「俺達だけだと慎也と早和はまた遊びそうだしさ、女子も見張っててくれれば勉強するだろうし」「何だよそれー。ちゃんと午後はやるって」 小林くんが口を尖らせ不満を漏らす。「まあ、でも一緒にやるのは良いんじゃね? なあ、そっちはどうだ?」 そして工藤くんが主に美智留ちゃんを見て聞いた。「あたしは良いよ。皆は?」 と美智留ちゃんがあたし達を見て言う。 さくらちゃんを見ると少し嬉しそうで、これは協力しないわけにはいかないだろう。 日高くんの事だって、明日からずっと避けるわけにはいかないし。 何より沙良ちゃんもさくらちゃんも良いよ、と言ってしまったのであたしだけダメとも言えなかった。 そうして昼はどうするのか、勉強の場所はどこにするのか相談し始める。「もう好きなものテイクアウトでもして外で食べるか?」「あ、日高一人暮らしなんだよな? 勉強そこでよくね?」 工藤くんと小林くんは好きに提案している。 でもそれで良いわけもなく。「六畳一間にこんな人数入る訳ないだろ」「好きなものテイクアウトして外でって、こんな繁華街のどこで食べるんだよ?」 と言うのは日高くんと花田くんの言葉。「でもお昼も食べて勉強の出来る店って今はちょっと難しいしねぇ」「GWだもんね、どこも混んでて勉強は流石に出来ないよ」 現実を見てしょんぼりしているのは美智留ちゃんとさくらちゃんだ。 あたしはそんな皆の話を聞きつつ、どうしようかと考えていた。 すると、周囲を見回していた沙良ちゃんが一方向を指差し言う。「ねぇ、あそこで良いんじゃない?」『え?』 揃ってその方向を見ると、レトロな雰囲気のある喫茶店があった。 喫茶・綾織と書かれた看板。 オススメメニューが書かれたブラックボードを見ると、和風な喫茶店と言
Terakhir Diperbarui : 2025-07-17 Baca selengkapnya