亜夕美は病院で二日間治療を受け、体調が回復すると自宅へと戻った。翌日は大晦日だ。楠木がムーンライトベイヒルズに使用人たちを呼び集め、屋敷の飾り付けをさせていた。家の中は活気に溢れ、賑やかな声が響いている。亜夕美は温かい飲み物の入ったマグカップを手に、掃き出し窓の前に座っていた。出入りする使用人たちが、家の内外を華やかにお正月らしく飾り立てていくのを眺めていた。碧唯は、もこもこした真っ赤なダウンジャケットに、動物模した帽子を被り、真新しいしめ飾りを両手に抱えて走り回っていた。整った顔立ちに、きびきびとした愛らしい動き。雪の中を駆ける小さな妖精のように軽やかだった。鼻先や目尻は寒さで赤くな
Read more