その後、助手から電話がかかってきた。同時に、成那のスマホには数十枚、いや百枚近い写真が次々と届いた。「社長、入江大志(いりえ たいし)を調べるとき、あることに気づきました……」「何だ、言え!」「送った写真を見れば、社長ならきっとわかるはずです!」写真には、入江大志だけでなく、紗月の姿もはっきりと写っていた。電話を切る前に、成那は助手に指示を出した。「病院へ行き、秦野が帰国してからのすべての行動を調べろ!」成那は拳を強く握り、壁に打ちつけた。もし紗月が現れなかったら、彼は年乃と――いや、やめよう、と頭を振る。煙草に火をつけ、吐き出す煙の中に、年乃の姿が浮かぶように感じた…………階下に降りた成那の目に、庭に人々が集まる光景が映った。人混みを押しのけ、前へと進む。「成那、来てくれたね。この桜の木、もう枯れちゃって……移動させて、花でも植えようと思ってるんだけど……いいよね?」紗月は知っていた。この桜の木は、かつて年乃の宝物だった。今、紗月がこの屋敷に入った以上、古いものはすべて片付けるのは当然のことだった。すでに桜の木は節ごとに切られ、運び出されようとしていた。成那は紗月を見据え、冷たく言い放つ。「秦野、お前、度を越したな!」紗月はまた子供のことで脅そうとしている。「成那、ただの枯れた木じゃない、それに、子どもが……」その時、助手の電話が鳴った。「社長、最近の奥さんの行動について分かりました……」「言え!」「入江大志が何度も奥さんを聖安病院の産婦人科に……」成那は電話の続きを待たず、一方的に切った。そして、早足で紗月の前に進む。パシッ!成那は無防備な紗月に、全力で平手打ちを食らわせた。その衝撃で、紗月は地面に倒れ込んだ。信じられない表情で、紗月が叫んだ。「成那、あなた……正気なの?」成那の目には憎しみが溢れんばかりだった。「秦野!貴様って本当に気持ち悪いやつだな!」「成那、時田のために、あなたは自分の子供さえ顧みないの?」成那の凄まじい表情を見て、紗月は手を腹に当て、恐怖に震える。「秦野、年乃の話をするな!お前には資格がない!お前の腹の中の子は、あの入江の奴の子だろう?」「な、なんで知ってるの……」言い間違いに気づき、
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