三人の男は素早くうなずき、指先を高速でキーボードに走らせた。モニターには次々とコードが流れていく。傍らで見ていた小春は、思わず息をのんだ。同じく情報工学を専攻していた彼女には分かる。彼らは周辺のネットワーク、さらには国家レベルの回線にまで侵入しようとしているのだ。遥樹の仕事は謎に包まれているが、薄々察してはいた。彼は国のために働いている。不安が胸をよぎる。「ここまでして......本当に大丈夫?」遥樹は低く答えた。「もう構ってる場合じゃない」三人の男がちらりと小春を見やり、この状況でも余裕の笑みを浮かべる。「大丈夫です。足はつきません。俺たちの腕を信じてください」小春は分かっていた。今はこれに賭けるしかない。それ以上は何も言わなかった。およそ十分が過ぎたころ、一人の男が声を上げる。「いけました。遥樹さん、こちらを」遥樹と小春はすぐに歩み寄り、身をかがめて画面を覗き込む。モニターには、この道路の監視カメラ映像が映し出されていた。男が指差す。「これが関水社長を連れ去った車です」画面の中で、そのワゴン車は分岐点を左折し、幹線ではない脇道へと入り込んでいく。男が続ける。「この道沿いの監視も突破中です。あと10分ほど」遥樹はうなずき、監視映像を見つめながら言った。「時間を巻き戻してくれ」男は一瞬ためらったが、キーボードを叩いて時刻を戻す。映像が少し変わった。小春が車から降り、運転手とともに相馬の前へ歩み寄る場面が映る。数言交わしたのち、蒼空が車へ戻ろうとする。その瞬間、薄暗い路地から数人の大柄な男が飛び出し、彼女を押さえつけ、口と鼻を覆った。運転手は相馬に殴り倒され、両腕を恐ろしい角度にねじ曲げられる。蒼空は車のドアの前に押し付けられ、必死に抵抗しているのが分かる。しかし複数の男に抑え込まれ、動きは次第に小さくなっていく。その光景を見た瞬間、小春の胸が激しく跳ねた。隣を見ると、遥樹の表情は完全に沈み込み、奥歯を強く噛み締めている。今にも拳でモニターを叩き割りそうだった。小春も胸が締めつけられ、喉が詰まる。慰めの言葉は一つも出てこない。映像では、蒼空が薬で意識を失い、数人に担ぎ上げられて車へ運ばれる様子が映る。相馬は運転
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