私は鏡越しに浩輔の様子を窺っていた。たった一枚の写真を見ただけで、浩輔の顔色はみるみるうちに悪くなっていった。写真には、桜が見知らぬ男と楽しそうにラブホテルに入っていく姿が写っていた。二人の親密な様子が見て取れる。そして、次の写真が決定的な証拠となったのだ。それはあの二人が宿泊したときの支払明細だ。記録には、支払いに使われたクレジット情報が記載されており、電動ベッド付きの部屋を予約したことも記されていた。しかも、宿泊日は、桜が妊娠したとされる時期と一致していた。「電……電動ベッド?桜、お前は古風な女だって言ってたじゃないか?手を繋ぐだけでも恥ずかしがってたのに、他の男とラブホテルに行って、しかもあんな部屋に泊まるなんて!」浩輔は写真を見て信じられないといった様子で、全身を震わせていた。浩輔とは少し離れていたが、それでも彼の思いが砕かれる音が聞こえたような気がした。「うそ……こんなのうそだ!合成写真に決まってる!」桜は写真を見て慌てふためき、首を横に振って叫んだ。「合成?わざわざこんな写真を合成する暇なんてあるわけないだろう?」悠は冷たく笑い、桜相手にせず無視した。これを見て私は全てを理解した。高橋家の力なら、こんなこと簡単に調べられるだろう。もしかしたら、あのラブホテル自体、高橋グループの所有物かもしれない。「桜、一体どういうことだ?はっきり説明しろ!これがお前が言っていた奇跡なのか?」浩輔の怒りは再び桜に向けられた。彼は桜を睨みつけ、怒鳴りつけた。「わ……私……これは全部誤解なの……つい出来心で……浩輔、信じて、私はあなたのことが好きなの!他の男とラブホテルに行ったのは事実だけど、避妊はしてたから、お腹の子はあなたの子よ!」桜は泣きじゃくり、隅っこで震えていた。「出来心か。証明してやろう。ただ、その出来心、2年前から続いてるみたいだがな?」芝居がかった桜を見て、悠は冷たく笑い、容赦なく、彼女のことを皆の前で暴露した。実はこの男こそ、桜が本当に愛していた男だったのだ。二人は2年以上も関係が続いており、桜が浩輔と付き合った後も、この男との関係は続いていた。そして、桜が浩輔に近づいたのは、半分はこの男の指図によるものだった。目的はもちろん浩輔の金だ。浩輔の金で贅沢な暮らしをするた
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