時臣の手が突然、ぐっと美月の首を締め上げた。驚きと恐怖で、美月は慌てて声を上げる。「……ちが……うの……時臣、私、だましてなんかない……」涙に濡れた瞳で懇願し、必死に訴えた。「お願い、痛い……手を離して……」けれど今の時臣に、その涙はもう何の意味も持たなかった。「だましてない?」冷たく笑って、彼は声を低く落とした。「なら、今すぐ病院で検査してみるか?」「俺がこの世で一番嫌いなのは、人に裏切られることなんだよ」「もし検査で異常がなかったら……その口に、発がん物質を叩き込んでやる」その言葉に、美月の顔から血の気が一気に引いた。「やだっ、お願い……やめて!」泣き崩れ、しゃがみ込みながら必死に訴えた。「私が悪かった……時臣、許して!」「本気でだまそうとしたわけじゃないの。あなたを愛しすぎたの」「あなたが私に夢中になってくれたように、私も狂おしいほど愛してるの!」「綾乃さんに嫉妬して、我慢できなくなったの……私はあなたの不倫相手なんかじゃなくて、堂々と隣に立ちたかった……」だがその涙も、時臣の心には届かなかった。彼は片方の口角を歪め、冷酷に嘲った。「で……俺との行為をこっそり撮って、その動画を綾乃に送ったってわけか?」その言葉に、美月の顔が凍りつく。震える声で答えた。「そ、それも……知ってるの?」その一言で時臣の怒りが爆発し、振り上げた手が美月の頬をはじき飛ばす。「このクズ女が!何度言えばわかるんだ、綾乃の前に出るなって!」「俺はお前にここまでしてやったんだぞ? 綾乃の子宮を摘出させてまで、お前の子を受け入れたのに!」怒りが暴力となってあふれ、時臣は美月の腹を蹴った。「全部お前のせいだ! お前なんかいなけりゃ、綾乃に浮気なんてバレなかった!」「お前さえいなけりゃ、綾乃は俺のもとを離れたりしなかった!」蹴り続けても怒りは収まらず、時臣は美月の髪を掴み、壁にその頭を何度も叩きつけた。「動画じゃずいぶん得意げだったな? 綾乃がいなくなれば、本妻になれると思ってたのか?」「ふざけるな。お前なんか、綾乃の足元にも及ばないんだ」「なぜお前に子どもを産ませたか、教えてやろうか――出産は命をかけることだ」「俺は綾乃にそんな思いをさせたくなかった。だから代わりにお前を選んだ」「どうせお前が裂けよ
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