一つあるはず」 タクミがタブレットでモールの構造図を確認し、「シュウ、モールの時計塔があるよね。事件の時刻、カメラのタイムスタンプだけで判断してるけど…もし時計が狂ってたら?」と提案した。「タクミ、すごい着眼点だ! 時計塔の時間がズレてたら、事件の時刻が違う可能性がある…!」シュウが目を輝かせ、タクミの手を握った。カナエが冷たく言った。「シュウ、またタクミばっかり…。私たちも手がかり探してるんだから、ちゃんと見てよ」「ごめん、カナエ…。タクミのアイデアがすごくて…」シュウが謝ったが、チームの空気は重かった。 星見キッズはモールの時計塔に向かった。1階の吹き抜けを見下ろす位置にある時計塔は、モール全体の時間を示すシンボルだった。
last updateLast Updated : 2025-07-04
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Ep26:冬休みの距離(クリスマスの街で)

12月に入り、星見小学校は冬休みを迎えていた。星見キッズは、星見モールでの刺傷事件を解決したが、シュウのタクミへの感情が原因でチームワークに大きな亀裂が入っていた。シュウがショタコンとしての自分を告白した後、カナエ、ケンタ、リナはシュウと距離を取ることを決め、星見キッズが5人で集まることはなくなっていた。街はクリスマスの装飾で彩られ、イルミネーションが輝く中、星見キッズの心は冷たく凍りついていた。シュウは自宅の部屋でノートを手に、過去の事件を振り返っていた。窓の外では、近所の家々がクリスマスツリーのライトで飾られ、子供たちの笑い声が響いていた。「星見キッズ…もうダメなのかな…。僕がタクミのことばかり気にして、みんなを傷つけたから…」シュウはメガネを外し、目をこすった。タクミの無垢な笑顔が頭に浮かび、心が締め付けられた。「タクミ…会いたい。でも、みんながこんな気持ちじゃ、僕がそばにいるのは良くない…」シュウはノートを閉じ、ため息をついた。 一方、カナエ、ケンタ、リナは街の中心にある広場でクリスマスマーケットを楽しんでいた。広場は大きなクリスマスツリーが飾られ、屋台が立ち並び、ホットチョコレートの甘い香りが漂っていた。ケンタがホットドッグを手に、「このソーセージ、めっちゃ美味しい! カナエ、リナ、食べる?」と笑顔で振る舞った。「うん、ありがとう、ケンタ! クリスマスマーケット、楽しいね」カナエがホットチョコレートを飲みながら答えた。リナがスケッチブックに広場の風景を書きながら、「うん、クリスマスの雰囲気、癒される…。でも、シュウとタクミがいないの、寂しいね…」と呟いた。 カナエがカップを手にため息をついた。「シュウ…正直、あの告白には驚いたよ。タクミのこと、そんな風に思ってるなんて…。でも、チームとして動くなら、感情を抑えてほしかった。シュウがタクミばっかり気にして、私た
last updateLast Updated : 2025-07-05
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Ep27:クリスマス後の影(新たな危機)

12月26日、クリスマスが終わった星見市は、各家庭で年越しの準備が始まった。昨夜のイルミネーションがまだ街を彩る中、冬休みに入った星見小学校の生徒たちは家族と過ごしたり、友人との時間を楽しんだりしていた。星見キッズも例外ではなかったが、彼らの間には深い亀裂が走っていた。シュウのタクミへの過剰な感情が原因で、ケンタ、カナエ、リナはシュウと距離を取ることを決め、5人が一緒に過ごすことはなくなっていた。クリスマスの夜、シュウはタクミを遠くから見つめるしかできず、チームの絆は冷え切っていた。  その朝、シュウは自宅の部屋で一人、窓の外の雪景色を見つめていた。クリスマスツリーの飾りが残る近所の家々から笑い声が聞こえ、シュウの心はさらに重くなった。「星見キッズ…。僕が壊してしまった。タクミへの気持ちを抑えられなかったせいで、みんなが離れて行った…」シュウはノートを開き、過去の事件を振り返った。田村悠斗の事件、文化祭の爆弾脅迫、モールの刺傷事件……星見キッズはいつも団結して乗り越えてきたのに、今は一人でいるしかなかった。「タクミ…。君の笑顔が好きすぎて、みんなを傷つけた。どうすればいいんだ…」シュウはメガネを外し、目をこすった。 一方、カナエ、ケンタ、リナは別々に過ごしていた。カナエは自宅で本を読みながら、クリスマスの楽しさを振り返っていた。「シュウとタクミがいないと、なんだか物足りない…。でも、あのままじゃチームとしてやっていけないよね…」ケンタは近所の公園でサッカーボールを蹴り、「シュウがタクミばっかり気にしてたの、辛かったけど…星見キッズ、解散したくないよ」と呟いた。リナはスケッチブックに雪の風景を描き、「シュウの気持ち、分からなくはないけど…。いつか5人でまた笑えたらいいな…」と願いを込めた。タクミは自宅でタブレットを手に、星見キッズの写真を見ながら、「シュウ…みんな…。どうしてこうなっちゃったんだろう
last updateLast Updated : 2025-07-06
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Ep28:雪の公園の謎(再結集の兆し)

12月26日、クリスマスの翌日、星見市は新たな事件に揺れていた。星見モール近くの公園で、ジョギング中の田中一郎(42歳)が刺され、意識不明の重体に陥った。現場には「次はお前が…見つけるまで」と書かれた脅迫文が残され、モール事件と同じ犯人の関与が疑われた。星見キッズは分裂状態にあり、シュウが一人で調査に挑んでいた。シュウのタクミへの感情が原因でチームワークが乱れ、カナエ、ケンタ、リナは距離を取っていた。高木刑事がシュウに協力を依頼し、シュウは犯人が自分を標的にしている可能性に直面していた。 シュウは雪が降り続ける公園で、現場を詳しく調べていた。血痕が残る小道、脅迫文が落ちていたベンチの近く、そして雪に残る足跡……シュウはノートに状況を書き込みながら考えを巡らせた。「犯人の足跡は成人男性のサイズ。モール事件と同じ黒いフードの人物…。『次はお前が…見つけるまで』って、僕を挑発してる。トリックがあるはず…」シュウは雪の中を歩き、公園の周囲を注意深く観察した。木々の影、ゴミ箱の裏、凍った池の近く――何かを見逃さないよう目を凝らした。 高木刑事が近づき、「シュウ、何か見つけたか? 犯人が君を標的にしてるなら、危険だ。保護した方がいい」と心配そうに言った。「高木刑事、ありがとう。でも、犯人を捕まえないと…。この脅迫文、僕が解くべき謎なんだと思います」シュウはノートを手に決意を込めた。高木が頷き、「分かった。だが、無理はするな。君一人じゃ心細いだろう…。星見キッズの仲間は…」と尋ねると、シュウが目を伏せた。「…みんな、僕と距離を取ってる。僕が原因で…。でも、一人でやります」シュウは公園の池の近くで、小さなプラスチック片を見つけた。「これ…ナイフの柄の一部だ! 血痕も付いてる。犯人が捨てたんだ…」シュウがビニール袋に証拠を入れ、高木に渡した。「高木刑事、これを鑑定してくださ
last updateLast Updated : 2025-07-07
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Ep29:年末年始の穏やかな日々

クリスマスの熱気も落ち着き、星見市は年末年始のまったりした雰囲気に包まれていた。街のイルミネーションはまだ輝きを保ち、商店街にはおせちの食材を求める人々や、初詣の準備をする家族の姿が見られた。冬休みに入った星見小学校の生徒たちは、家族と過ごす時間や、近しい友人と過ごす穏やかな日々を楽しんでいた。星見キッズは、公園での刺傷事件を解決した後、一時的に再結集したものの、チームの亀裂は依然として残っていた。シュウのタクミへの感情が原因で、カナエ、ケンタ、リナとの距離は埋まらず、5人が完全に元の絆を取り戻すにはまだ時間がかかっていた。シュウは自宅の暖かいリビングで、家族と過ごしていた。窓の外には雪が積もり、クリスマスツリーの飾りがまだ残る中、母が「お正月用の餅つき、シュウも手伝ってね」と笑顔で声をかけた。「うん、母さん…。手伝うよ」シュウは曖昧に答え、ノートを手に持っていた。ノートには、公園事件の記録と「次はお前が…見つけるまで」「次の事件は新年」という犯人のメッセージが書き込まれていた。「タクミ…。君の笑顔が頭から離れない。でも、みんなが距離を取ってる…。僕、どうすればいいんだ…」シュウはメガネを外し、目を閉じた。母が近づき、「シュウ、最近考え込んでいるみたいね。何かあった?」と尋ねたが、「…ううん、大丈夫だよ。友達とのことで、少し悩んでて…」シュウは曖昧に答え、母に心配をかけたくなかった。 その夜、シュウは家族と一緒にテレビを見ながら、餅を焼いて食べた。父が「シュウ、今年もよく頑張ったな。来年も元気にね」と肩を叩き、シュウは小さく笑った。「うん…ありがとう、父さん。でも、星見キッズのこと…。来年、ちゃんと向き合いたい…」シュウは心の中で呟いた。タクミの無垢な笑顔が浮かび、ショタコンとしての感情が再び胸をざわつかせた。「この気持ちを抑えるか、受
last updateLast Updated : 2025-07-08
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