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129 Bab

81

「そんなことないでしょ?たまたまだって。う~んと、はい、拓ちゃん」 俺は取り敢えず拓ちゃんにそれを渡す。 「あぁ、ありがとうな」 拓ちゃんはそれを受け取ってそれに視線を移す。 俺がここに来てから一度も俺のことを見てくれない。 胸が痛いよ…心が悲鳴を上げる… こんなにも近くにいるのに… あなたに触れられない… 近くて遠い存在… 「俺のすることはある?それとももうない?」 一応訊いてみる。 「いや、もう大丈夫だ。帰ってもいいぞ」 拓ちゃんからの言葉。 胸に突き刺さる。 「そっ、か。じゃぁ、お先に帰りま~す。お邪魔しました~」 明るく振る舞って生徒会室を出た。小さく息を吐き歩き出す。 俺は必要じゃない。そういわれた方がましだよ… 俺はまた溜め息をつき立ち止まる。見上げればそこは屋上へと続く階段。 「…逢いたい…」 階段を見上げたまま呟く。その途端、誰かに腕を掴まれ引かれる。 「うえぇ??」 俺はわけがわからず相手を見れば見慣れた金髪。腕を解こうと力を入れるけどそれは叶わずドンドンと階段を上がっていく。俺はそれについていくしかなかった。 開かれる扉。 拓ちゃんは扉を閉めると俺をその扉に押し付けそのままキスをしてきた。 あまりにも突然のことで俺はどうしていいのかわからなかった。 「言いたい奴には言わせとけ。そう言ったよな?」 その言葉に怒気が含まれている。 「あっ」 俺はその言葉を思い出す。あの日言われたその言葉を… あの日、確かにこの人は気にするなと言った… 言いたい奴には言わせとけと…俺は拒んでないだろと… でも…でもね…あいつらの気持ち… 痛いほど俺はわかるから… 「見てたの?」 そう訊いてみる。拓ちゃんは溜め息をつき 「あぁ、全部な。俺は言っただろ?お前のことが好きだって。俺の言葉を信じろ。あいつらのことは構うな。そんな必要はねぇ」 言ってくる。 「…拓…俺さ…拓ちゃんから離れようと思った…距離を開けようって…思った…その方がいいのかなって…」 俺はポツリポツリと言う。 「バカかお前は。そんな必要はない。お前は俺の傍にいればいいんだよ。俺がしたくてしてんだから」 そういいながら俺を撫でてくれる。 「だけど…あいつらの気持ち…わかるから俺…」
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「疲れたか?」 不意に訊かれた。 「えっ?ううん。全然。俺が本当に役立ってるのかが疑問なんだけどね」 俺が素直に言えば 「あぁ、あいつらは必要なこと以外は聞かないからな。あいつらが聞くってことはそれで役立ってるんだよ」 拓ちゃんが言う。 拓ちゃんもだよね。拓ちゃんも必要なこと以外言わないのは… 「そうなんだ」 う~ん、納得いくようないかないような… 俺が考え込んでいたらぐしゃぐしゃっと頭を撫でられた。 見上げればすっごく優しい顔で拓ちゃんが微笑んでた。不覚にもドキッと胸が跳ねる。 「苗代からメールもらった。お前が悩んでるって」 ちょっと、翔太!なに余計なことしてんだよ! 「お前はお前のままでいればいい。俺と距離なんか開けなくていい。そんなことされれば俺のがへこむ。それにあいつらの言葉なんか気にするな。俺が本気で傍にいてほしいと思うのは蒼樹、お前だから…」 拓ちゃんがまた頭を撫でる。 「俺でいいの?俺って隠し事してるよ?そんな俺でもいいの?」 不安を胸に聞いてみる。拒まれるのが怖い。 「いつか話してくれるんだろ?だったらそれでいい。俺は蒼樹がいいんだよ。織田蒼樹がな」 拓ちゃんが笑う。 ホントこの人どれだけ俺を喜ばすの?どんだけ俺を喜ばす呪文を知ってるの? 俺…拓ちゃんの傍にいたい。このままずっと傍にいたい… 「ほら、帰るぞ」 そう言って差し出されたのは拓ちゃんの手。俺はいつものようにその手を握りしめる。伝わる温もりが俺を安心させてくれる。 それを合図にするようにゆっくりと手を繋いだまま歩き出す。 俺たちは手を繋いだまま俺の家まで帰ってきた。 「泊まろうかな」 ポツリと拓ちゃんが言い出す。 「えぇ?俺はいいけど大丈夫なの?」 俺が驚いて聞けば拓ちゃんが少し考え 「決めた。泊まる。明日、教科書を貸してくれ」 はっきり言いきった。そりゃさ、もっと拓ちゃんと一緒にいたいって思ったけどさ驚きですよ。 「それぐらいいいけどさ…まぁいいや…」 俺は玄関の鍵を開る。 なんだか拓ちゃんが家に泊まるのが違和感なくなってきた気がする。 俺が扉を開ければ拓ちゃんはいつものようにあがって俺の部屋へと向かう。 俺も玄関の鍵を閉めて拓ちゃんの後を追う様に自分
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pipipipipi いつものように携帯のアラームで目を覚ます。ゴソッと動いて違和感に気付く。あるはずのない温もり。 俺は目を開けてその存在を確かめる。 あぁ…やっぱり拓ちゃんだ… 俺はその胸にすり寄った。 この場所にいるときだけ俺だけのもの…俺だけのものでいられる瞬間… すり寄ったらギュッと抱きしめられた。 「おはよ」 俺は拓ちゃんの胸に顔を埋めたままいえば 「おはよう」 拓ちゃんは抱きしめる腕に少しだけ力を込める。 俺…やっぱり拓ちゃんが好き…誰よりも…拓ちゃんが好き… 「朝飯、作るか」 拓ちゃんは携帯で時間を確認して言う。 「ん」 俺は小さく頷いた。本当はもっとこうしてたい。でも学校だしね。 拓ちゃんは俺を離すとベッドから降り部屋を出て行った。 ほんと…俺が好きでいいのかな?闇を纏う俺が好きでいていいのかな… あなたは太陽のような人なのに…俺は…俺は闇そのもの。ねぇ拓ちゃん… あなたは俺の何を知っているの?あなたは俺のどこまでを知っているの? 全部知ってるの?あなたは本当の俺を知っても傍にいてくれるの? 俺は拓ちゃんの作ってくれたご飯を食べて二人で一緒に学校に行くために家を出た。 いつもなら一人なのに今日は拓ちゃんと一緒…なんか不思議… 「バスだけどいい?」 俺は拓ちゃんに聞いてみた。 「あぁ、それでいい」 拓ちゃんはそう返事をしてくれる。 俺たちはバスに乗り込み学校へと向かった。 もっと…もっと拓ちゃんの傍にいたい…もっと…傍に… バスに揺られ俺は隣に立ってる拓ちゃんを盗み見る。 信じていいのかな…拓ちゃんの言葉… 「どうした?」 俺の視線に気が付いた拓ちゃんが訊いてくる。 「ううん、なんでもないよ」 俺はそう誤魔化した。 実はさ今、拓ちゃんがつけてるメガネね俺のやつなんだ。俺がつける前に拓ちゃんに取られて掛けられちゃった。 で、俺の方が拓ちゃんのやつ。これさ、拓ちゃんの心遣い。 気付くやつは気付くんじゃないのかな? 俺と拓ちゃんのメガネが違うの。ホントはすごく嬉しいんだ… たったこれだけのことだけど俺にはすごく嬉しいこと…これだけで幸せを感じられるんだ… バスを降りて溜め息をつく。俺が俺じゃなくなる瞬間。 「行くぞ」 拓ちゃんが声をかけ
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「じゃぁ、悪いがまた放課後に頼む」 拓ちゃんは俺の頭を撫でて自分のクラスに入っていった。 俺たちも自分たちのクラスに入って自分の席に着く。 「メガネ変えたのか?」 いきなり翔ちゃんに聞かれちゃった。 「拓ちゃんがね、俺のヤツつけてんだ。拓ちゃんが俺のためにって拓ちゃんなりのアピール」 カバンを置いて椅子に座ってメガネを外してそれを見て答えた。 「なるほどな。わかるやつにはわかるからな。それでいいんじゃねぇ?」 翔ちゃんが優しく俺を撫でてくれる。 「あっ…翔太お前、拓ちゃんになんてメールしたんだよ」 ふと思い出して聞けば 「ん?いや別に?ただお前が落ち込んでるってメールしただけだぜ」 この人はほんとに…きっと俺の状態を全部伝えてんだろうな。 「頼むからあんま変なメールするなよ」 強くは言わずただ呟いただけ。 「言わなきゃ伝わらないことだってあるだろうが。特にお前は隠すんだから。それに言っただろ?あいつは今までのやつらとは違うって…信じろって」 翔太は俺の頭を何度も撫でてくれる。翔太の言ってることはわかるんだ。 「そうだけどさ…でもさ…やっぱり怖いんだ…」 一度味わった恐怖は拭いきれないんだ… 「そんなのわかってる。でもあいつは違うそれは信じろ。だからな?少しは素直になってみな?っというか十分素直だよな最近。ただ本当の自分が曝け出せないだけで…」 うぅ。痛いところをついてくる。さすが翔太だ。 「これでも努力してるんだもん。でもやっぱりストッパーがかかっちゃう。どうしても最後の一歩が踏み出せない。もう少し時間がかかりそう」 努力はしてるんだ。本当の自分を見せようって。本当の自分を知ってもらおうって。でも最後の一歩が踏み出せない。怖くて…あの人を失うのが怖くて… 「あんま無理すんな。あいつはお前のことホントに待っててくれるから」 翔太はそう言ってくれる。翔太じゃなきゃわからない俺。翔太にしかわからない俺。翔太だからわかる俺。 ねぇ拓真…あなたは本当の俺を知ったらどうするんだろ… やっぱりあなたも離れてくのかな…こんな俺は好きになれないって… あなたも他の奴と同じで離れてくのかな…俺は… あなたを失いたくないよ。あなたを失うぐらいならこのままでいい… なんだかんだとやってる間
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85 始まりました文化祭

本日は晴天。気分は土砂降り。 やってられっかぁ~!!! とか思うものの文化祭が始まってしまったわけです。みんな楽しみにしてたね…。 俺はというと…白いセーラー服に身を包み背中まであるストレートのカツラに淡いピンク色のリップ付。 しかもクラス看板にはしっかりと織田蒼樹と写真撮影。1回200円。なんて文字が… 逃げてぇ~!マジで逃げてぇ~!!! でもさ、条件反射というものは恐ろしいもので… 気づいたときにはもう 「あの…写真いいですか?」 なんて聞かれれば 「は~い。大丈夫だよ~」 なんてニッコリスマイルで答えちゃうわけで… これで何人目よ? 海馬が写真部員だからせっせと撮ってるんだけどね。 あぁ、勿論インスタントカメラだからすぐに写真は出来上がるんだよ。だから撮ったらすぐにお客さんにあげられるんだ。 「あの…ついでにオーダーもお願いしてもいいですか?」 なんて聞かれればにっこりスマイルで 「どうぞ~♪」 なんて答えてクラスのやつに受け渡してしまう自分が怖い。 いやさ、俺の瞳って蒼じゃない?だからどんなカッコをしてもわかっちゃうわけよ。 それに今日はメガネしてないし。みんなに取られちゃったんだもん。 しかもさ誰が選んだのかこのカツラって蒼色なわけよ。 だから俺だってバレバレじゃん! 「あ~!織田せんぱ~い!キレイ!」 「ほんとだぁ~!」 「せんぱ~い。写真いいですかぁ~!」 なんて団体でこられたりね… 「はいはい。一人で?それともみんなで?」 一応聞いてみる。聞かなくてもわかってるけど… 「みんなのとも欲しいけど一人のも欲しぃ!」 「だよねぇ~」 「だよなぁ~」 なんてね。これお決まりのパタ~ン。 「ほいじゃぁ、団体は一人100円で一人は200円で~す」 なんて軽く説明をしてお金を入れるための小さな箱を差し出す。 「はい!了解です!」 なんて返事が返ってきてお金を入れてくれる。まぁ、大体こんな感じ。 そんでもって撮影場所につれていって海馬に頼んで撮ってもらうわけ。 これが俺の仕事だからね。 みんなが楽しんでくれたらそれでいい。 「せんぱ~い。ここって注文もできるんですよね?」 なんて聞かれるから 「どうぞ。ここは喫茶店がメインで
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「差し入れ」 眼の前にオレンジジュースが差し出されて驚いて見れば美咲ちゃんだった。俺はそれを受け取り 「ありがとう。みんな、なんか言ってた?」 聞いてみる。 「働き過ぎだって」 美咲ちゃんはそれだけ言うと戻っていった。 俺は壁に凭れオレンジジュースを見つめる。 「って」 突然の痛みに声を上げる。 「眉間に皺。なに考えてんだ」 翔太が聞いてくる。 「オレンジジュース苦手だなぁ~っと…」 小さく笑い答える。実際本当のことだし…。ジュースはダメだけどお酒は平気って俺も変だよね。 「あぁ、そういえばジュースはダメだったな。変えてやろうか?」 翔太も納得して聞き返す。 「いいよ。このままで。みんなに悪いからね」 俺は一気にそれを飲み干した。 「無理しやがって…」 翔太は俺の手からコップを取って頭を撫でて戻っていった。 「織田、写真いいか?」 佐伯が訊いてくる。 「ほいほ~い」 俺は呼ばれて海馬の方へと戻っていく。 どれだけこなしたのかなぁ~?? 気が遠くなるほど写真を撮りまくってたよ俺? 「織田、休憩にいってこい」 なんて言われる。 「は~い。じゃぁちょっと行ってくる~」 俺はそう返事をして教室を出ていく。 俺は特に行く場所がないからボーっと歩いてた。 ホント俺は別に行く場所がないからダラダラと歩いてた。 「先輩ちょっと付き合ってよ」 不意に声をかけられて振り返れば見覚えのある顔。 拓ちゃん絡みか…。 「はいはい。いいけど…」 俺はそう返事をして後輩の後についていった。 俺が連れてこられたのは誰もいない東棟の教室。 ドンっていきなり後ろから押されて勢い余って教室の中に倒れ込む。 教室の中には数人の男。あぁ、そういうこと。 「男のわりにはキレイじゃん」 「上玉じゃん」 「だよな」 なんて言葉が交わされ押さえ込まれる。 はぁ~。俺ってつくづくこういうパターンが多いな。 ビリビリと破られていく服。 はぁ~めんどくせぇ~ 「なんか言えよ」 「つまんねぇジャン」 「怖がってみろよ」 あ~あ。今ので完全に変なスイッチ入っちゃったよ俺。 「てめぇら邪魔」 思いっきり相手を振り解く。 「なっ」 「てめぇ」 「なにし
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自分の格好なんて構わずに自分のクラスに戻り一目散に翔太に駆け寄り抱きついた。 「蒼樹?おまっ…」 翔太は一瞬驚いた声を出したけどすぐに俺の異変に気付いた。 「山根悪い。俺と蒼樹ちょっと生徒会室に行く。事件だ」 翔太は抱き着いたままの俺を軽々抱き上げて山根に告げる。 「わかった」 山根の返事を聞くと翔太は足早に教室を出た。 「殺したのか?」 生徒会室に向かう途中に翔太が聞いてくる。 「殺してない…けど…危なかった…」 俺の言葉にホッと息を吐く。俺は翔太に抱きつく腕に力をこめた。 「生徒会に行く前にちょっと寄り道するぞ」 翔太はそういいながら行き先を変える。 翔太が来たのは誰も使ってない教室。ここは西棟でも誰も来ない場所。扉に凭れながら床に座り込んで優しく俺を抱きしめてくれる。 わかってる俺を落ち着かせるためだって… 「やったやつの目的は?」 俺の背中を優しくあやすように叩きながら静かに聞いてくる。わかってるよ。言わなきゃいけないの… 「…拓真絡み…でも…」 翔太のシャツをギュッて握りしめる。 「大丈夫だ。金城にはなんもしねぇよ」 そんな言葉と共に優しく頭を撫でられ額に目元に頬に優しいキスが降りてくる。いつも翔太が俺を落ち着かせてくれる行為。それでも今日の俺には効果がない。翔太もそれをわかってる。それでもそれを今この場所でやるのはこれ以上俺が酷くならないため。 「蒼樹。あいつは今日のことを知れば自分で動く。金城はそういうやつだ。だから俺は動かない。動く必要がない」 優しい音色が耳の奥に流れ込む。少しだけ和らいでいく俺の気分。それでも今の俺には意味がない。翔太もそれをわかってる。だから生徒会に行く前にここに来たんだ。 「あんまり長くここにいるわけにはいかねぇからもう行くぞ」 「…ん…」 判ってる。報告しないといけないもんね。 「大丈夫だ」 翔太の優しい声がもう一度、耳の奥に吹き込まれて額に目元に頬に優しいキスを落され最後に唇に落されるもの凄く優しいキス。子供がじゃれ合うようなキス。俺と翔太の儀式。 「おし、行く」 翔太はそう宣言して俺を抱き上げたまま立ち上がり生徒会室に向かうために教室を出た。 あぁ、これで全部あの人に知られちゃうんだね…俺の大切な恋は終わっちゃうんだ
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「苗代、織田を連れて今日はもう帰れ。そんな状態じゃ無理だろうし邪魔になるだけだ」 部屋に戻って来た拓ちゃんが言う。俺は怖くて翔ちゃんの胸に顔を埋めてた。 「あぁ、わかった。そうする」 翔ちゃんの手が俺を落ち着かせるように何度も背中を撫でていく。でもそれも意味がない。 「夜、行くから待ってろ」 耳元で囁かれて驚いて拓ちゃんを見たらいつもの優しい顔で俺の頭を一撫でした。 なんで?どうして?本当の俺を知ったんでしょ? なんでそんなこと言うの? 「苗代、後でメールする」 「おう、わかった」 翔太は拓ちゃんの言葉を聞き返事をして俺を抱き上げて生徒会室を出た。教室に戻る間も俺はずっと翔太に抱きついたまま。 こうしておかないと暴走してしまう…自分が止められなくなってしまう… 結局、俺たちは強制的に帰ることになった。 俺は翔太に送られる形で家に帰ってきた。 「もう少し一緒にいるか?」 翔太が聞いてくるけど 「大丈夫」 俺は首を振り答える。これ以上は迷惑かけられないからさ。 「そっか。じゃぁ、また明日な」 翔太は俺の頭を撫でて帰っていく。俺はそんな翔太の背を見送ってから家の中に入った。 自分の部屋に入り制服を着替えてベッドに座る。 蘇るのはさっきの出来事。 あと少し…あと少し遅ければ俺は殺していただろう。 「は…ははは…」 俺はそのまま横に倒れた。 もう傍にいられない…もう…一緒にいられない…これで拓真にも完全にばれたよね… 俺には闇が付きまとう。そんな俺には幸せなんてこない… ピンポーン チャイムの音で俺は目を覚ました。慌てて下に行き玄関の扉を開ければ拓真がいた。 「あがってもいいか?」 そう聞かれるから俺は躊躇いながら頷いた。拓ちゃんは俺が頷いたのを見て俺の部屋へとあがっていく。俺も鍵をかけて急いで後を追った。 拓ちゃんはベッドに座り 「おいで」 両手を広げて俺に言う。俺はそれに誘われるように拓ちゃんの方に行けば 「もう我慢しなくていいから」 俺を抱きしめ優しく頭を撫でてくれる。 どれだけこの人は俺のことを見てるの?どれだけ俺のことを知ってるの? 「…っ…ふっ…たくぅ…拓真ぁ…」 いつもそうだ。闇の俺が現れた後は必ず俺を甘やかす。
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拓ちゃんは俺の身体を起こすと優しく抱きしめてくれる。 「泣くな。泣くことなんかないから」 そっとそっと優しいキスをくれる。まるで俺の中にある見えない棘を溶かしていくように… この人になら本当の俺を見せても大丈夫なのかな… 「たく、ま、俺…」 拓ちゃんの服を掴み言いかけるがそれは拓ちゃん自身の指で止められる。 「今はなにも聞かない。俺は蒼樹が言えるまでいつまでも待ってる。だから今はなにも言わなくていい。泣かなくてもいい。ずっと傍にいればいい」 そっとキスをくれる。何度も触れるだけのキスを繰り返し薄らと口を開けば舌が忍び込んでくる。 「…ん…っ…ふっ…」 舌を何度も絡め合い甘噛みされる。 今だけ…今だけこの人のすべてを俺にください… 俺の顔中にキスをしていた唇は首筋におりてきてチクリと吸い付かれて薄紅色の華を咲かす。その間にも服のボタンが外され脱がされ拓ちゃんの手が這い回る。 「ん、ぁ、ぁ」 俺の弱いところばかり狙って指が動き回り小さなキスがいくつも落とされ下へ下へとおりてくる。 「ぁ、ん、ぁぁ」 チュッて小さな音を立てて唇にキスをして胸に舌を這わせる。 「ひゃぁん、ぁぁ、ん、ぁぁ」 俺は倒れないように拓ちゃんの肩に掴まった。 「ぁ、ん、ぁぁ、たくぅ、ぁぁ、もぉ、いれ、て、ぁ」 1分1秒も待てない。すぐに拓ちゃんと一つになりたい。 「わかった。ちょっと待ってろ」 拓ちゃんは笑うと俺の服を全部、脱がせると今度は自分の纏ってる服を脱ぎ捨てた。 「ねぇ、この格好でもいい?」 俺は自分から拓ちゃんを跨ぎ聞いてみる。 「蒼樹の好きな格好でいいから一つになろう」 拓ちゃんは俺の頬にキスをして言ってくれる。俺はゆっくりと腰をおろし拓ちゃんのモノを己の中へと導く。 「んっ、ぁ、はぁ」 拓ちゃんの肩に頭を乗せた。この瞬間が好き。ふわりと香るコロン。拓ちゃんのすべてに抱きしめられてる感じがするから。俺は拓ちゃんの腕に掴まりゆっくりと腰を動かし始めた。 俺が自分から腰を振って誘うなんてこの人が初めて…この人の前ならこんなにも淫らになれるのに… なのに本当の自分が曝け出せない…もっと…俺を見て…俺を見て…気が付いて… 本当の俺を… 「ん、ぁ、ぁぁ、んん、ぁぁ」 拓ちゃ
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90

「泣きそう。水を持ってきただけだ」 ふわりと頭を撫でられ水のペットボトルが目の前に差し出される。俺は無言で拓ちゃんに抱きついた。拓ちゃんは少し驚いた様子だったけど俺を抱きしめてくれる。 「大丈夫だ。ちゃんとここにいるから安心しろ。喉が渇いてるだろ、これを少し飲め」 拓ちゃんは俺に水をくれるから素直にそれに従った。でも、やっぱり不安は拭いきれない。 拓ちゃんはペットボトルを置くと部屋の灯りを消して隣に横になってギュッと俺を抱きしめて 「俺はここにいるから少し寝ろ」 優しく撫でてくれる。俺は小さく頷いて拓ちゃんが離れていかないようにギュッと拓ちゃんの服を掴んで目を閉じた。 お願い…この幸せを奪わないで…俺から奪わないで… 朝、目が覚めたら拓真の身体があって俺を抱きしめてくれていた。ホッと息を吐く。 夢じゃなかった… 俺はそっとその胸にすり寄る。その途端ギュウって抱きしめられた。 「拓…苦しぃ…」 ちょっと苦しくて訴えるとその力は緩まったけどそれでも抱きしめられたまま。 「おはよう。もうご飯作るか?」 額に唇を寄せて聞いてくるから 「あっ…じゃぁ今日は俺が作る。いつも作ってもらってるから」 今日は自分で作ると答える。これぐらいしないとね。 「そうかじゃぁ頼む。あっ、そうだ。あのカバンここに置いておいてくれないか?」 カバン?見てみたら部屋の隅にカバンが置いてあった。そう言えば昨夜、来たときになんか持ってた気がする。 「なにあれ?」 「俺の着替えだ。いつでもここに泊まれるようにな。いやか?」 なんて言われて驚いた。だけどすっごく嬉しぃ… 「嫌じゃない。嬉しぃ…」 だから俺にしては珍しく素直に自分の気持ちを口にしてた。 「さすがに制服は無理だけどな。さてと、下に行くぞ」 拓ちゃんは俺を放しベッドから降りる。俺もベッドから降りて 「今日は何作ろうかなぁ~」 なんていいながら拓ちゃんと一緒にキッチンに行くために部屋を出た。 本日の朝食は和食で攻めてみました。 二人でご飯食べて、準備して、二人で家を出て一緒に学校へと向かった。 それだけで俺には幸せなこと。 この幸せ…もっと俺にください… お願いです…どうか俺にください… 教室に着くなり俺は眼を疑いたくなったというか頭を
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