い、言ってしまったーーー! 「……何? 交換条件出すの? お前のメイク好き秘密にしてやるって言っただろ?」 怒るかもと思ったけれど、日高くんは何だか面白そうな笑みを浮かべている。 「そ、その代わりに火燕の総長だってことを秘密にするって言ったでしょ?」「……つまり、本当は地味男じゃないって秘密の方をを守る代わりにメイクさせろってことか?」「そうよ」「……ふーん」 何だかニヤニヤしている日高くん。 怒ってはいないけれど、良い予感もしなくて何だか不安になる。 「ま、良いぜ。それだけで秘密にしてもらえるなら悪い話じゃない」「そ、そう? ありがとう!」 不安はまだちょっとあったけれど、了承してもらえて良かった。「じゃあそろそろ戻るか。あいつらどこにいるだろうな?」 そう言いながら立ち上がり、メガネを掛けようとする日高くん。「あ、待って」 あたしはすぐにメガネ拭きを取り出して手を差し出した。 「メガネ貸して。やっぱりそれじゃあ見えづらいでしょう?」 日高くんのメガネにはまだあたしの手あかがついたままだ。 気になるし、あたしのせいだから綺麗にしておきたい。 「ん? ああ、じゃあ頼む」 今度は素直に渡してくれる。 さっきはメガネなしで工藤くんたちに会わないように焦ってたのかな? そんなことを考えながら拭いていると、このメガネに度が入ってないのが分かった。 入っていたとしてもそこまで強くない。 「これ、度が入ってない? もしかして本当はメガネもいらないんじゃない?」 そう聞きながら返した。「まあな。地味男になるって言ったとき、親父がこれもつけてけって買ってきたやつだからな」 メガネを掛けながら教えてくれる。「お父さんが?」 父親も協力的
Last Updated : 2025-06-27 Read more