あ⃞ん⃞な⃞女⃞嫌⃞い⃞。⃞早⃞く⃞死⃞ね⃞ば⃞い⃞い⃞の⃞に⃞。⃞浅井まりかが綿貫昴生に興味を持ったのは、同じドラマに出演したのがきっかけだった。 遅咲きだが、人気俳優として注目されている昴生は、デビュー当時からチヤホヤとされていた人気女優のまりかにとっても、雲の上のような存在だった。 26歳のまりかと32歳の昴生では年の差があるが、その大人の魅力にハマってしまったのだ。 だからどうして。 自分の大嫌いな女優、常盤侑が綿貫昴生と一緒にマンションから出てくるのか、まりかには理解できなかった。 「なん……でよ!何であの女が綿貫さんのマンションから出て来るのよ……っ!」 *** 綿貫昴生という人気俳優は、あまりプライベートを明かさない事でも有名である。 自身でSNSはやっておらず、いつもドラマやイベントの告知は、事務所が運営するSNSやサイトでだけ。 彼の秘密を知りたりたいファンがするスレもそうだ。 彼のプライベートを明かそうとすると、いつも書き込みがサイト側に消されている。 テレビ番組に出ても適当に流す彼。 謎でミステリアス。大人っぽいのがいい。 そんな称賛までされている。 特にSNSで芸能界の闇が晒され始めたから、事務所側も慎重だ。 発信する人も気をつけなければ訴えられる時代になってきた。 躍起になって彼を暴こうとするのは、熱烈で行儀の悪いファンだけ。 だけどまりかにはその気持ちが分かる。 好きな人の事は、例え些細な事でも暴きたいから。 あの日昴生に断られ、モカに言われて気持ちを再燃させたまりかは、彼女と一緒に昴生の後をタクシーで、こっそり尾行した。 彼を乗せてる運転手は、敏腕だと有名なマネージャー。 彼はマンションに着いて車を降り、マネージャーに手を振った。 幸い尾行はバレてないようだ。 「ここが彼のマンションかあ。」 「凄い!憧れの超高層マンション…! やっぱり綿貫さん凄いっ」 まだ23歳のアイドル、如月モカが興奮したように叫んだ。
Last Updated : 2025-07-03 Read more