「シティホテルに連泊って一度、やってみたかったのよねー」旅行バッグをまとめた私は、都内のホテルでのんびり朝食バイキングを楽しんだ後にチェックインをした。今朝、リビングで寝ている律を見たら無性に嫌気がさして、スマホですぐに旅行サイトにアクセスして一週間滞在できるホテルを片っ端から探して予約をした。「律が謝ってきたら帰るけれど、連絡がないなら幹部会まで帰らない!!! それ以降のことも、もう知らない!!」律と結婚して来月で二年になろうとしていて、三年間の結婚生活狩猟まで残り一年と一か月になっていた。ホテルの部屋の小さなデスクでスマホをいじりながらDMで届いた案件をこなしていく。SNSの収入も受付嬢時代を超えるようになり、一人で生活できる。(契約終了まであと一年一か月か。前は、律に振り向いてもらいたいって必死になっていたけれど、何かあると逃げるような態度を取られて、今はもうよく分からないや。)そんなことを思うのに、スマホでメッセージや着信の通知があるたびに、もしかしたら律かもと期待して開いている自分がいる。そして、友人や企業のアカウントだと分かり、少しばかり落ち込んで、もう連絡なんて来ないかもしれないと思いながらも、通知が鳴るたびにまた凝りもせず律からと期待することを繰り返していた。 こうして律からの連絡は一切なく、幹部会を二日後に控えたときの事だった――――最近、SNSで人気のカフェに行き、テイクアウトした飲み物を持って信号待ちをし
Terakhir Diperbarui : 2025-11-05 Baca selengkapnya