Lahat ng Kabanata ng なぜか人気俳優に飼われています〜消えるはずだった私がまさか溺愛されているなんて〜: Kabanata 41 - Kabanata 50

77 Kabanata

人気俳優の裏側/傷つけるなら消すよ

 撮影現場での後片付けが終わり、皆が打ち上げをどうするかと盛り上がる中。 「あれー?綿貫くんと、まりかちゃん知らない?」 「さあ。二人ともトイレとか?」 現場にその二人の姿はなかった。  薄暗い倉庫前。  さっきのドラマみたいに、昴生がまりかを壁際に追い込んでいた。 「ねえ。  侑さんと俺がマンションから出てきた写真をSNSに投稿したのって、浅井さんだよね?」 「ま、まりかそんなの、し、知りませ…!」 「えー…?でも、浅井さんの写真の中にあったよ?あの裏アカに使われてたプロフィール画像が。  しかもたくさん。  何度も何度もアカウント変えてるんだよね?  特定される前に消してるんだもんね。  頭いいんだねえ。浅井さんは。」 感心するよと綺麗に笑いながら、昴生はまりかを逃さないよう壁に手を付き、拘束している。 「ねえ……何でそんな事したの?  あの裏アカの事、誰にも言わないから教えてくれる?  あんなのが…まさか人気女優の浅井さんがあんな酷い投稿してるって知られたら…社会的制裁って免れないと思うんだけどなあ。」 泣きそうな顔で、まりかは昴生を見上げた。 「だ、だって……!  綿貫さんがあんな人に構うから……!!」 「あんな人って…侑さん?  あれ、もしかして浅井さんって俺の事好きだったの?」 思いがけず自分の気持ちをバラす事になってしまったまりか。  もうここは、いっそ昴生に縋るしかないと、思いきり抱き付いた。 「そうです……!まりか、ずっと綿貫さんの事が好きでした…!!  だから……悔しかったんです!  あんな人より、まりかの方が絶対、綿貫さんに相応しいのに…!」 「だから…尾行して俺の住むマンションを特定したの?  それで写真を撮ったんだ。  …撮って侑さんの名誉を傷つけるような、酷い投稿したんだね?  侑さんがストーカーじゃないのは見ていて分かってたんだよね。」 酷いなあ、と落胆したように昴生は笑う。
last updateHuling Na-update : 2025-07-08
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人気俳優の裏側/傷つけるなら消すよ

 「…そうです……  常盤さんがストーカーって噂を流せば、炎上して、勝手に潰れて消えてくれるって思ったんです……!」 「まさか…嫉妬で侑さんに[死ね]なんて書いてたの?  他にも酷い嫌がらせや暴言を書いて、投稿してたみたいだね。しかも何年にも渡って。」    「だって……!綿貫さんがあの人ばかり見てるから……!  好きなんです……!分かるでしょ!?  まりかの方が若いし、人気もあります!  あんな人に負けてません…!  だから綿貫さん!あんな人より私を見て下さいよ!お願いだから!」 「ふ。」 若い子に飛びつかれて好きだと泣きつかれたら、いくら昴生でも靡く筈だとまりかは思っていた。  だからこそ驚いた。 その手を、まるで汚い物でも触った後のように振り払われ、体を押し返された時は。 「綿貫……さん……?」 昴生がコートの内側のポケットから、自分のスマホを取り出した。 「あーあ。凄いね。浅井さん。  ちょっと人を信用し過ぎじゃない?   今までの会話全部、録音してあるからね。」 スマホが、録音中のボイスレコーダーの画面になっている。 「わ、綿貫……さん?」 再び青褪めたまりかを、昴生は鋭い眼差しで見つめた。まるで刑事が罪人を暴くように。    「……ここからはオフレコだよ?  浅井さんって、本当に汚い女なんだね。  ……まあ、知ってたけど。  それに俺の大事な人が侑さんだって分かってるなら、ハッキリ言っておくね。  もしもまたあの人の名誉を傷つける事があれば、俺は容赦しないよ?  このボイスレコーダーを躊躇いなく、マスコミに拡散してあげるね。」 「へ……?わ、綿貫さん、まりかは綿貫さんのためを思って……好きだから…す、好きで、だから綿貫さんの事欲しかったから…」 「ははは。笑わせる。  賢いようで以外と頭が悪いみたいだから言うね?  俺を好きなら、侑さんだけは傷つけちゃ駄目だったよ。  でも、もう遅いけどね。  侑さんを貶めるような事をしたんだから、君を芸能界に居られないようにするね。」 本当にゴミ屑でも見てるように、昴生は冷ややかな視線をまりかに送る。    「侑さんを傷つけるなら、消すよ。」 「躊躇いなく。」 演技だけでなく、その容姿が美しいと
last updateHuling Na-update : 2025-07-08
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人気俳優の執着愛/初恋

 や⃞っ⃞と⃞見⃞つ⃞け⃞た⃞貴⃞方⃞は⃞、⃞そ⃞の⃞時⃞誰⃞よ⃞り⃞も⃞遠⃞い⃞人⃞だ⃞っ⃞た⃞。⃞  ずっと探して追いかけて。 ようやく見つけた彼女はテレビの中にいた。 国民的人気女優の常盤侑。 彼女はどんなに望んでも、簡単に手が届くような人ではなかった。 やっと見つけたのに。やっと会えたのに。 なのにどうしてこんなにも、貴方はまだ遠いのだろう……? 侑さんのファンが彼女を好きだ、美人だと騒いでても、その人はきっと何一つ分かってない。 彼女の良さは、テレビに映っているその外見だけじゃない。 本当の意味で何もかもが美しい人だ。 俺が侑さんに出逢ったのは、実は同じ事務所に所属して、紹介された瞬間なんかじゃない。 それよりもっと以前。 常磐侑が、まだ女優としてデビューすらしてない13歳の頃。 俺がまだ小学生だった頃。 転校してきて、たった1か月だけ、姉の唯一の友達になってくれた人。 絶望する俺と家族を救ってくれた人。 それが侑さんだった。 綿貫昴生————本名、江南《えなみ》昴生。 俺の生まれた町は海の見える田舎で、人口はあまり多くなかった。 小学も中学も3クラスしかないくらい。 町には大した娯楽もない。 そのせいか、地域では人と人との繋がりが強く、噂話も風のように広まる。 裏を返せばかなり陰険な町だった。 久しぶりに帰郷した。帽子にサングラス。黒マスク。 黒だらけでは不自然なので、コートや靴はグレーに。 今はコロナのおかげでマスクするのが当たり前で、それだけは助かってる。 周囲に気づかれにくいから。 海の見える高台に登ると、一面に墓が広がっていた。 目的の場所を見つけて、俺は買ってきた花束を添える。 今日は彼女の命日。 
last updateHuling Na-update : 2025-07-09
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人気俳優の執着愛/初恋

  「こらー!お前ら全員教室に戻れー!」 教師が立ち入らない様にその場を塞ぐ。 だが生徒が野次馬と化して、次々と現場に押しかけてくる。 「学校の屋上から飛び降りたんだって。」  「名前何だっけ…江南…渉…?」 「あー、あの暗めの子おー?」 「ねー、警察すごくない?」 「やばーテレビ局とか来るんじゃね?」 「わー、可愛く映んなきゃ」 ……こいつら一体何なんだ。 「うわあ、まさかだよねえ。 あれくらいで普通自殺する?」 「本当だよねえ、マジでいい迷惑〜」 「あ、でもお陰で授業中止になったじゃない?」 「きゃははは、それな」  「なー死体ってどんなだったの?」 「先生が隠したらしいけど、超グロかったらしいよー」 ……誰がこんな風に姉を虐めた? ……誰が姉をこんな風に追い詰めた? ……何で皆笑ってられる? たった今、一人の人間が死んだんだぞ。 俺の姉が。俺の大切な家族が。 それを笑うのか。  こいつらは人間じゃない。 人間じゃない……………………!!!  皆死ねばいいのに……………!!! 姉を追い詰め、姉の死を笑った奴ら全員、姉と同じように苦しんで死ねばいいのに!!!! そんな風に、姉の死を興味本位で騒ぎ立て、嘲笑う人混みの中で。 彼女がいた—————常盤侑。 その人が。
last updateHuling Na-update : 2025-07-10
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人気俳優の執着愛/拗れた心

 何⃞も⃞知⃞ら⃞な⃞い⃞奴⃞ら⃞が⃞何⃞で⃞平⃞気⃞で⃞侑⃞さ⃞ん⃞を⃞傷⃞つ⃞け⃞る⃞ん⃞だ⃞よ⃞?⃞  侑さんが転校した。 ただでさえ姉を失った喪失感が酷かったのに、侑さんを失った事で辛さが増した。  また会えると思っていたのに、もう会えないなんて。 そうして失って初めて気づいた。 ……俺が侑さんに恋をしていたという事に。 初恋だったんだ。 * 侑さんがどこに引っ越したのか誰も知らなかった。 親も先生も… かなり急だったらしく、誰一人挨拶もできなかったらしい。 卒業し、中学に入っても俺は侑さんの行方を探し続けた。 彼女に会いたかった。 もう一度あの優しい笑顔を見たかった。 それからも俺は初恋の人を盲目的に探して、探して探し続けて…… ようやく見つけた彼女は、テレビの中にいた。 やっと見つけたのに……会えたのに。 会えない。 手すら届かない。 常盤侑…… 朝ドラで華々しくデビューした、国民的人気女優。 彼女は誰よりも遠い存在になっていた。 もちろん会いに行った。 ロケ現場、テレビ局、ファンに混じって出待ちもした。 そのために、身内の会社で、中学生ながら必死にバイトもした。 彼女のグッズも買い込んだし、ファンレターもたくさん書いた。…返事はなかったけど。  だけど、どんなに会いに行っても彼女はいつも誰かに囲まれていて… 近づく事はできなかった。 「今日は来てくれてありがとう。」 アイドルみたいな握手会に行って、目が合っても…侑さんは俺に気がつかなかった。  まあ、そりゃそうだ。 侑さんがあの町で過
last updateHuling Na-update : 2025-07-11
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人気俳優の執着愛/拗れた心

  女の子にとって大事な初めても…… 俺は誰かを抱きながら、侑さんの事ばかり考えていた。 現実に抱けない人だから。 別人を抱いてるのに、侑さんを思い描いてばかりいた。 「何考えてるの?」「最低!」 よく怒られてフラれた。 ……分かってるよ。煩いな。 誰かの身代わりに女の子を抱くなんて、最低だよな。 どうせ侑さんは俺のものにはならないんだって。 現実を見てる。そのうち大学受験もする。 夢は見ない。そのうち誰かと結婚する。 ……そう思うのに。 テレビをつければそこには侑さんがいて、変わらない美しい瞳で、自分以外の誰かを演じてる。 侑さんの演技は心に響く。 悲しくて、切なくて、繊細で、いつも簡単に心を揺さぶられてしまう。 また無意識にテレビに手を伸ばす。 ……触れたいんだよ、いい加減さあ。 忘れたいのに、所詮単なる、初恋なのに。 そうやってテレビの中に侑さんが映るせいで、忘れる事もできない。 美しくて、綺麗で、脆く見える侑さんをどうしても忘れられない。 「はあ……本物の侑さんを抱きたい……」 人気女優に恋する、バカみたいな男子高校生が、叶わない夢を見る。  〈常盤侑は性格が悪い女だ〉 いつの頃からか、侑さんの事を悪く言う記事が出回り始めた。 スキャンダルを売りにする下らない週刊誌。 噂をバカみたいに煽るマスコミ。 ……は?って感じだった。 何言ってんだ、こいつらは。 あの人の一体何が分かるって言うんだ? 綺麗なあの人を知らないくせに、一体何を? 大した目標がないまま俺が大学生になった頃には
last updateHuling Na-update : 2025-07-12
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人気俳優の執着愛/拗れた心

 も⃞う⃞こ⃞れ⃞以⃞上⃞、⃞好⃞き⃞に⃞な⃞っ⃞て⃞も⃞辛⃞い⃞だ⃞け⃞な⃞の⃞に⃞。⃞   大学を辞めて、俳優になるための養成所に通った。  とにかく努力した。  たくさんのオーディションを受け、何度も落ちてはまた挑戦し…… 実は、俺の演技は壊滅的に下手だった。  けれど[俳優]になるのは侑さんに近づくための手段だったから……何だってできた。 「綿貫昴生……?ああ……あの顔で選ばれたっていう…」 ある映画で、小さな端役を勝ち取った頃は酷い言われようだった。 「いい時代になったもんだねえ。  顔で選ばれるなんて……さ。」 その映画の監督の嫌味にも、笑顔で耐えた。 何とでも好きに言えばいい。  例え顔で選ばれたとしても、それも運だ。 あの人に近づくための大きな前進。 20歳。ようやく念願だった侑さんに再会した。  事務所は色々あったけど、彼女と同じ事務所を選んだ。  彼女は22歳。  弱小の事務所では、まだまだ売れっ子女優だった。 「初めまして。綿貫昴生です。」 …侑さんだ。 彼女が俺の目の前にいる。  綺麗なロングの黒髪。綺麗な瞳。綺麗な肌。  息遣い。伏せ目。細い体のライン。  透明感のある声。 ……今すぐ触れられたらいいのに。 ずっと拗らせていた想いを、存分にぶつけられたらいいのに。 どことなく侑さんは不器用でぎこちなかったが、やはり何も変わってなかった。 目標の俳優に運良くなれたとは言え、この業界で成功するのはほんの一握りの人間だ。 侑さんに並びたい。  侑さんに褒められたい。  侑さんに認められたい。  彼女に相応しい人間になりたい。 本格的に演技の勉強をするようになり、努力に努力を重ねた。  時には侑さんにアドバイスを貰った。  こうして一緒にいられるなんて……幸せすぎて死にそうだ。 奥深い俳優という世界。  そこにいる貴方はいつだって輝いていた。  貴方の笑顔が少しずつ影を落としていても。 誰かが貴方を攻撃しても。  俺が貴方の盾になる。  貴方を蝕む悪意から避けられるように。 侑さんの周りには敵が多かった。 この業界は常に成功者への妬みが溢れていた。   〈常盤侑は性格が悪い〉 〈笑わない〉〈スタッフに対する気遣いが
last updateHuling Na-update : 2025-07-13
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落ち目女優の元恋人/好きだった子

好⃞き⃞だ⃞っ⃞た⃞よ⃞。⃞本⃞当⃞に⃞。⃞…⃞だ⃞か⃞ら⃞今⃞が⃞苦⃞し⃞い⃞の⃞か⃞?⃞ 常盤侑……  堤侑とよく話すようになったのは中学3年で、クラスが一緒になってからだ。 去年の時期外れに隣のクラスに来た転校生。  顔と名前は知っていたけど、直接話したことはない。  よくよく聞けば親の都合により、親戚の家を転々としているという。 人には人の事情がある。だから余計な詮索はしない。  適度に付き合い、適度に距離を保っておこう。  人間関係はそれくらいがちょうどいい。 侑はとにかく目立っていた。 長いきれいな黒髪で、背は高い。けど本人はすごく物静かな人だった。  ただ年齢の割には大人っぽく、少しの仕草でもつい目で追いたくなる。 そんな侑に思わず声をかけてしまったのは、本当に無意識のうちに、だ。 夕暮れ時の放課後の教室。  あまりクラスに馴染まない彼女の、寂しげな横顔が気になった。  普段は誰にでも愛想良くし、かと言って深く踏み込まないのが俺のポリシーだったのに。 「俺で良ければ……話聞くよ?」 気付けば、彼女の相談相手になっていた。 侑の親はどちらも自分勝手な人間だった。 お互いの愛情が冷めて離婚し、それぞれに新しい家庭を持ち、それぞれに子供を設けていた。  だからそれぞれの家庭のために、侑が邪魔だったようだ。 勝手に産んでおいて勝手に捨てる。  本当に最低だ。 もしも俺が実の親にそんなことをされたら、ふざけんなと怒り狂ってるだろう。 でも肝心の侑は、幼い頃に見捨てられた経験が心の傷になり、両親にこれ以上見捨てられないように、必死に縋り付いていた。 親戚に自分を預け、二人ともお金だけを送ってくるのだという。  もう頻繁に電話をしてくるなと、母親に言われて、侑は思わず謝ってしまったらしい。 「何で侑が謝らなくちゃならないんだよ。」 「……聖……?」 腹が立った。すごく。  侑を捨てたくせに。それ以上に傷つけるなんて。 今お世話になっている家には二人の大学生の姉妹がいるらしいが、親がお金の工面をするのを見ていて、二人とも侑に冷たくあたるらしい。 確かに子供を育てるのは、お金がかかるのも分かる。  だけど……侑だって好きでそこにいるわけじゃないのに。 「ありがとう。聖は優しいね
last updateHuling Na-update : 2025-07-14
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落ち目女優の元恋人/好きだった子

   付き合った当初は本当に幸せだった。 それまで、会いたくても簡単に会う事さえできなかった侑が…俺の腕の中にいる。 ずっと想い続けていた人。ずっとテレビの中でしか見れなかった人。  今では国民的人気女優の常盤侑が、自分に抱きしめられてるなんて信じられない。 「聖……?どうかしたの?」 「ううん、何でもない。ただ……幸せだなって。」 俺の住む狭いアパートに泊まりに来て、狭いキッチンで朝食を作ってくれる。  その姿だけで感動して泣きそう。 確かに堂々とは会えなかった。  ここに来るまでには侑も念入りに変装して、周囲にマスコミがいないかどうか確認して… 有名人と付き合うって、きっとそういう事なんだ。 でもこの幸せを手に入れたんだから、このくらい我慢できる。 「好きだよ、侑。本当に。」 何度も何度も抱きしめた。 何度も何度も侑を抱いた。  皆が憧れている人気女優の常盤侑が、自分のものだって確認するために。  *  「悪いんだけど…侑にはあんまり近付かないでくれないかな。  今侑がマスコミに見つかるのは良くないというか…」 ある時、侑のマネージャーだという佐久間という男に呼び出され、そんな事を言われた。  胸がざわついた。 知らなくて。何も。 当時の俺には侑の綺麗で輝いてる部分しか見えてなかなったから、侑の人気が下降気味である事も、マスコミに叩かれてる事も目にも、耳に入らなくて。 マネージャーがそんな事を言うのは、つまり人気女優の侑に、お前は相応しくないって言われたように感じて。 「……っ、俺たち真剣に付き合ってます。  だから」 ぐっと唇を噛み締めて、俺はカフェのテーブル下で強く手を握った。  はあ、っとそのマネージャーは長いため息を吐いた。 それ以降……侑には会いたくても会えない時が続いた。 侑。今何してる……? 電話もあまり来ない。  相変わらず侑はテレビの中にいる。 何で笑ってられるんだろう?  侑は俺に会えなくても、寂しくないのかな。 周りに色んな人間がいる。  人気俳優、モデル、タレント……たくさんの男が侑を取り囲んでいる。 ……何で電話すらくれないんだ、侑。 会いたい。寂しい。………早く抱きたい。 抱きしめて……侑が俺のものだって信じさせて。   好き
last updateHuling Na-update : 2025-07-14
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落ち目女優の元恋人/言い訳

 「私……女優やめようかな。」 人気が低迷して仕事が激減してる侑が、突然電話してきた。 「やめて……どうしたいわけ?」 本当なら嬉しいはずなのに、自分でも驚くほど冷たい言葉が飛び出した。 「どうって……別に」 久しぶりに電話してきたと思ったら、なんて事はない会話。    侑は知らないだろう。  俺がどれだけ長い間、思い悩んできたか。  苦しかったか。 なのに今更………  自分が売れなくなってきたからって、思い出したように電話してきたのか? その事があまりに腹立たしくて…悔しくて。 あれから芽衣子とは随分と親しくしている。  一応…節度ある付き合いはしてるけど……気を抜いたら、簡単に体の関係を持ってしまえるくらいには近い距離にいる。 その時だって……彼女は俺の家にいて、ご飯を作ってくれていた。 きっと…侑も俺には気づかれない所で浮気したり、男と会ってるに違いない。  どうせ………侑は女優だから。  嫌な妄想ばかりが膨らむ。 こんな自分がすごく嫌だ。だけどもう侑を素直に好きだと思える要素がなかった。  こんな事なら再会……しなければよかった。 初めから……付き合わなければよかった。 俺達は、いつかこんな風に終わってしまうような関係だったんだ。 「今…侑仕事ないんでしょ?  俺、お前を養えるほど稼ぎないから」 もう……夢は見ない。 終わらせよう。この恋を。 もっと惨めになる前に。 そして……いつもそばに居てくれて、自分を大事にしてくれる芽衣子を好きになろう。 そしたらきっといつか……昔、常盤侑と付き合ってたんだと得意げに、自慢話をする日が来るだろう。笑い話を。 だから侑……さよなら。 芽衣子といる時間はとても穏やかだった。 電話をすればすぐに会いにきてくれるし、デートの約束もできる。 嬉しい事も楽しい事も共有できたし、何より手を伸ばしたらすぐに触れる事ができた。 その温もりに縋るように。  俺は芽衣子を愛した。 愛した……つもりだった。 〈常盤侑、綿貫昴生のストーカー行為〉 〈実は浅井まりかのウソだった!?〉 〈浅井まりか、裏アカウントで常盤侑の悪口を投稿!名誉毀損で裁判か〉 〈綿貫昴生が常盤侑を慕っていると告白か?  番組スタッフが、綿貫昴生の知人から証言を独占入手
last updateHuling Na-update : 2025-07-15
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