そこへナナがやってきた。由紀子にこっぴどく叱られ、毒気を抜かれた様子で将臣に告げた。「言ったでしょう、無理だって。貸しはこれで帳消しよ……あなたのために、あの佐武静樹を敵に回すなんて、真っ平ごめんだわ」ナナは機材を撤収させ、逃げるように去っていった。亜夕美と静樹の関係は、真の支配者層の間では公然の秘密だ。ただ、相手が身内すら容赦しないあの静樹であるがゆえに、誰もが腫れ物に触るように、誰もが沈黙を守っているだけなのだ。ナナも馬鹿ではない。ただ、静樹の執着を過小評価していた。それに、由紀子が長年の付き合いをかなぐり捨ててまで自分を罵倒した事実。それが、静樹という名の恐怖を物語っていた。ナナ
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