啓介はスマホを握りしめ、必死に問い詰めた。「はっきり言え、志保がどうしたって?今どこにいるんだ?」今すぐにでも彼女に会いたかった。今回は絶対に守り抜くと決めた。誰にも、もう二度と彼女を傷つけさせはしない。だが、次の瞬間、秘書の言葉が彼を奈落に突き落とした。「奥様は二時間ほど前に車で外出されましたが、その途中で車が爆発し……奥様は……亡くなられました。現在、残っているのはご遺骨だけです……」「ふざけるな!」啓介は怒鳴り声をあげた。「爆発ってなんだよ!?志保は昼間、ちゃんと俺の前にいたんだぞ!どうしてそんなことになる!?そうか。まだ俺のこと怒ってるんだな?お前もグルになって、俺に罰を与えるために……そうなんだろ?」「社長……」秘書は額の汗を拭いながら、戸惑い気味に答えた。「とにかく、南区の火葬場までお越しください。奥様のご遺骨は、そこにございます」啓介は呆然とスマホを下ろし、抜け殻のような足取りで家を出た。運転中も、自分に言い聞かせるように呟き続けた。「そんなはずない……志保、冗談はやめてくれよ……」だが、アクセルを踏み込む足には、抑えきれない焦燥が滲んでいた。火葬場に到着した瞬間、啓介は恐怖を振り払うかのように葬儀場へ駆け出した。すぐに、骨壺を抱える秘書と、司法関係者らしき人物たちの姿が目に入った。「石川様、奥様・石川志保さんは、本日16時20分に死亡が確認されました。ご愁傷様です……」耳元で何かが爆ぜるような音がした。啓介は骨壺を奪い取るように秘書の手から抱きしめ、そのまま胸元に押し当てて目を閉じた。掠れた声で、何度も同じ言葉を呟いた。「嘘だろ……そんなの……どうして、志保……俺を置いていくなよ……もう、ほんとにわかったからさ……」身長190センチ近い男が、骨壺を抱えてその場に崩れ落ち、子供のように泣き崩れた。その頃、玲奈も急いで火葬場に駆けつけていた。まさか、こんなにも簡単に宿敵を排除できるなんて。心の中の歓喜を必死に抑え込み、彼女は仮面を被るような顔で啓介のそばに歩み寄った。「啓介……今は本当に辛いと思う。私だって、志保にはこんな最期を迎えてほしくなかった……でも、もう戻ってはこないのよ。生きてる私たちは、前を向くしかない。私がいるじゃない。ねぇ、私を見て
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