時は過ぎて(カイル様は日々執務をしております)、『一日貴族体験』の日がやってきた。多くの子供が王城にやってきた。……王城に入るにはみすぼらしい姿で。相乗りのボロイ辻馬車で登城した。「ヤダぁ、あんな不潔な子供とは関わりたくない」私は子供達に「ダメよ。ああいう風に性格が曲がったら。まっすぐ素直が一番!」すると、一人の男の子が、「お姉さん、すごい化粧濃いね。香水も臭い」実に素直。言われた令嬢は顔を真っ赤にしてその場を去った。助かった。カイル様にお目通りをしようと待っている令嬢の一人。対応が面倒だったのだ。「うーん。今日はいいケド、普段は貴族に歯向かったらダメよ?建前っていうんだけど、嘘でも「おきれいですね」とか言うのよ」「えー?さっきのお姉さんでも?」「そうなの。そういうものなのよ。それじゃないと、君が殺されちゃう」「貴族ってひどいなぁ……」私も貴族なんだけどな。「今日会う人はみんな貴族だと思うけど、イイ人ばかりよ(多分)。あと、この間院に行ったお兄ちゃんはこの国の王子様よ」「「えー?ほんもののおうじさま?」」「そうよ」「きんちょうしちゃうなぁ」ふふふ。可愛い。もっと可愛くなるのか。「あ、あそこで見張りしてるの騎士かぁ。やっぱり騎士はかっこいいな」男の子は騎士さんを見るんだ。見られた騎士さんちょっと動揺してる?職務中だよ、大丈夫かな?「さて、ここからは女の子と男の子と別々に行動しまーす」なんか私、保護者みたいだなぁ。「男の子はあの騎士さんの言う事をよく聞いて動こうね!女の子はこのまま馬車で移動しましょ?」「どこに行くの?」「男の子は鍛錬場かなぁ?女の子はお城の中の部屋でキレイにしてもらいましょう」「キレイにしてもらう?じぶんでからだ洗えるもん!」「ふふふ、そうね。でも、貴族は侍女に洗ってもらうものなのよ。キレイにしてもらいましょ?」「お姉ちゃんも一緒?」なんだか不安そうだ。うーん、私はいい家じゃないから風呂に自分で入るんだよなぁ……。「私は今日は不参加!主役はあなた達よ!さ、がんばりましょう!」そうして男の子と女の子は別々になり、それぞれ変身をした。「うわー、すごいすごい!すこし変えただけなのに!」女の子が喜んでくれてよかった。絶対変身すると思ったのよね。「おうじさまは?見てもらいたい」仕事中とは言
Last Updated : 2025-08-09 Read more