「ほとんどの物はこの国にある物で解毒ができそうなのだが、3つほど足りないものがあった。恐らくこの3つは、アジュアール国、もしくはその近郊まで行かなければ取れないものだろう。もしかしたらテッサリーニ国に来ている商会が持っている可能性もあるかもしれないが…」マリウスの代わりにボァ兄様が話し出す。アジュアール国にあるかどうかわからない…というのは私たちがアジュアール国のことをあまり知らないから答えを出すことが難しいということだろう。それにドラウゴン国からアジュアール国に行くとなると、テッサリーニ国から船で海を渡る必要がある。直接アジュアール国に行ければ少し楽になるのだが、立地上難しいだろうな。これからどのように動いて行けばいいか考えていると、フィオが恐る恐る手を挙げて話し始めた。「アジュアール国でしたら一度だけ行ったことがあります。今後交易をするためにどのような国か見ておく必要がありましたので…少しでしたら役に立てるかもしれません。」 「「「「そうだぁぁぁ!!今ここにはオルラフィオがいるじゃないか!!!」」」」兄様たち4人が立ち上がり一斉にフィオの方を向いた。ボァ兄様はその足りない解毒薬について考えていたのだろうが、残り3人はアジュアール国を侵略することしか頭にない気がする。「それで、ボァ兄様。解毒薬というのは…。」私がボァ兄様に声をかけると、よくぞ聞いてくれましたと言わんばかりに話し始めた。「一つ目はロギヌスの水。これはアジュアール国にあるということが分かった。ロギヌスという槍が刺さっていると言われる湖があるそうだ。その水が必要となる。」ロギヌスの槍…この槍が一体何を示すかまではわからないが…きっとこの国で言う聖水に近いものなのだろう。以前、マーヤが一時的に聖水を使うと爛れが薄くなったと言っていた。成分ももしかしたら似ているのかもしれない。「水ですか…以前、マーヤが聖水を試し
Terakhir Diperbarui : 2025-07-26 Baca selengkapnya