しっかり手を握ってくれていて安心もするし、今までに経験したことがない幸せな気持ちが湧き上がってくる。「キラキラとしていて綺麗!」「そうだな。ほら、あっちを見てみろ」 横を見ると顔がすぐ近くにあって心臓が破裂しそうになった。私たちは夫婦なのにまだキスしかしていない。しかも、たった一度だけ。 クリスマスプレゼントにそれ以上のことをしたいと言われていたけれど、あれは本気だったのかな。 もしかしたら動揺する私のことをからかうだけの発言だったのかもしれない。 これだけ大きな財閥なら跡継ぎが欲しいと思うのは普通のことではないか。 でも私たちは、今日まで大人の関係にならなかったのだ。それには何か意味があるのではないかと考えてしまう。 あっという間に素敵な時間が終わり、地上に戻ってくると、悠一さんはバラの花束を私に手渡した。「メリークリスマス!」「わぁ! 綺麗。ありがとうございます」「これからも毎年一緒にクリスマスを過ごしていこう」「はい。ありがとうございます」 バラの花束の意味は真実の愛。人のことを信じられなくて疑ってしまう気持ちもあったけど、彼は私のことを好きだと思ってくれているのかなって、すごく感じた。 それなら私も本当の自分をぶつけていくべきだ。 幸せの中、私たちは家に戻ってきた。 今日は私の手料理が食べたいとリクエストしてくれていたので、帰ってきたらすぐに食べられるようにビーフシチューを用意しておいた。テーブルには買ってきたチキンとケーキも置く。私たちは乾杯をした。 私からもプレゼントを渡すとすごく喜んでくれる。「大事にするから」「はい」 ゆっくりと食事をして満腹になった。
最終更新日 : 2025-09-01 続きを読む