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Ep26:冬休みの距離(クリスマスの街で)

作者: ちばぢぃ
last update 最終更新日: 2025-07-05 11:00:23

12月に入り、星見小学校は冬休みを迎えていた。星見キッズは、星見モールでの刺傷事件を解決したが、シュウのタクミへの感情が原因でチームワークに大きな亀裂が入っていた。シュウがショタコンとしての自分を告白した後、カナエ、ケンタ、リナはシュウと距離を取ることを決め、星見キッズが5人で集まることはなくなっていた。

街はクリスマスの装飾で彩られ、イルミネーションが輝く中、星見キッズの心は冷たく凍りついていた。

シュウは自宅の部屋でノートを手に、過去の事件を振り返っていた。窓の外では、近所の家々がクリスマスツリーのライトで飾られ、子供たちの笑い声が響いていた。

「星見キッズ…もうダメなのかな…。僕がタクミのことばかり気にして、みんなを傷つけたから…」シュウはメガネを外し、目をこすった。タクミの無垢な笑顔が頭に浮かび、心が締め付けられた。

「タクミ…会いたい。でも、みんながこんな気持ちじゃ、僕がそばにいるのは良くない…」シュウはノートを閉じ、ため息をついた。

一方、カナエ、ケンタ、リナは街の中心にある広場でクリスマスマーケットを楽しんでいた。広場は大きなクリスマスツリーが飾られ、屋台が立ち並び、ホットチョコレートの甘い香りが漂っていた。

ケンタがホットドッグを手に、

「このソーセージ、めっちゃ美味しい! カナエ、リナ、食べる?」と笑顔で振る舞った。

「うん、ありがとう、ケンタ! クリスマスマーケット、楽しいね」カナエがホットチョコレートを飲みながら答えた。

リナがスケッチブックに広場の風景を書きながら、

「うん、クリスマスの雰囲気、癒される…。でも、シュウとタクミがいないの、寂しいね…」と呟いた。

カナエがカップを手にため息をついた。

「シュウ…正直、あの告白には驚いたよ。タクミのこと、そんな風に思ってるなんて…。でも、チームとして動くなら、感情を抑えてほしかった。シュウがタクミばっかり気にして、私た
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