「麗蘭はまだ意識を失ったままで、山口社長は暗闇に潜んでいる。俺たちが何かを見落とせば、また事件が起きかねない」「時正と話をしに行く」「安心しろ。もう二度と、時正に麗蘭を弄ぶようなことはさせない」真衣は礼央の目を見て、無理に止めようとはせずに言った。「彼に伝えて――麗蘭さんが目を醒ましたら、彼女を解放してと。護ることを口実に、彼女をかごの中に閉じ込めないでと。彼女はもう少しで彼の『保護』の中で命を落すところだったんだから」礼央は頷いた。「わかった」その日の午後、郊外にあるプライベートラウンジ。店内にいるのは、礼央と時正だけだった。店内に入ってきた時正は顔色が極端に悪く、目はひどく充血していた。礼央は先に口を開き、率直に言った。「山口社長が帰国している」時正は一瞬言葉を詰まらせ、椅子に腰かけて言った。「ええ、知っています」「彼はあの日、駐車場にいた」礼央は続けた。「彼が琴美を使い、麗蘭に毒を飲ませた」時正が拳を握ると、指の関節が白くなった。それらのことを、彼はとっくに推測していた。ただずっと、証拠を得る機会を待っていた。「彼は私を狙い、麗蘭さのことも狙っている」時正はかすれた声で続けた。「以前、私が彼の道を阻み、彼はそのことを恨んでいるんです。彼は私にとって最も大切な、麗蘭さんを最初に狙ったんです」礼央は淡々と言った。「俺は今、彼を調べている。君も知っての通り、俺のやり方は君とは違う」時正は目を上げた。礼央の口調は穏やかだが、重みがあった。「グレーゾーンの分野は、俺が対処できる」「君の部下には、警備や監視、追跡を頼みたい」「裏社会のことは、俺の部下にやらせる」「俺たちが手を組めば、山口社長は逃げられない」時正は礼央をじっと見つめた。彼は礼央の素性が並大抵のものではないと知っていたが、ここまでだとは思っていなかった。まあいい。宗一郎のような人間は、真っ当な手段だけでは太刀打ちできない。「協力します」時正は口を開いた。「条件はただ一つ、麗蘭さんの安全です」「それは俺の条件でもある」礼央は頷いた。「それともう一つ、君に伝えたいことがある」「真衣からの伝言だ――麗蘭を解放してほしい」時正の表情が硬くなった。「彼女は君の所有物ではない」礼
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