息子が拳を握りしめ、力強く宣言する姿を見て友江は呆然とした。「必ず玲子を追いかける。全世界をひっくり返しても、必ず彼女を見つけ出す」そう、この短い瞬間に隆司は悟ったのだ。夢の中の悲劇や20年の偽りの結婚生活より、現実にはまだ希望がある。玲子が去ったとしても、この世にいる限り必ず取り戻せる。そして彼は信じていた。玲子があれほど自分を愛していたのだから、簡単に忘れられるはずがないと。今までの自分の行いが酷く耐えられずに、一時的に逃げただけだ。自分も本心に気づいた。誠意を見せれば、きっとやり直せる。「何を言っているの?あのプロジェクトは国家機密よ。どうやって探すつもり?」友江は尋ねた。「方法はある。たとえ見つからなくても、待つ」隆司は淡々と言った。「10年でも20年でも」「何ですって!?」母親は凍りついた。しかし息子の決意を見て、もう引き返せないと悟った。彼はもはや親の言いなりになる少年ではない。立派な大人になり、誰にも縛られない男になっていた。……隆司はすぐに行動を開始した。退院後、ありとあらゆる人脈を使って玲子の居場所を探した。しかしそのプロジェクトはあまりにも機密性が高く、手がかりすらつかめなかった。そこで彼は作戦を変え、宇宙開発プロジェクトに多額の投資を始めた。国家主導のプロジェクトだが、民間企業でも十分な資金を提供すれば参加できる。隆司は文字通り、湯水のごとく資金を投じた。いつか玲子の居場所がわかると信じて。式場では「玲子が怪我で1ヶ月延期する」と説明していたが、期限が過ぎても戻らないため、安浦家は婚約解消を公表した。世間は騒然とした。安浦家が新しい嫁を探すと思いきや、隆司は「玲子を待つ」と高らかに宣言した。具体的な行方は伏せ、「留学中の婚約者を待つ」とだけ発表した。御曹司の改心と純愛ストーリーは、たちまち世間の話題をさらった。元から叶野家と安浦家は名家で二人とも容姿端麗なためファンも多かったからだ。隆司の宣言は瞬く間にネットで話題になり、熱烈に議論された。一方、月坂の宇宙研究基地では――「ネットで見た?あの安浦家の御曹司、留学中の婚約者を待つって宣言してる」「前にあんなに冷たくしてたのにね」「誕生日に街中のスクリーンで祝福
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