「今夜は……ここに残ってくれ。行かないでほしい」 激しい情事の後、蕭晗は全身の力をすっかり抜け落とし、周歓の胸に抱かれながらそう懇願した。 周歓は彼の背中を優しく撫でるだけで、何も答えなかった。 蕭晗は恨みがましい瞳で彼を見つめた。 「どうして……そなたはかたくなに朝廷に残って官に就こうとしないのだ。そなたが一言頷きさえすれば、朕はそなたを一人に次ぎ万人の上に立つ地位に就かせてやれるというのに。これでもまだ……何か不満があるというのか」 「不満などありませんよ」 周歓は蕭晗の汗に濡れた鬢髪を指で掬い上げ、うつむいて彼を見つめた。 蕭晗は潤んだ瞳で見上げ、眉をひそめて言った。 「ならば、なぜだ」 周歓は涙の痕が滲む蕭晗の目元の泣きぼくろを指先で優しくなぞり、低い声で言った。 「私はもとより、官吏の器ではありませんから。私がしたいのは、たった一つだけです」 蕭晗は胸を早鐘のように鳴らしながら尋ねた。 「何だ」 周歓は意味ありげな笑みを浮かべ、蕭晗の耳元に顔を寄せた。 「天下を納めるよりも、陛下をこの腕に抱くほうが、よほど面白そうに見えますのでな」 言葉が終わるか終わらないかのうちに、周歓は身を翻し、再び蕭晗を下に組み敷いた。蕭晗が抗議の声を上げようと口を開いた途端、その唇は塞がれ、喉の奥からただ微かな甘い喘ぎ声だけが途切れ途切れに漏れ出すばかりであった。 程惟湘の言った通りだ。周歓という男は、紛れもなく傲慢
Huling Na-update : 2026-10-10 Magbasa pa