Semua Bab 誰が悪女だから幸せになれないって?〜契約結婚でスパダリを溺愛してみせる〜: Bab 101 - Bab 110

157 Bab

101.再会

「シティホテルに連泊って一度、やってみたかったのよねー」旅行バッグをまとめた私は、都内のホテルでのんびり朝食バイキングを楽しんだ後にチェックインをした。今朝、リビングで寝ている律を見たら無性に嫌気がさして、スマホですぐに旅行サイトにアクセスして一週間滞在できるホテルを片っ端から探して予約をした。「律が謝ってきたら帰るけれど、連絡がないなら幹部会まで帰らない!!! それ以降のことも、もう知らない!!」律と結婚して来月で二年になろうとしていて、三年間の結婚生活狩猟まで残り一年と一か月になっていた。ホテルの部屋の小さなデスクでスマホをいじりながらDMで届いた案件をこなしていく。SNSの収入も受付嬢時代を超えるようになり、一人で生活できる。(契約終了まであと一年一か月か。前は、律に振り向いてもらいたいって必死になっていたけれど、何かあると逃げるような態度を取られて、今はもうよく分からないや。)そんなことを思うのに、スマホでメッセージや着信の通知があるたびに、もしかしたら律かもと期待して開いている自分がいる。そして、友人や企業のアカウントだと分かり、少しばかり落ち込んで、もう連絡なんて来ないかもしれないと思いながらも、通知が鳴るたびにまた凝りもせず律からと期待することを繰り返していた。 こうして律からの連絡は一切なく、幹部会を二日後に控えたときの事だった――――最近、SNSで人気のカフェに行き、テイクアウトした飲み物を持って信号待ちをし
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-11-05
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103.決断

この二日間、律との今後についてずっと考えていた。契約結婚をする前に急遽、私を襲った不幸が律によって仕組まれたものかもしれないということに、激しい痛みとそれでも律を信じたいという気持ちが戦って葛藤している。突然、荷物をまとめて一週間も不在にしているというのに、律から一切連絡がないのも、私への関心の薄さを伝えているようで心にもやがかかったようだった。「今日は、幹部会か……。もし今までのことが律に仕組まれたことだったら、律のために行くのもなんだか気が乗らないな。律は私がいなくても、誰か隣に結婚相手がいればいいのかな。連絡をしてこないのは、私の代わりはたくさんいるからどうでもいいってことなのかな……」ベッドに横になりながら、玄関口にあるクローゼットに視線を移す。ハンガーには今日の幹部会のために用意したドレスがかけられていた。黒地にスパンコールがまばゆく煌めく華やかなドレスが、今はなんだかぼやけている。(律にとって都合のいい女で全てが律の策略だったら、幹部会なんて行かずに恥をかかせてやりたい気持ちもある。だけど、この幹部会は律にとって後継者争いに大切な時でもあるんだよな)時計は午後五時半を過ぎており、刻一刻と開始時刻の七時に近付いていた。ホテルの部屋から見える景色は、日が陰り夜の訪れを知らせていた。「……よし、決めた」(もう律の策略には従わない!自分の気持ちに正直に生きる!!)
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-11-06
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106.泥沼

凛side円華さんや圭吾さんだけでなく、この日のためにみんなが気合を入れて臨んでいるようで、清潔感のある上品なスーツ姿で会長と社長に接していた。我先にとみなが挨拶をしに会長や社長に顔を出しに行って一気に輪が出来た。誰かが会長や社長に好意的に話しかけられると、「そう言えば……」と横槍を入れるようにつっこまれたくない話題を提示して足の引っ張り合いをしている。泥沼化とはこういうことなのかと、少し離れたところで冷めた様子で眺めていた。隼人さん、香澄さん、そして表情をいつも以上に硬くしている律は、その醜い争いには参加せずに三人で談笑をしていた。「みなさんは会長や社長のところには行かれないんですね?」そう言うと隼人さんと香澄さんは、顔を合わせてニコリと笑っている。「凜ちゃんも見てわかるかもしれないけれど、こういうみんなが集まっている時に行っても邪魔が入ったり大した話は出来ないんだ。僕たちは、昨日、直接会いに行ったんだよ」「僕たち?香澄さんもですか?」「ええ、隼人と一緒に。業績とか色んな報告も兼ねて顔を出してきたの」(隼人さんのいう『僕たち』の中に、律は入っているの?律も仲間に入れてもらっているの?)
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-11-08
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107.追求

凛side「律、最近、調子いいみたいだな?幹部たちからもお前の評判は聞いているぞ。シンガポールの大口契約を取れたそうじゃないか」「はい。おかげさまで」「今まで他の者が言っても相手にされなかったんだ。あれは律の手柄だ」(シンガポール? それってこの前の十日間の出張の時の?律はこの日のために契約取るのを必死で頑張ってきたの?)十日間の空白を経て、私たちは互いの感情に気がついて一つになった。あの出張は私と律との関係だけでなく今日の幹部会の絶好の報告内容となっていて、あのままの関係でいられれば、この会が終わった後に二人きりになって喜びを分かち合っていたと思う。だけど、今は疑惑の渦がぐるぐると巻いており作り笑顔を貼りつけることしかできなかった。「お前には期待しているからな、それじゃあ」会長と社長は律の腕を軽く叩いてその場を去って行く。律もお辞儀をして二人を見送っていた。長く続くと思っていた会は一時間ほどであっという間に解散となり、それぞれが迎えの高級車に乗って帰って行く。誰もいなくなり静かになるまで、一階のロビーのソファに座って待っていた。隣には律が座っている。「凛…&h
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-11-08
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108.決別

凛side 律は何も言わずに下を向いたまま俯いている。それは、無言という名の肯定で私の胸を締め付けるように傷めつけた。 「ねえ、何か言ってよ。違うなら違うって言ってよ?」 律に強く当たるがいつものような憎たらしい口調は返ってこない。 「……だ」 「え?何て言ったの……?」 「凜の言う通りだ。凜が思っているように仕事に圧力をかけていたのも追いかけていたのも俺だ」 その瞬間、今までの律への気持ちや信頼が音を立てて一気に崩れた。 「なんで、なんでそんなことをしたの?」 「結婚の話を持ち出した時に断ったから、どうしても承諾させたかったんだ」 「何それ、律の変なプライドのために私は仕事も家も失うことになったの?信じられない」 「違う!!そういうわけじゃない。」 「何が違うのよ?圧力掛けたり後をつけてたって言ってたじゃない」 「それは、そうだが……」 「もういい。私、あなたとは一緒にいられない。出てく」 「凛、待って。待ってくれ」 「いやよ、そんな卑怯な真似して一緒にいたいと思わないわ。本当は、今日この集まりだって来たくなかったけど来たのよ。あとはもう律一人でどうにかして。それじゃ、さよなら」 ソファーから勢いよく立ち上がり、ホテルの玄関口へと早足で歩いていく。後ろから律の追いかけてくる足音が聞こえてくるが振り返らなかった。 「凛!凛、ごめん」 息を切らしながら後ろから強く抱きしめて、律は切なそうに震えた声で囁いた。律の吐息や熱が耳元をくすぐってくる。これがちょっとした言い争いだったら良かったのに。でも、この言葉だけでは到底許すことなんか出来なかった。 「腕、離して。今さら謝ってきても遅いわ。 それに私が聞いてこなかったら黙っているつもりだったんでしょう?」 その言葉に、何も反論できないと思ったのか律の抱きしめる力が弱まっていく。 「さよなら」 律の絡まった腕をほどいてホテルの外に出る。夜の空は星も月も見えず真っ暗で私の心の中を表しているようだった。冷たい夜風を全身に浴びながら滞在しているホテルへと帰った。 (これで契約結婚は完全に終わりだ。 さようなら、律)
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-11-09
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109.退職金

凛side翌日から部屋を探すためいくつかの内覧をして、翌週には契約をした。正直、条件なんてどこでもよくて、ただ一刻も早く律の側から離れたかった。引越し業者に部屋の鍵を渡し、律のいない平日昼間に全て荷物を搬送してもらい、私はあの部屋に一度も戻ることなく新居への引っ越しが完了した。律からは、後継者争いが落ち着くまでは結婚生活を継続してほしいと懇願されたが、いつまで続くか分からずその要求をのむか考えていた。しかしある日、銀行から多額の入金があるとの連絡を受けた。詐欺かと思い確認すると、律の名義で二千万円が振り込まれている。(この多額の振り込みは何なの?律は何を考えているの?)慌てて電話をすると律の抑揚のない声が聞こえてきた。「お金が振り込まれていたんだけれど、あのお金は何?」「当面の生活費と慰謝料だ。退職金だと思えばいい。最初の契約の慰謝料は別に払うから安心しろ」「すぐに離婚をしないで欲しいから繋ぎとめるためのお金ってこと?私に承諾して欲しいからって、またお金で解決しようとしているの?」「好きなように思えばいい――――――」「待ってよ。お金を渡せば何でも言うことを聞くと思われるのは
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-11-09
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110.姉弟

律side「律、凛ちゃんと何かあったの?先週、引っ越し業者がいたから気になって」​「何でもない。大丈夫だ。衣装部屋が狭くなったから別の所を借りてそのために頼んだんだ」​朝、仕事に向かう時にエレベーターで会うと凛が引っ越した時のことを尋ねられた。​凛が出ていったなんて言えるはずがなく、それっぽい理由をつけてその場を誤魔化すことにした。(まさか、香澄さんが引っ越し業者を見ているなんて……)俺は平静を装って適当な理由を言ったが、香澄さんのまっすぐな視線が自分の内心の動揺を全て見透かしているようで、胃が締め付けられるようだった。​「そうなんだ。良かった、凛ちゃんは元気?また遊びに来て」​「ああ、言っておく」​香澄さんは、完全には納得していない様子だったが、それ以上は言及せずに話を変えてくれたのがありがたかった。​チーーーン​エレベーターが到着をして二人で乗り込んでいると、低層階になり人が乗ってこないのを確認して、こちらをチラチラ見てから遠慮がちに話しかけてきた。​「凛ちゃんって岐阜県の出身なんだね?律は最初から知っていたの?場所だって……」​​チーーーン​エレベーターがちょうど到着した音が鳴り、香澄さんが先に出れるようにボタンを押して手でどうぞと合図をした。​「いや、単なる偶然だよ」俺が短く否定をすると、香澄さんも慌てて口を開いた。​「そうだよね。もしかして律は知っていたから凛ちゃんを選んだのかと思っていたけど、そんな運命ていな偶然、なかなかないよね。それじゃあ、仕事頑張って」​「ありがとう、香澄さんも」​(香澄さんは勘づいていたんだ、だから凛のことを何かと気にかけてくれていたんだな)本当は愛人の子どもなんて、母親の敵でしかないは
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-11-10
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