「気にかけてるんじゃなくて、ちゃんと好きだから。依那が思ってるより、もっとずっと」慧さんはしっかりあたしにその言葉が伝わるように、あたしの目を見てゆっくりと伝える。その視線も、その言葉の伝え方も、纏う雰囲気からも。気遣う感じでもなく、合わせてくれる感じじゃない、ちゃんと慧さんの意思が伝わる。「……はい」そんな慧さんを見て、あたしは自然にそう呟く。あたしは嬉しくてその言葉を返すだけで、もう胸がいっばいになる。「だから、オレが依那を好きって気持ち、もう少し自覚してもらえたら有難いんだけど」慧さんのその言葉にまた嬉しくなるけど。「はい。でもなんかまだ正直実感なくて」でも、正直そこまで自覚出来るほどの自分でなかったのも確かで。「深い関係にまでなった仲なのに?」「あっ、まぁ、それはそうなんですけど……!」それを言われると何も言えない。そのことを想い出せばただ幸せだったというのと同じくらい、だからこそそれもまた夢みたいに思える。「依那。こっち来て」すると、慧さんがあたしを見つめながら優しくあたしを呼ぶ。そして、慧さんのお仕事の邪魔にならないように、長いソファーの端で座っていたあたしは、少し慧さんに近づいた場所に座る。「なんでそんな離れてんだよ」「いや、慧さんお仕事中ですし……」「ってかオレがお前呼んだんだけど」「まぁ……」「ここ」ソファーのすぐ隣をポンポンと叩いて慧さんが合図をする。そして、あたしは少しずつ近づいていき、隣に座ったと同時に、慧さんが手を伸ばして、あたしを背中から包み込むように抱き締める。「これでも実感出来ない?」「いえ、これはさすがに出来ます……」後ろから包み込むように抱き締めてくれる慧さんをしっかり感じられて、あたしは照れながらも嬉しくなる。「そっ。ならこれは?」そう言ったかと思えば、慧さんの手があたしの顔に触れ、そのまま慧さんの方へと顔を向けられ、隣から唇が重なる。あまりのスマートな早さと手つきに、あたしは抵抗する間もなく、慧さんのその甘い雰囲気に飲み込まれる。慧さんにどこまで好きになってもらえるかは、まだ自分ではやっぱりそこまで実感は出来ないけど。でも今こうやって重なる唇も、あたしを後ろから優しく抱き締めてくれるこの腕と身体も、夢なんかじゃなく今現実で起きてる幸せなのだと、その感触と胸のドキ
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