こんな風にされるがままなんて、いつもの自分らしくない。そう分かってるのに普段は余裕そうな彼が、理性を無くしかけて私を求める姿がどうしようもなく可愛く見えて。 だけどまだ私は彼を全て受け入れようとはせず、口内を探りたがる梨ヶ瀬《なしがせ》さんの侵入を必死で阻む。 だからと言って、そんな私を相手に彼が怯む訳もなく…… やっと唇が離れてホッと安心すると、今度は私の首元に梨ヶ瀬さんが顔を埋めて。首筋に唇が触れたと思った瞬間、チクリとした痛みを感じてつい焦ってしまった。「ちょっ……待って!? 何を、ぅう~~っ!!」 まさか、このままキスマークを付けてしまう気では? と思い反応した瞬間に、強引に舌を割り込まれるとは思わなかった。彼はすぐに口内の奥に引っ込んだ私の舌を探し出し、熱を持った自分のそれに絡めてくる。 実は昔からこういう深いキスは、あんまり好きじゃなくて。それを気持ち良いとは思えなかったし、その生々しさが何となく苦手だった。 それなのに、梨ヶ瀬さんとにキスは全然違っていたから……かなり驚いてしまう。 ずっとその生々しさが苦手だったはずなのに、これが梨ヶ瀬さんとのリアルなキスだと思わされて身体が何故かジンジンと火照ってくる。 私の口腔内を余すところなく征服する彼に、残った理性も全部ドロドロに溶かされそうで。 ざらりとした梨ヶ瀬さんの舌の感触が、逃がさないというようにどこまでも捕らえようとしてくる。その熱が、私を丸ごと攫ってしまいそうで……「はぁ。やっと、捕まえた」 私の濡れた唇に触れる、梨ヶ瀬さんの指先。幾度となく彼の気持ちを撥ねつけても、決して冷めない熱がそこにはある。 そうやって触れる指先で私の唇を濡らさないで、貴方の指先は冷めない熱を持っているから。その熱で私を、どこまでも狂わせてしまうつもりなんでしょう?「まだ、捕まってなんていません」「本当に君って強情だね……こんな時くらい、素直になればいいのに」 何もかもお見通しと言わんばかりのセリフを聞くと、余計に意地を張りたくなる。私を素直な女にさせてくれないのは梨ヶ瀬さんの方じゃない、こんな可愛くない女になりたい訳ではないのに。 だけど優しく私に触れる指先が、こんなに愛おしく感じるようになるなんて。この人と出会った頃の自分からは、全く想像も出来なかったはずで。「……一目嫌い、とでも
Last Updated : 2025-11-26 Read more