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All Chapters of 蒼い華が咲く: Chapter 101 - Chapter 110

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101

首筋に唇が移動して小さなキスをいくつも落とされる。 「んっ、ぁ」 指は身体を這い回っている。確実に俺の感じる場所を狙って… 「ぁ、ん、ぁっ」 少し熱い唇は首筋から降りてきて鎖骨に一つキスをして別の場所に移っていく。 「ぁ、ん、ぁぁ、ぁ、ぁ」 身体を這い回っていた指はいつの間にか胸を弄り始める。まるでそこに狙いを定めたと言わんばかりに… 「ぁ、ぁぁ、ん、ぁぁ」 転がしたり押し付けたり、時折キュッと摘まれたり… 「ぁ、ひゃぁふぅ、ぁぁ、ん、ぁぁ」 熱い舌が胸を舐め吸い付き噛み付く。 「ぁ、ぁぁ、ん、ぁぁ」 じっくりとそこだけを愛撫している。でも、それだけじゃなくて… 「ひゃぁ、ぁ、ん、ぁぁぁ、ぁ」 狙ったかのようなタイミングで俺のモノを口に咥えこみ舐めてくる。指は胸を弄ったままで… 「ぁ、ぁぁ、ん、ぁぁ」 自分の腕で顔を隠した。今更なんだけど…何度も見られてるし…でもなんだか今は恥ずかしい。 「ぁ、ぁぁ、やぁ、拓ぅ、ぁぁ、もぉ、ぁぁ」 ホント、拓ちゃんってうますぎる。 「いいからいけよ」 なんて言いながらよりいっそう攻めたててくるから 「ぁ、ぁぁ、ん、ぁぁ、ぁぁぁ」 俺はあっけなくいっちゃった。でも拓ちゃんの攻めは止まることなく 「ぁん、ぁぁ、ん、ぁぁ」 ゆっくりと押し広げながら拓ちゃんの長くてキレイな指が中に入ってきて動き出す。 「ぁ、ぁぁ、ん、ぁぁ」 俺の中を動き回る指は確実に感じる部分を狙って動き、熱い舌が狙いを定めたように胸を舐めてくる。 「ひゃぁぅん、ぁぁ、ん、ぁぁ」 刺激が強すぎる。俺の弱い場所ばかりを狙ってくるから…感じすぎる… 「ぁ、ぁぁ、んぁ、ぁぁ、」 指も舌も俺を攻め続ける。更なる快楽へと… 「ぁ、ぁぁ、やぁ、ん、ぁぁ、拓ぅ、ぁぁ、ん、ダメぇ、ぁぁ」 俺は拓ちゃんの着てるバスローブを握りしめた。 「いいからいっちゃえよ蒼樹」 耳元で囁かれたその声にゾクリと腰が反応する。 「ん、ぁぁ、ダメぇ、ぁぁ、いっちゃぁ、ぁぁぁ」 ギュウと拓ちゃんの指を締め付け俺は二度目の熱を吐き出した。 ほんと…この人のこの声って俺には効きすぎ… 強すぎる麻薬… 「ぁ、はぁ、ねぇ、もぉ、いれて? ぉれ、拓真が、欲しぃよ?」
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102

「好き」 ずっと抱きしめられている拓ちゃんの腕の中で小さく呟いた。 本当は俺にそんな資格がないのはわかってる でも…やっぱり…拓ちゃんが好き… 少しだけ拓ちゃんの腕に力が入り 「俺も…好きだ…」 俺の呟きに答えてくれる それだけで泣けてきそう…本当に…重症… 自分でも手に負えないほど重症… この人のこの一言で浮かれてるんだから…本当に… 手に負えないほどに重症… 「少し酷いな」 急にそんなことを言われる。 「なにが?」 視線だけを拓ちゃんに向けて聞いてみれば 「目。結構冷やしたんだけどまだ腫れてる」 拓ちゃんの指が俺の目元をそっとなぞっていく。 「あ…そう? 俺は気にしないから出かけるならお出かけしましょ?」 本当に気にしないから言ってみれば 「いや夕方からでいい。もう少し冷やした方がいいな」 なんて言うけれど拓ちゃんは俺を放そうとはしない。 「ん、わかった」 だから俺は素直にそれに従う。拓ちゃんの手が何度も優しく俺を撫でていく。それが気持ちいい。 それから拓ちゃんは俺を放すとタオルを水で濡らし戻ってくる。 「ほら、タオル。上向け」 そう言われて俺は身体を動かし仰向けになる。 俺の目の上にタオルを乗せるとまた横になり俺を抱き締めてくれる。 俺はそんな拓ちゃんの手を握ったりして遊んでた。 でも結局そのまま俺は寝ちゃったんだけどね…。 俺たちが本当にホテルを出たのは夕方。 俺の目の腫れがなんとなくよくなったから出ようってことで出たんだけどなぁ。 「た~く~ま~。どこに行くの?」 拓ちゃんの顔を覗きこみ聞いてみる。 「ん? どこに行くかまでは決めてなかったんだよな」 拓ちゃんはそんなことを言う。今、俺たちがいるのはいつもの噴水の所。 「あら? 珍しい。いつもこういうことは決めてる気がしてたのに…」 俺はマジで驚いた。拓ちゃんはいつも計画的に動く方だと思ってたから 「お前と出かけることしか考えてなかったんだよ」 拓ちゃんがタバコに火をつける。 …っ! … 嬉しすぎる… 「真っ赤」 ポツリと拓ちゃんが呟く。うぎゃっ! 「うっさい」 どうせ真っ赤だよ。しかたないだろう? 嬉しんだから。 「取り敢えず飯
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103

俺たちが通されたのは座敷。 「まぁ、お連れさんはすごくきれいだこと。拓真くんも隅に置けないわねぇ。こんなきれいな子を連れてくるなんて。はい、これがメニューね」 女の人はそういいながら俺の前にメニューを置く。俺は軽く頭を下げた。 「俺はいつもので…蒼樹はどうする?」 拓ちゃんが聞いてくる。困った……どれも食べたい気がする… 「あ……じゃあ拓ちゃんと一緒でいい」 俺は取り敢えずそう答えた。 「いつもの定食ね。すぐ用意するから待っててね」 女の人はメニューをもって戻っていく。 どうしようかって考えてたら 「俺の母の妹さんなんだ今の人」 拓ちゃんが教えてくれた。 「へぇ、妹さんなんだ。…って、えぇぇ~!」 俺は驚きの声を上げた。叔母さんなんだ… 「だからこの姿の俺を見ても普通に俺だってわかるわけ。あと、ここには本当にお前しか連れてきてないから、他の奴を連れてくる気ねぇし」 拓ちゃんはそんなことまで言ってくる。 うわあ……ヤバい……すっげぇ嬉しい… 「真っ赤」 ポツリと呟き拓ちゃんがタバコに火をつける。 「うっさい! …ってか吸ってもいいの?」 叔母さんってことはヤバくない? 「あぁ、別に大丈夫だ。公認だしな」 あら? 意外。 「そうなんだ。ええ~! ってことは両親も?」 俺は驚きながら聞き返す。 「ん? あぁ、知ってるし、家でも吸ってる」 拓ちゃんはあっさりと言い切った。あらま、意外だ。 「学校じゃぁ真面目な拓ちゃんだから知らないかと思った」 俺はおしぼりで手を拭いた。 「あれは…偽りの俺だ。本当の俺は今お前の前にいる」 拓ちゃんはタバコの火を消した。 「猫っ被り拓ちゃんだ。んふふ。俺みたい。って俺もか」 俺はそう呟く。 偽りの織田蒼樹…あなたはどっちの俺が好きなんだろう? 偽り? それとも…本当の俺? 「この後どこに行きたい?」 拓ちゃんが聞いてくる。 「ん~。どこでもいいよ。適当でいいんじゃない?」 なんて話してる間に 「お待ちどうさま。拓真くんの大好きなお魚定食ね」 ご飯が運ばれてきた。これまた意外。 「拓ちゃんお魚大好きなの?」 そんなことを聞いてみる。 「あぁ、ここの定食は何を食べても美味しいんだけど魚
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104 金城拓真と金狼の正体

pipipipipipipipi いつものようにアラームが俺を起こす。 「ん? んん?」 俺はボーっとする頭で鳴り響く携帯を止めようと身体を起こしかけて動きが止まった。 チャリと本来なら俺にあるはずのないモノが首から下がっていた。 俺は飛び起きてそれを見た。 それはいつも拓ちゃんがしていたもので…でも、これはまだ新しい。 俺は部屋を飛び出した。 急いで部屋を飛び出してリビングに行けばそこには拓ちゃんの姿。 「拓ちゃん!」 俺が声を掛ければ拓ちゃんは驚いた顔をして 「おはよう。どうした?」 返事をしながらテーブルに皿を置いていた。 「こ…これ…」 俺は自分の首にかかっているペンダントを見せて聞いた。 「あぁ、それか。本当だったら昨日渡す予定だったヤツ」 拓ちゃんはそう言いながら作業の続きをしている。 「いいの? もらっちゃっても?」 だって…お揃いでしょ? 「バカ、お前の為に買ったんだから当たり前だろ。ほら、できたから食べるぞ」 拓ちゃんはそう言いながら笑う。 「ありがとう」 俺は椅子に座り呟いた。 二人でご飯食べて、片づけも拓ちゃんがしてくれた。 「あ…そうだ、鍵…」 拓ちゃんは思い出したように鍵を差し出してくる。 俺は少し考え 「拓ちゃんがいらなくなるまで持ってていいよ。迷惑じゃないなら…」 答える。 少しでもあなたと繋がっていられるのなら… 「そっか、じゃぁ借りとくな」 拓ちゃんは自分の鍵につけていた。 なんだかそれが照れくさいけど嬉しい。 俺は拓ちゃんの服を掴む。 「どうした?」 拓ちゃんが顔を覗き込んでくる。 「キスしよ? ダメ?」 本当は抱きしめて欲しい。 拓ちゃんはジッと俺の顔を見て頬に手を添えてそっとキスをしてくれた。触れるだけのキスを何度もしてくれた… 唇が離れた途端にグイッて引き寄せられた。俺はそのままの勢いで拓ちゃんの腕の中に倒れ込む。 ギュッと力強く抱きしめられた。 ねぇ…あなたはなんで俺の心の中がわかるの? どうしてほしいことがわかるの? ねぇ…どうして? 俺はそっと拓ちゃんの背に腕を回した。 もっと触れていたい。この人に… 「今日はどうするんだ? 朝会がある
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105

夜、俺は久し振りに街に出た。 本当は翔太のところに行こうかなぁ~って思ったんだけどやめてブラブラしてた。 「あの、蒼華さんですよね?」 急に声を掛けられ振り返れば不良さんたち。 ケンカですか? 「そうだけど何? 喧嘩なら買わねぇぞ?」 俺は言い切る。 「違います。少しだけ時間をください。話がしたいんです」 あれ? 違うの? 「まぁ、いいけど…。この先に人のこない路地があるからそこでいいだろ?」 俺はそう言って歩き出した。俺の後を数人の不良さんたちがついてきた。 はて? 俺に一体何の用でしょうかね? 「で? 話って?」 俺は路地から死角になる壁に凭れて聞いてみる。 「金狼さん…金城拓真さんをご存知ですよね?」 拓ちゃん? 「彼が何?」 なんでそんな名前が出るんだろう? 一体、彼がなんだというんだ? 「お願いです、彼にチームに戻るように言ってください」 はっ? 「ちょっと待った…チームって何?」 どういうこと? 「ご存知ないんですか? 金城さんはGoldWolfの前の頭なんです」 拓ちゃんがGoldWolfの頭だった…ZEAと二分するあの暴走族の… 「そ…そんなの本人に言えばいいだろ」 知らなかったよ…拓ちゃん… あなたは何が目的で俺に近付いたんだよ? 俺を陥れるため? 俺を嘲笑ってるのか? 「お願いします。もう、あなたしか頼めないんです。金城さんと親しい人にはみんな頼んだんですけど…全部ダメで…このままじゃ…チームがダメになっちゃうんです」 それを俺に頼むの? この俺に… 「言ってみるけどダメでも知らねぇからな」 俺はそう答える。 もう終わりにしよう。全部。 「ありがとうございます!」 お兄さんたちは嬉しそうに頭を下げる。 「ほいじゃ、そういうことで帰るから」 俺はその場所を後にした… あなたはなんのために俺の前に現れた? なんのために… 俺は夜中に拓ちゃんの携帯に電話をした。 『もしもし? どうした?』 数回のコールの後で拓ちゃんが出た。 「騙してたんだ。拓真がGoldWolfの頭だったなんて知らなかったよ」 俺はそう切り出す。電話越しに息を呑むのが伝わる。 『蒼樹、俺は…』 拓ちゃんの言葉
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106

「どうして? …あの人は?」 俺はボケッとしながら拓ちゃんを見る。拓ちゃんは、 「中でゆっくり話さないか?」 冷静に聞いてくる。俺は小さく頷いた。「何か飲む?」 リビングのソファに座った拓ちゃんに聞いてみる。 「いいからこっちに来いよ。全部お前に話すから」 拓ちゃんが言うから俺は大人しくそれに従った。 拓ちゃんは俺の手を掴むと自分の隣に座らせた。「あ…あの女の人は…よかったの?」 今更だけど…つい聞いてしまう。「あぁ、いいんだ。俺の姉貴だから」 拓ちゃんのお姉さん… 「えぇ? お姉さんいたの?」 つい驚いてしまう。 「あぁ、上に姉貴が二人と兄貴が一人な」 拓ちゃんがそう説明をしてくれる。そうなんだ… 暫くの沈黙…「GoldWolfの事は苗代に聞いたのか?」 静かに拓ちゃんが聞いてくる。 「翔ちゃんもだけど…チームの人に拓真が戻るように頼んでくれって…それで初めて知った」 俺は床を見て答える。 「そうか、あいつらお前の所までいったのか…」 拓ちゃんの呆れたような声。 「戻らないの?」 聞いてみる。 「あぁ、戻らない。戻る気はない」 ハッキリと言い切った。「なんでGoldWolfを辞めたの?」 俺は聞いてみる。 「俺がGoldWolfにいたのは高1までなんだ。頭をやってたのも3年だけ。初めは三嶋さんって人がやってたんだけど、病気で入院することになったから俺に頼んできて断れなくてなったんだ」 拓ちゃんがいう。あれ? 「翔太と変わらない? もしかして翔太とは面識あり?」 俺は聞いてみる。拓ちゃんは苦笑を浮かべながら頷く。ノ――――!そんな繋がりがあったのか! あいつ知ってて俺に話さなかったな!「三嶋さんが頭のときから内部で対立が起きててな。争いを好む者と好まない者と…俺は普通に走っていられれば良かったんだ…」 拓ちゃんは小さく息を吐く。 「ねぇ…もしかして…雅たち三人もメンバー?」 俺は聞いてみる。拓ちゃんは静かに頷く。あぁ、だからあんなに親しいし、お互いのことがよくわかるんだ…「俺が頭になった頃から対立がますますひどくなってな、情けないけど荒れまくった。誰彼かまわず喧嘩を吹っ掛けてたんだ。雅たちはそんな俺のこと気にしてて…ただ走ることができないんだったらやめちまおうって他の奴に頭を押し付
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「GoldWolfの前の頭の人は今どうしてるの?」 俺はふとそんなことを聞く。 「白血病なんだ。ドナーを待ってる。俺の実家が大学病院だからそこで入院中」 うえぇ~! 「拓ちゃんの家って大学病院なの?」 すご…。 「GoldWolfのことを黙ってたのは悪かった。だけど俺はお前が蒼華だから好きなわけじゃない。織田蒼樹だから好きなんだ」 拓ちゃんがそういう。そっか…そうなんだ…「ねぇ…拓ちゃん…気付いてる?」 俺は聞いてみる。 「何をだ?」 拓ちゃんは聞き返してくる。 「誰にも媚を売らない蒼華が唯一媚を売るのが誰か? 二度と同じ相手には抱かれない蒼華が何度も同じ人に抱かれてるのか?」 俺はそう聞いてみる。 「俺のことなのか?」 拓ちゃんが躊躇いがちに聞き返してくる。 「そう。俺さ…あなたの前じゃ蒼華じゃいられない。だって…俺…あなたの愛が欲しいんだ。本当の俺を…闇の蒼樹を愛して欲しいんだ…」 俺はそう答える。無言のまま拓ちゃんがジッと俺を見詰めてる。 「なら問題ない。俺は織田蒼樹が好きだから…俺の愛をお前にやるよ。これからもずっと…」 拓ちゃんはそう言って笑ってくれる。 願い叶っちゃった。でも…俺… 「今のままでいんじゃないのか? お前が納得できるまでさ」 まるで俺の心を見透かしたように拓ちゃんがいう。ホント、翔太並みにわかって来てるよねこの人。 「うん。ありがと。でも…あなたが好き…愛してるのは本当。俺…いつかちゃんとあなたの前で本当の俺を見せたい。本当の俺をちゃんと知って欲しい」 俺はそう告げる。拓ちゃんが俺の頭を撫でて 「待ってる。お前が自分で俺に教えてくれるのを待ってる」 優しく言ってくれる。 「…ねぇ…キスして…拓ちゃんのキス好きだから…」 俺はそうお願いしてみた。拓ちゃんは小さく笑い俺の頬に手を添えそっと唇を重ねてくる。 触れるだけのキス。「…好き…」 唇が触れそうな距離で呟いた。 さよならなんて…おしまいになんてできっこない。「俺も蒼樹が好きだ」 拓ちゃんはそう言って俺をそっと抱き締める。 俺は拓ちゃんの背に腕を回した。「あ~悪いんだけど今度一緒に実家に来てくれないか?」 拓ちゃんが突然そういう。 「ほえ? 何で?」 俺は拓ちゃんの肩に頭を乗せ聞いてみる。 「姉貴がお前のこと
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pipipipipipipi 携帯のアラームで目を醒ます。 そこにはやっぱり拓ちゃんの姿はなかった。あれは夢だったのかな?あれは幻だったのかな? 俺はぼーっとする頭のままで下におりていくと キッチンからおいしそうな香りが漂ってきた。急いでキッチンに飛び込んだ。 そこには拓ちゃんがご飯を作っている姿があった。「拓ちゃんおはよ」 俺はそう声を掛ける。 「あぁ。おはよう。もう出来るぞ」 拓ちゃんはそう言って皿に盛り付けている。今日のメニューは野菜炒め。 だって最近、買い出しに行ってないんだもん。 学校サボって引きこもりになってたしさ。本当に外出もしてない。「お前それ全部、食べろよ? 冷蔵庫の中身まともなもん入ってなかったぞ」 なんてやっぱり拓ちゃんに怒られた。 「は~い」 俺は大人しく椅子に座る。 確かにここ最近まともに食べてない。 薬も飲んでない。バレたら怒られるよね。「いただきま~す」 俺はそう言って食べ始めた。勿論、拓ちゃんもね。そしてお決まりどおり片づけまでやってくれました。「今日は学校出てこいよ?」 一度、制服に着替えるために帰る拓ちゃんが言う。 やっぱりサボってたのばれてるのね。 「うぃ」 俺は頷く。拓ちゃんは俺を引き寄せるとそっとキスをして 「学校でな」 そうれだけ言って帰っていった。「ったく。不意打ちすぎ」 なんて言いながらも浮かれてる俺。自分の部屋に戻り制服に着替える。チャリって音がする。首に着けたままになってる拓真からのプレゼント。俺はそれを見てふと気付いた。 「これ俺のじゃない。いつの間に変えたんだろ?」 それは新しかったあのペンダントではなく拓ちゃんがずっと着けていた方のペンダント。 「忍者みたいだよ拓ちゃん。ただ単に俺が気付かないだけか」 俺はそう呟きシャツのボタンをいつもの場所まで嵌めてネクタイをつける。 いつものだらしない格好。 これでA組だって言うんだから最悪だよな。わかっててもちゃんと着ないけどさ。 メガネメガネ~。拓ちゃんの着けてたメガネ。 それを嵌めて変身完了!偽りの織田蒼樹の完成!「さぁ~。今日は説教でも聞きますかね」 多分、吉田からの説教が待ってるだろうな。 1週間もサボったもんな。俺は必要なものをポケットに押し込みカバンを持って部
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109

学園の前でバスを降り溜め息をつく。いつもの行為。 偽りの織田蒼樹を演じるための行為。「行くか?」 翔太の声に俺は 「う~い」 そう返事をして歩き出す。「あ~蒼樹~だぁ~!」 「織田ぁ~逢いたかったぁ~!」 教室に入るなりみんなからの抱擁。「あ~はいはい。ありがとねぇ」 俺はそれを軽くあしらって自分の席に着く。 「そういえばそれ…。金城が頭になったときに着けてた奴だろ?」 急に翔ちゃんが言う。この人、記憶力いいのよね。意外と… 「ん。前に同じものくれたんだけどさ。自分で着けた方くれたんだよね。大事なもんじゃないのかな?」 俺はそう答える。 「大事だから送ったんじゃねぇの? まぁ仲直りしてよかったというとこかな」 翔太はそう言って俺の頭を撫でる。 「ん。心配掛けてごめん。ありがと」 俺はそう答える。「織田。ちょっといいか?」 急に呼ばれドアの所を見れば拓ちゃん。 「はいは~い。何でしょ?」 俺は拓ちゃんの所に行き聞いてみる。 「臨時要員の仕事。悪いけど放課後までに体育祭のプリント集めてくれないか?」 拓ちゃんはそういう。 「あ~い。了解しました会長」 俺はふざけてそういう。 「馬鹿。頼んだぞ」 軽く俺の頭を叩き教室を出て行った。俺は拓ちゃんに頼まれたとおり 各放課になるとそれぞれのクラスに行って周り「体育祭の実行委員いる? プリント欲しいんだけど?」 俺はそう声を掛ければ 「は~い」 返事をして実行委員の子がプリントを持ってきてくれる。 「ありがとねぇ」 俺はそう告げると次のクラスへと向かっていった。「織田。ちょっといいか?」 全部のクラスを回り終えたとき吉田に声を掛けられた。 「何でしょうか?」 俺はそう聞いてみる。「金城から聞いたが体調はもういいのか?」 そう言われる。 「え? …あ…大丈夫ですよ。だから来たんだけど?」 俺はそう答える。ずっと拓ちゃんが病欠扱いにしてくれてたんだ… 「まだ治らないのか?」 そう聞いてくる。 「治らないんじゃない? もう無理なんじゃない?」 俺はそう答える。多分、無理だろうね…。 「そうか…。あぁ。後で職員室に来い。休んでた分の課題を渡すから」 吉田はそう言って戻っていった。課題か…。めんどくさ…。 でもまぁ自業自得だよな。ずっと
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110

俺は家に帰ると着替えて買出しに出かけた。 いつものようにATMで必要な金額を下ろしそのままスーパーへ… 適当に買い物を済ませ家に戻った。買ってきたものを冷蔵庫にしまい終えた頃 チャイムが鳴った。 「はい?」 そう声を掛けると 「宅配です。印鑑お願いします」 そういわれ俺は扉を開ける。母から届くいつもの荷物だった。 印鑑を押しそれを受け取った。箱を開ければいつもの様にタバコとビール。 それをいつもの場所に片付けた。そして二階に戻ると吉田の出した課題をカバンから取り出しやり始めた。すべての課題をやり終えシャーペンを置き俺は背伸びをする。 「ん~! 終わった~!」 さすがに大量だったなぁ~。コンコン俺が背伸びした途端扉がノックされて後ろを振り返れば拓ちゃんがいた。 「拓ちゃん来てたの?」 それには俺も驚いた。「あぁ。生徒会が終わってそのままこっちに直行した。そしたら凄い集中してやってるから声かけずに勝手に風呂借りた」 俺の傍に来て言う。ボディソープの香りが鼻をかすめる。 「声かけてもよかったのに」 俺はそういう。 「さすがだな。この量を1日で終わらせるなんて。伊達に毎回A組トップの地位をキープしてるわけじゃないな。晩飯食べてないんだろ? 何か作るか?」 拓ちゃんは課題のプリントを見ながら言う。 「ん~。あんまり食欲ないよ俺」 俺は素直に答える。本当に食欲がないんだ。 「軽く食べるもん作ってやるから風呂入ってこい」 拓ちゃんがそう言ってくれるから 「うん。そうする」 俺は着替えをクローゼットの中から取り出す。 そして俺たちは部屋を出た。俺は風呂から上がりキッチンに向かう。キッチンに入ると拓ちゃんが 「野菜たっぷりスープ。これぐらいなら食べられるだろ?」 そう言ってテーブルの上に皿を置く。 俺は椅子に座り 「うん。多分、大丈夫。いただきます」 俺はそう言って食べ始めた。「ん~、んま~い。何で拓ちゃんの料理はこんなに美味しいの~!」 俺はそう声をあげた。本当になんでこの人の作る料理は美味しいんだろうね。 「愛情たっぷりだから」 なんて拓ちゃんからそんな言葉が返ってくる。 予想外の返事に俺は真っ赤になった。「そこで照れるか? 本当のことだぞ? もっとも、お前限定だけどな」 拓ちゃんはリビ
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