61.第四話 朝のコーンスープ 朝起きるとマキから "おはよ~(アタシは今から寝るけど)" というメッセージが届いてた。メッセージが来ていたのは15分前。返信はどうしよう。絶妙に時間が経過している。今から寝るって言ってるのに返信したら迷惑になるか? いやでもたった15分だし。ウーム。悩む、が! もし自分なら(返信くるかなくるかな)とワクワクしてなかなか寝付けない可能性まである。ここは1つ、一刻も早く返信しよう。うん、それがいい。 考えた末に今すぐ返信という結論に至り(その結論に達するまでにさらに10分くらいかけた)。"おはよう! もう寝てたらゴメン"とメッセージを送った。すると送信するや否や既読がついて。"大丈夫、今から寝るとこ。ぐんなーい♡(朝)" という返事が帰ってきた。良かった、正解だった。俺はもう仕事に行く時間なのでこれに返信することはなく急いでバタバタと家を出た。返信するしないで悩んでるうちにムダに時間をかけてしまったのだ。布団の中で悩むんじゃなくて朝ごはんでも食べながら悩めばいいのにな。効率の悪い自分に呆れる。(強い雀士の武器は共通して素早い決断力だ。こんなことじゃダメだな、もっと精進せねば。せっかくネギ切ってあったのに。納豆ご飯くらい食べておきたかったな)なんてことを思いながら駅までの何もない住宅街を早歩きで進む。 本当にこのへんは何もない。自販機すらない。駅前まで行けばコンビニとスーパーがあるがスーパーはまだ開いてないし、コンビニは寄る時間があるか微妙だ。 朝の買い物はそこでしか出来ないので出勤時間の駅前コンビニはやたらと混んでる。行列に並んでいるような時間の余裕は今日は無い。 チラリと店内を覗き見て、右手にしてる腕時計と相談する。(うん、無理だな。諦めよう) 空腹のまま俺は改札を抜け、ホームに降りる。自販機で飲み物を買うくらいの時間はあったので冷たいコーンスープを買うことに。少しだけでも腹に何か入れたい。 実を言うと俺は両利きだから仕事に行く時は電子時計を右手首につけている。その方が改札を通る時に楽だから。左手首につけてると改札が全然スマートに通れないからな。 なぜ、通常左につけるものに電子定期券機能をつけたのか。そもそも改札も改札だ。いい加減、電子時計利用者用に左側にもセンサーをつけるべきでは? もうかなり前から
Last Updated : 2025-09-17 Read more