「そんな素敵な場所に連れてきてもらえて嬉しいです」「うん。叔母さんはずっとホントの母親のように心配してくれたから、いつかオレに大切な相手が出来た時は必ず連れてくるって約束してたんだ。そしてやっと今日依那を連れてこられた」そう言って優しく微笑む慧さん。「慧さん……」「正直、依那と出会うまでは、そんな約束守れないと思ってた」「え……?」「今までは、ここに連れてきたいと思えるほどの相手に巡り合ってなかったから……」「あぁ、そっか……」「だからさ、最初はそう伝えてたんだよ。オレはその約束は守れないかもしれないって。だけど叔母さんたちは、いつか絶対オレにもそういう相手が現れるはずだからって……。そういう相手を連れてくることが最終的な親孝行だから、いつまでも待ってるって言ってくれてさ」「なんか、素敵な関係ですね」「あぁ。ホントに二人には感謝してる。だからこの店は絶対ずっと全力で守っていくつもりだよ」「そのお店に、あたしも導かれて、そして惹かれたんですね」「ホント……。そんな頃から縁があったなんてな」「そしてこのお店が母との最後の大切な想い出として存在してるなんて……」「あぁ。そんな大切な時間もこの店で存在してたっていうことが、オレも何よりも嬉しいよ」「慧さんが連れてきたかった場所が、あたしにとっても一番行きたかった場所だったってことですね」今までは、それぞれが大切にしていた想い出とこの場所。それが、二人で一緒に来れたことで、自分だけの大切なモノが二人の大切なモノへと変わっていく。もしかしたら、慧さんと出会えたのも、それぞれの時間が存在していたからかもしれない。慧さんがこのお店を存在させていなくて、あたしも母とこの店に来なければ、きっと巡り合えてなかった。この店がなければ、あたしはこんなお店を母のために作りたいという夢も持たなかったし、興味を持つきっかけもなかったかもしれない。だとすれば、あたしはこの会社に入ることもなかったし、慧さんとも当然出会うことはなかった。あたしが慧さんに出会って、ずっと追いかけているかのように、やっぱりあたしと慧さんの運命も同じように動いているように思える。慧さんが作ってくれたこのお店に、あたしは運命に導かれて辿り着いた。結局はずっと先を歩いてる慧さんに、あたしはきっとどこかで絶対追いかけ続ける。「恩返
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