4階では、相変わらず"成功例の一部のヤツら"が遊んだりしている。 そこは特に変わっていないが、3階に降りた時に雰囲気の違いを感じた。 興味本位でやってきた連中なのか、それとも黒いパンフレットの理由集めで来たのか、思ったよりも人がいたのだ。 俺たちが降りて来た様子を見てから、うち何人かが武器を構えたままに上がっていく。 結局は誰かが通った後を、狙っているのが多いということなのだろう。 例えば、俺もスアとの二人きりだったとしたら、同じ方法を取るんじゃないかと思う。 わざわざ一番最初に危険地帯を歩く意味も無い、無駄死になんてしたくないしな。 「ここに来た誰かが言ったのかもね、今なら大阪駅に入りやすいって。それか、遅れて来た"金氷月の見物者"とか? とにかく、これ以上増える前に撤退した方がよさそうだ」 そうだな、アマの言うようにさっさと出た方がいい。 長居する意味も無いだろうし、車へと戻ろう。 さらに下へ降りて行く途中、すれ違った集団から少し会話が聞こえた。 「にしても、新大阪大学のとこエグかったな。あそこだけめっちゃ強く光ってたもんな」 「ね、絶対ヤバそうだった。ProtoNeLT以外の変なのいそうじゃない? まぁ行く意味もないけど」 ⋯⋯新大阪大学? SNSや動画を見てみると、近辺の様子が上がっており、明らかに入らない方がいい光り方をしている。 なんて言うのが正しいだろう、"異常なほどの赤と青の輝きが散乱している"という感じ。 俺たちがオープンキャンパスに行った時の面影は、既に無いように思える。 「⋯⋯あれ? "ルクア2030"の方のさ、窓ガラス割れてたよね? あのデカい竜みたいなののせいで」 スアが言う方に目を向けると、まるで戦いなど起きていないと言わんばかりに、なんと全ての窓ガラスが修復されていた。 破片も散らばっておらず、以前の状態へと戻っている。 「こんな短時間で直せるもんなんだな、人の手だと確実に無理だ」 「⋯⋯なぁ、見て思ったんだけどよ、"道端に血痕"をほとんど見かけなくね? "アイツら"にやられてるのがこれだけいるんだったら、もっと血も落ちてるはずだろ?」 急に口を開いたと思えば、的を得た事を言うケン。 ここに来るまで、"ほぼ血痕を見ていない"のは事実だった。 だが、それ
Terakhir Diperbarui : 2025-11-06 Baca selengkapnya