「そんなことないでしょ?たまたまだって。う~んと、はい、拓ちゃん」俺は取り敢えず拓ちゃんにそれを渡す。「あぁ、ありがとうな」拓ちゃんはそれを受け取ってそれに視線を移す。俺がここに来てから一度も俺のことを見てくれない。胸が痛いよ…心が悲鳴を上げる…こんなにも近くにいるのに…あなたに触れられない…近くて遠い存在…「俺のすることはある?それとももうない?」一応訊いてみる。「いや、もう大丈夫だ。帰ってもいいぞ」拓ちゃんからの言葉。胸に突き刺さる。「そっ、か。じゃぁ、お先に帰りま~す。お邪魔しました~」明るく振る舞って生徒会室を出た。小さく息を吐き歩き出す。俺は必要じゃない。そういわれた方がましだよ…俺はまた溜め息をつき立ち止まる。見上げればそこは屋上へと続く階段。「…逢いたい…」階段を見上げたまま呟く。その途端、誰かに腕を掴まれ引かれる。「うえぇ??」俺はわけがわからず相手を見れば見慣れた金髪。腕を解こうと力を入れるけどそれは叶わずドンドンと階段を上がっていく。俺はそれについていくしかなかった。開かれる扉。拓ちゃんは扉を閉めると俺をその扉に押し付けそのままキスをしてきた。あまりにも突然のことで俺はどうしていいのかわからなかった。「言いたい奴には言わせとけ。そう言ったよな?」その言葉に怒気が含まれている。「あっ」俺はその言葉を思い出す。あの日言われたその言葉を…あの日、確かにこの人は気にするなと言った…言いたい奴には言わせとけと…俺は拒んでないだろと…でも…でもね…あいつらの気持ち…痛いほど俺はわかるから…「見てたの?」そう訊いてみる。拓ちゃんは溜め息をつき「あぁ、全部な。俺は言っただろ?お前のことが好きだって。俺の言葉を信じろ。あいつらのことは構うな。そんな必要はねぇ」言ってくる。「…拓…俺さ…拓ちゃんから離れようと思った…距離を開けようって…思った…その方がいいのかなって…」俺はポツリポツリと言う。「バカかお前は。そんな必要はない。お前は俺の傍にいればいいんだよ。俺がしたくてしてんだから」そういいながら俺を撫でてくれる。「だけど…あいつらの気持ち…わかるから俺…」だから…「俺が選んだのは織田蒼樹お前だ。例え今俺の眼の前にいるお前が本来のお前じゃないにしても俺が選んだのはお前自身だ。だか
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