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253 Chapters

251.推しと社長④

「はい。自分がグループでプロデュースを担当することになった時、実は最初はちょっとプレッシャーだったんですよ」「え? そうなんですか?」それ、初耳だ。琉偉は今までどこにもそんなこと話してない。ずっとプロデュースやりたかったから嬉しいとしか言ってなかった。「ずっとプロデュースやりたかったから嬉しかったんじゃ?」「え? あれ? それ資料に書いてありましたっけ」あたしがそう言った言葉に、琉偉は不思議そうに反応する。あっ、マズい。それ資料に書いてなかったっけ。ファンの中では琉偉がそういうのずっと興味あるっていうのは知ってたし、グループでそういうの担当し始めた時は嬉しかったんだけど……。そっか、そこまで資料に詳しく書いてないわ。情報としては、ただプロデュースを担当するのが琉偉ってだけだ……。「あっ、えっと、なんかそういうのかな~と思って~」と、あたしは作り笑いをして、適当に誤魔化す。あっぶね。ファンだってバレちゃ絶対マズい。「あ~そうなんですね。でも、実はそれもそうなんですけど。だからこそのプレッシャーかな。ずっとそういうのやりたい、オレなら絶対グループをもって輝かせられるって思って、そうやって口にしてたんですけど。いざプロデュースを本格的にしてみろって言われたら、そう言って結果出せなかったらどうしようって。そこまで言って全然いいものにならなくてメンバーに迷惑かけたらどうしようって、なんかプレッシャー感じたことあったんですよね」そうだったんだ……。EveRは、グループの仲が良くて、それぞれのメンバーがグループのために力になれるようにって、それぞれ任された自分に合った仕事をして頑張ってる。琉偉はグループの中でも人気メンバーの方で目立つ存在でもあるし、いろいろな才能があるから、それこそグループ活動以外でも一人でドラマや舞台も出たり俳優活動だってするし、バラエティーみたいなこともする。その中でのプロデュース業は、そう言いながらもきっと琉偉がやりたかったこと。所々、そういう言葉を琉偉から聞くことも、なんとなく多かったような気もしたし。今のEveRは、それなりに今人気は出てきてはいるけど、国民的スターっていうほどでもないから、まだEveRのことも琉偉のことを知らない人もたくさんいる。だからこそ、プロデュースを琉偉が担当し始めた時は、もっと自
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252.推しと社長⑤

「グループでプロデュース担当し始めた時も、どんどんアイデアややりたいことが浮かんできたって言ってたんですけど、実はホントはそうじゃなくて」「そうじゃないって……?」「しばらく自分のソロの仕事を入れずにプロデュースに集中しようってなって、実はもう徹夜でずっと何日も考え続けて絞りだしたんです」「そう……なんですか……?」え、いつの時?  琉偉、そんなことになってたの……?「だけど、自分の納得いくモノを考えられなくて。だけど妥協も出来なくて。実はちょっとくじけかけて、もう逃げ出したくなるくらいだったんですよ」琉偉から衝撃的な言葉を聞かされて、言葉を失いそうになる。あっ……、でもそういえば、その頃、しばらく琉偉SNSでほぼなんの発信もしなかった時があった。案外そういうのはマメな方だったから、それをあまりしなかったのは、舞台とかの台詞覚えたり何かに集中して急がしくしていると思ってたけど、でも舞台のお知らせも特にその時はなかったし、そのあとも何もそういうのは発表されなかったんだよね。だから、その時期は琉偉どうしたんだろうとファンの皆の中で話題になってることがあった。だけど、しばらくするとすごく元気なSNSしてたから、そこまでは心配はしてなかったんだけど……。まさかあの時そんなとこまで追い詰められてたなんて……。全然知らなかった。全然気付いてあげられなかった。琉偉ごめんね、気付いてあげられなくてごめんねって、ホントは直接今にも口にしてしまいそうになる。そんな言葉と少し泣きそうになる感情を無理やり抑えて、あたしはただ琉偉を切なく見つめる。「そんな時、ここの神城社長のインタビューを目にしたんです」「社長の、ですか……?」「はい。偶然目にしたテレビにたまたま神城社長が出てて。会社のことと自分のことを話されてたんですよ。その時は何気なく観てただけだったんですけど、その時に仰ってた話が、自分にはすごく響いて衝撃的で。それを聞いて、また頑張ろうって思えて、やる気出て。そしたらそれから不思議となんかいろいろ前向きになれたっていうか、そこから自分でもすげー自信持てるモノ考えること出来たんです」そうだったんだ……。琉偉と社長、実はそんな頃からずっと繋がってたんだ。実際二人はその時、関わったわけではないけど、だけど琉偉の中でもずっとその時から慧さんは琉偉の力
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253.推しと社長⑥

 「その時に響いた社長の言葉って、どういう言葉だったんですか……?」だから、あたしはついその言葉を知りたくなって、琉偉に尋ねてしまう。「その時、神城社長が苦労されてる話も聞いたんです。社長は恵まれた環境じゃなく全然先も見えないような状況から始めたっていうこと。そして自分はある思いをずっと持ち続けて、それを支えにして、それをいつか実現させるために、ただ頑張り続けるだけだって。そして向き合った相手と自分はどう接していけて、どうその願望を叶えていくか。それは自分と相手を信じて、何を大切にしたいのかを考えていくのを、ちゃんと意識し続けているって。それを忘れなければ、きっと自分のやるべきこと、やらなきゃいけないこと、やれることが見えてくるはずだからって」「そう、だったんですね……」きっとそれは慧さんがずっと思い続けてることだ。どんな時も向き合った相手、接している相手の、中身、思っていることをちゃんと理解しようと、知ろうとしてくれる人だ。表面的ではない、ちゃんと中身を見てくれる人だ。だけど、だからといって、自分が前に出るとか、何かの意思を貫くのでもなく、相手の立場に立ちながら自分はどうすればいいか、どうあるべきかを考える人。そっか、琉偉もそんな慧さんを知ってくれていたんだ……。「なんかそれ聞いて、自分に当てはめた時に、なんかしっくり来たというか。そこからグループのために、オレはどうすればいいか、どうしたいかをもう一回ちゃんと考え直すきっかけになって、それですごくいいアイデアも浮かんで、自分の自信にもなったんです」「…………」そんな想像もしてなかった琉偉の境遇や心情、そしてその時から大きな影響を与えるほどのやっぱりすごい存在の社長、どちらのことも思ったら、言葉に詰まってしまう。「だから、オレにとって、神城社長は恩人みたいな存在で。それで尊敬もしてるし自分が今頑張れるモチベーションを保てている理由の一つでもある人なんです」琉偉は今まで見たことない表情で慧さんのことを語る。その琉偉は、どう表現していいかわからないけど、凛々しいという
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