本日はお日柄も良く初出勤です!周りから奇異な目で見られる。主に男性から。そうですよね、だってキングオブ強面の宰相閣下が私を連れているんですもの。はた目にはどこかに連行しているように見えるのではないでしょうか?あと、なぜか王城にいる令嬢から睨まれます。私にはお父様やお兄様よりもこっちのほうが怖いです。貴族の令嬢が王城になんの用でしょう?彼女らが侍女になりたいわけじゃないだろうし…。「お父様、なぜ貴族の令嬢は登城しているのでしょう?」「あー、それは……。この国の殿下がなぁ、通りすがりに一目ぼれしてくれないかという思惑だな」「へぇ。確率が低いですね。どこを殿下がお通りになるのかわからないじゃないですか。一日中部屋にこもりっぱなしかもしれないし、この通路を使うとは限らないし、自分を見初めるかもわからないじゃないですか」すごい低い確率に日常をかけてるんだなぁ。故に私への視線か。納得。ぽっと出の令嬢(つい最近婚約破棄されたと噂アリ)がはた目に宰相に連行されてるんだもんなぁ。このまま陛下に謁見そして殿下にお目通り……と彼女たちの頭で思い描くのだろうな。「我が娘よ、賢いのはわかるがそこまでにしておけ。令嬢の視線が鋭く私まで痛い」「わかりました。貴族の令嬢というものは大変ですね」「お前もそうなんだが……」「私は婚約破棄をされたのでキズモノです」「おのれ、あのアホボン!」「そのアホボンの父が登城している可能性がありますので、お父様も気を付けて下さいね」そうこう言いながら歩いているとお父様が普段仕事をしている部屋ではなく、何故でしょう?陛下の御前へと来たのです。いや、お父様は宰相なのだから、当然でしょうか?私も宰相補佐の仕事がしたいと言ったわけですし。「面をあげよ。発言を許す。この者は宰相とその娘だ。他の者は部屋から出るように」偉そうだなぁ、と思ったけど、偉いんだから当たり前か、ふう。「相変わらずですね、陛下。あ、こちらが我が愛する娘のハルカです」「お初にお目にかかります。ハルカ=グリーンと申し上げます」「いやいや、デビュタントの時に見たぞ。ひときわ美しい令嬢がいるなぁ、と思っていたんだ。そうか、宰相の娘だったのか。いやぁ、宰相に似なくて良かったな」それは私も思いますけど。「陛下、酷くないですか?この間の案件、ちょっと遅らせてもいいんですよ
Terakhir Diperbarui : 2025-08-01 Baca selengkapnya