監視カメラの映像には、駿が傲慢な態度で先に挑発してくる様子が映っていた。「何気取ってるんだよ。陸社長にはもう新しい女がいるんだ、お前なんかとっくに見限られてるってのに」「それでも俺が拾ってやるって言ってんだから、ありがたく思えよ」下劣なその言葉の数々に遠真の目は怒りで真っ赤に染まった。さらに駿の手が清夏のスカートの中へと伸びていくのを目にした瞬間――遠真は怒りに任せて、監視室のパソコンを叩き壊した。「東家へ行け。駿を捕まえて、ここに連れてこい」特別補佐が慌てて制止する。「陸社長、東家はそれなりの家柄ですし、息子を無理に拉致するのはまずいのでは......」「まずいだと?」遠真が鋭い視線を一閃させると、即座に口をつぐんだ。――ビジネスの世界で修羅場をいくつもくぐってきた男だ。何がしていいことで何がしてはいけないことかくらい、当然わかっている。けれど今はもう清夏が去ってしまった。善悪の区別など、もはや意味をなさない。駿が見つかったのは、ある会員制クラブだった。美女を左右に抱えて淫らな笑い声を上げているその姿に、遠真は数人の護衛を引き連れて乗り込み、天井へ向けて一発銃を撃った。鳴り響いた銃声に、周囲の客たちは悲鳴を上げて逃げ出す。黒光りする銃口を向けられ、駿はその場で小便を漏らした。手を震わせながら挙げ、「お、落ち着け遠真......なにする気だ、やめろ!俺を殺したら、親父が黙ってないぞ......!」「ここで死ぬ?」遠真が冷笑を漏らす。「それじゃあ、あまりにも甘すぎる」彼は駿を縛り上げさせ、陸家の地下室へと連れ帰った。真っ暗な空間で駿は震え上がっていた。あの傲慢さはすっかり消え失せている。「陸社長、頼む......話せばわかる。冷静になってくれ」遠真は黙ってナイフの刃先を磨きながら、冷ややかな目で駿を見据える。「お前、昔俺に誓ったよな。清夏には二度と手を出さないって」そして監視映像を投げつけた。「これはどう説明する?」映像の中、駿は卑猥な笑みを浮かべながら清夏に抱きつき名門が集う場で彼女の名誉を傷つけた。駿は言い訳を並べ立てる。「誤解だって、あれもお前のためだったんだ!」遠真の眉が深く寄る。「俺の、ため?」駿は狡猾な笑みを浮かべた。
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