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報告①

مؤلف: 緋村燐
last update تاريخ النشر: 2025-07-24 17:31:12

『で? どうだったの灯里?』

 家に帰って夕飯も食べ終わり、お風呂に入ろうかというときに美智留ちゃんからそんなメッセージが届いた。

 校外学習女子というグループ名のトーク画面に表示されたそれを見て、あたしは返事を打つ。

 相談したんだし、結果は報告するべきだよね。

 そう思って『日高くん、あたしのこと好きだって言ってた』と事実だけを書いて送信する。

 そしてお風呂から上がってまた確認すると、何か沢山メッセージが来ていた。

『やっぱりね、そうだと思った』

 沙良ちゃんのその言葉から始まり、他二人も『だよね』『灯里鈍感過ぎ』などとメッセージを送ってきている。

「……」

 お昼の話だけで三人には気付かれていたってことか。

 それなら確かにあたしは鈍感なのかもしれない、と遠い目をして思った。

 そしてそれらの最後、さくらちゃんからこうメッセージが届いていた。

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  • 地味男はイケメン元総長   エピローグ

     それからひと月。 決意もむなしくその二つ名は皆に呼ばれ続けている。 流石に長ったらしいので短縮され、そっちの方が定着してしまったけれど。 あたし達が嫌がっているのが分かっているから美智留ちゃん達は言わないでいてくれるけれど、他の人は面白がって結構その短縮した二つ名で呼んでくるんだよね。「美の総長、今日も美しいな!」「うっせぇ! 美しさとかいらねぇんだよ!」 笑い混じりに呼ばれた陸斗が眉間に皺を寄せて叫ぶ。「美の女傑、またメイクしてね!」「その呼び方やめたらいいですよ!」 明るく呼ばれたあたしは笑顔で返した。 そんな感じで、あたし達も少しずつこの呼び方に慣れてきてしまっているところがまた怖い。 あたし達は呼び掛けて来る生徒達から逃げるように校門を出て、あたしの家に向かった。 今日は久しぶりに陸斗がメイクさせてくれると言うので、早目に帰るんだ。 今日家にはお母さんがいるけれど、陸斗のことは紹介済みなので問題はない。 帰ると、早速メイクを始める。 大好きな彼に、あたしの大好きなメイクを施すの。「お前はやっぱりメイクしているときが一番綺麗でカッコイイよ、灯里」 そう言ってくれる陸斗に、あたしは微笑んだ。 さあ、メイクの時間だ――。END

  • 地味男はイケメン元総長   同好会③

    「ごめんな、困らせたかった訳じゃねぇんだ」 そんな風に素直に謝られたら怒れなくなってしまう。 陸斗はあたしの向かい側の椅子にこちらを見るように座り、頬を撫でた。「ちょっとした仕返しのつもりだったんだ。責任とってもらうとか言ったけど、本気だったわけじゃねぇ」「……じゃあ、どうして皆の前でキスまでしたの?」 それが一番の決定打だったため、恨めし気に聞いてしまう。 すると陸斗は少し視線を逸らして呟くように言った。「……止められなかったんだよ……」「え?」 聞き返すと、視線を戻してもう一度今度はハッキリと口にする。「灯里が可愛すぎて、自分で自分を止められなかったんだよ」「な、に……それ」 ズルイ。「俺はな、いつだってお前を欲しいと思ってる。あの日、初めてお前にメイクしてもらったときからずっと」 いつになく真剣な眼差しに、あたしは先程まで感じていた怒りや羞恥も忘れて陸斗に見入っていた。「灯里の事が好きで、大切だから我慢しているだけで……本当はいつでも俺だけを見ろよって思ってる。おまえの全てが、俺だけのものになればいいのにって思ってる」 獣のような目の奥に隠していた強い独占欲。 あたしも気付かなかったそれを今彼はさらしていた。「そんなだからさ、一度タガを外してしまったら止められなかった。止められなくて、お前が本気でやめて欲しいって思ってるの分かってたのにキスしちまった」 だからごめんな、ともう一度謝られる。 謝っていても、その目に今宿っているのはどこまでも強い独占欲。 でも、頬を包んでいる手は温かくて優しい。 あたしはこんな陸斗を見てどう感じているんだろう。 自問自答してみて

  • 地味男はイケメン元総長   同好会②

    「文化祭の時のを見て同好会にって言ったんだから、美と健康ってのも同好会の主旨に入るんだろう? それを考えれば男子が入ってもおかしくはないんじゃないかな?」「そうだよな。俺も部活あるから手伝えねぇけど、出来ることあったら協力するぜ?」 花田くんの言葉に同意して協力を名乗り出てくれる工藤くん。 彼はそのまま小林くんに目を向けた。「早和はどうすんの? 部活には入ってないけど」 少し考え込んでいた小林くんは、工藤くんの言葉に顔を上げて「俺は止めとく」と答えた。「俺は俺でやりたいこととかあるし。まあ、手伝ってほしいことがあれば手伝うから、遠慮なく言ってくれよ」 そう言ってあたしと美智留ちゃんを交互に見る。「で? その同好会って何同好会なんだ?」 小林くんの質問に、あたしと美智留ちゃんは眉を寄せて考え込んだ。「うーん。メイクアップ同好会は直接的すぎるからダメって言われたんだよね」「うん。あくまでも主旨は美と健康で、メイクアップはその延長上にあるって感じじゃないと許可出来ないからって」 あたしが言われたことを思い出しながら言うと、美智留ちゃんも言われたことを思い出しながら繰り返した。「英語だとヘルシー&ビューティー同好会? 何か語呂がイマイチ……」「でもそのままってのもなぁ……」 そんな風に悩むあたし達に、陸斗が「そのままでいいじゃん」と言った。「美と健康同好会。語呂は悪くねぇんじゃねぇか?」「そうだね。略してビケン同好会、ありそうな名前じゃないかな?」 陸斗と花田くんはそれでOKと……。 もう一人の会員予定のさくらちゃんに視線を移すと、ニッコリ笑顔で言われた。「美と健康同好会、略してビケン同好会で良いでしょう? こういうのはどれだけ悩んで

  • 地味男はイケメン元総長   同好会①

    「同好会、ですか?」「あたしたちで?」 文化祭から一週間ほど経ったある日の放課後。 担任に話があるからと呼び出されたあたしと美智留ちゃんが職員室に向かうと、同好会を作ってみないかと提案された。「ああ。文化祭の実演が思った以上に好評でな、各学年からまたやって欲しいという要望があったんだ。そんなことを言ってもメイクなどは校則違反になるしと渋ったらグローバル教育を謳っている学校なのに硬すぎる。放課後くらいは良いじゃないかと保護者からも非難が殺到してな……」 ウンザリと言った様子に、その対応をしたのも担任の先生だったんだろう。「まあ、そう言うわけで放課後に活動するなら良いことにしようと職員会議で決まってな。お前たちが会長と副会長をやって同好会を作ってくれるならと各学年の希望者に伝えたところなんだ」「それで、同好会ですか……」「ああ。いきなり部にするわけにもいかないし。愛好会からとも思ったんだが、顧問を名乗り出てくれる先生が何人かいたから同好会という形になった」 なんだか突然の話だったのでどうすればいいのか分からない。 返事を迷っていると、出来る限り早めに決めて音楽の先生に伝えて欲しいと言われた。 音楽の先生が顧問になるからと。 そうして二人で職員室を出ると、いつの間にか息を詰めていたみたいで二人そろって「はぁー」と深い息を吐いた。「……どうする?」 最初にそう聞いて来たのは美智留ちゃん。 「どうしよっか」 あたしはすぐに答えを出していいものかと思って曖昧に答える。「話聞いて、どう思った?」 次に美智留ちゃんは質問を変えてきたので、それには素直に答える。「……純粋に嬉しかったよ。なんか、認めて貰えたって感じで」「そうだよね!」 あ

  • 地味男はイケメン元総長   後夜祭の裏で②

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  • 地味男はイケメン元総長   後夜祭の裏で①

    「お疲れさん」 そう言って教室に入って来たのは制服に着替え終えた陸斗だ。 その後からは美智留ちゃん以外のいつもの仲間が入ってくる。 美智留ちゃんはあたしと一緒に教室で撃沈していた。 あたしのメイクも次から次へって感じだったけれど、美智留ちゃんのヘアセットも止めどなかった。 まさに目が回る忙しさ。 そうして疲れ果てたあたし達は体育館で行われている後夜祭も参加せず、教室で休ませてもらっていた。「皆は後夜祭楽しまなくていいの?」「あたし達に気を使わなくてもいいんだよ?」 あたしと美智留ちゃんがそう言ったけれど、皆は首を横に振る。「気にすんなって、今はこの仲間うちで一緒にいたいんだよ」 という工藤くんの言葉に皆今度は頷いた。 人数分のジュースが用意されて、代表で工藤くんが音頭を取る。「えーっと、皆お疲れ様。田中が言い出した実演も好評で、無事文化祭が終わって良かった。成功を祝って、乾杯しよう!」『カンパーイ』 揃ってジュースを掲げ、一気にゴクゴクと飲む。 ぷはぁ! と息を吐き出すと、昨日と今日の文化祭の話で花が咲く。 離れた体育館の方から聞こえる盛り上がっている声をBGMに、初めは無難な話題が上がっていた。 どの出し物が良かっただとか、二年の喫茶店メニューが無難すぎるだとか。 そこから徐々に個人の話になっていく。「で? 結局お前ら付き合ったの?」 花田くんにそうぶっちゃけて聞いたのは工藤くんだった。「はは、ド直球で来たな」 困ったように笑った花田くんは、それでも答えをはぐらかすことはしなかった。 隣のさくらちゃんの肩を抱き、ハッキリと言う。「俺達付き合うことになったから、よろしく」「あ、あたしからも、よろしく」 さくらちゃん

  • 地味男はイケメン元総長   校外学習 一日目①

     校外学習一日目は美術館での芸術鑑賞と、工芸品の施設へ行って見学と制作体験をするものだった。 一学年全員で行くものだし、大して騒げるわけでもないので無難に終わったという感じ。 大抵の生徒は明日が本番って気分だし、お楽しみは宿泊施設に着いてから何て言っている人もいた。 宿泊施設もそこそこ良いところで、築年数は多少いってるけれどそこまで古臭い感じはしない。 しかも百パーセントかけ流しの大浴場はリフォームしたばかりとあって皆楽しみにしていた。「灯里ってメガネ取ると

  • 地味男はイケメン元総長   校外学習準備②

    「え? でも校外学習の話してるとき今まで一度もそんな事言わなかったよね?」 街を良く知っているなら、自由行動のスケジュールを決めるときに教えてくれても良かったはずだ。 そう思って疑問を口にしたけれど、すぐにそれが無理だったことを理解する。「俺が総長やってた時に歩き回ってた街だぞ? ボロが出ても困るから黙ってたんだよ」「あ」 そうだった。 日高くんの地元という事はそういう事で、元不良仲間がいてもおかしくない場所なんだ。「それで口数も少なかったし、考え込んでいたんだ?」

  • 地味男はイケメン元総長   校外学習準備①

     何だかんだで中間テストが終わると、すぐに校外学習の準備が始まる。 HRの時間を使って、主に二日目の自由行動について決めていく。 先生からはいくつか指定されたお寺や神社など観光名所のうちどこか一つに必ず行くように、とだけ伝えられ、他は時間までに集合時間に来れる様スケジュールを好きに決めて良いらしかった。 ただ、そのスケジュールを先生たちが確認するので変な場所やただ遊びに行くためだけの場所は控えるように、とだけ伝えられる。 行くな、ではなく控えるように、と言っている辺り多少羽目を外してしまうのは仕方ない

  • 地味男はイケメン元総長   閑話 田中美智留③

     内側は少し長めに切り、すきばさみを使う。 外側を被せる様な感じにするため、内側の髪は結構思い切って切っていく。 ようは顔が隠せる長さがあれば良いんだろうから、前髪や横の髪を出来るだけ残す様にしていく。 切りながら会話も出来れば良いんだけれど、緊張感をもってはさみを使おうと思うとまだ上手く会話を弾ませられない。 理容師か美容師、どちらになりたいのかあたしはまだ悩んでいる。 どっちかにはなるとは決めているものの、カット技術が優れているという理容師も憧れるし、髪結いなども出来る美容師も素敵で。 最

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