その間、悠綾も自身の創作記録を公開した。彼女はこれらの証拠を全プラットフォームに投稿し、学内掲示板のアカウントも取得した。明まで熱心にトレンド入りを支援し、瞬く間に莉奈の盗作疑惑はネットを震撼させた。莉奈が昼寝から目覚め、この騒動を知った。各プラットフォームのDMは爆発状態になり、学内掲示板でも彼女は話題の中心になっていた。#莉奈盗作#莉奈の優秀卒業生資格剥奪これらのワードがトレンド入りしていた。結果、大学は彼女の優秀卒業生資格を取り消し、内定していた高待遇企業からも採用取消の通知が届いた。時紀も人事部を通じて解雇通知を送付した。一夜にして窮地に追い込まれた。外を歩けば卵を投げつけられ、「パクリ野郎」と罵声を浴びせられる日々。彼女は自宅に閉じこもるしかなかった。翌日の真夜中、ようやく外出した。莉奈は真っ先に時紀の元へ向かった。深夜にも関わらず、彼の別荘には灯りがともっている。悠綾が去ってから、彼は夜の闇を耐えきれなくなり、灯りを消す習慣を失っていたのだ。半開きのドアを押すと、煙草をくゆらせる時紀がいた。莉奈は彼の前に立つと、声より先に涙が溢れた。「時紀先輩、あなたがそんな冷酷な人ではないはずよ。もう行き場がないんです。助けてください!外にも出られないんです」時紀は事態を把握していた。だが、冷ややかな目で他人事のように言い放つ。「どう助けろという?ネットが一斉に悠綾への謝罪を求めている。君は謝るべきだろう」悠綾に謝罪?莉奈の心は拒絶で渦巻く。「ありえない!確かに盗作は認めます。でも今の私の方が悲惨よ、ネットのせいで全てを失い、普通の生活すら送れないのに!」時紀は言う。「近頃痛感した言葉がある。自業自得だ。君も俺も、この状況は全て自分が招いたものだ。ネットリンチを終わらせたければ、自ら謝罪するしかない」莉奈はその冷淡な態度を見て突然笑い出した。「時紀、あなたって本当に非情ね!絶対に謝らない。絶対に!」震えながら去る彼女の瞳に、誰も気づかない憎悪の光が走る……悠綾、私を破滅させたのだから、あんたも安泰にさせない。……危険が迫っていることなど露とも知らない悠綾は、明と外出しようとした時、朝食を持って現れる時紀と遭遇した。彼が持つ紙袋には、彼女の好物の点心が詰まって
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