Tous les chapitres de : Chapitre 91 - Chapitre 100

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92. 鏡に映る自分と律の反応

「今日はレセプションパーティーで再来週は幹部会か。なんだかスケジュールもセレブっぽくなってきたわね」自分でセレブっぽいなんて言っている時点で本物のセレブではないと実感しながらも、律との生活が潤っている今はそのことさえも楽しかった。今日の夜は、SNSで案件依頼があったネイルの会社の新規事業を祝うパーティーで、この場でメディアにも露出をして大々的に宣伝を行う予定らしく、ホテルの会場を貸し切って盛大に行うことになっている。ネイル会社が開発したアプリで顔写真を登録すると、似合う服や髪型、メイクを提案してくれる。ネイル会社は、美容室と服のサブスクを展開しており自社サービスで全て提供可能というのが売りだった。私も事前に登録し、今日のパーティーはすべて提案してくれたもので参加する予定で、着替えや髪のセットのために少し早いが午後二時に店へと入って行った。「前田さんは、黒目がちな目に長いまつ毛と小さくて厚みのある唇で守りたくなるような可愛らしいお顔立ちですから、可憐や清楚なイメージが似合うと思います」今日担当してくれるスタイリストの女性が笑顔で説明してくれて、私も笑顔で答えたが頭の中では違うことを考えていた。(可憐や清楚、合コンに行くとき意識していたテーマだったけど間違っていなかったってことね。これまでのモテ戦略は良かったわけだ)スタイリストは、一通り説明をすると遠慮がちに提案
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93. 運命のいたずら

ドレスに着替えて会場に入ると関係者が集まっていた。シャンデリアの光が、真っ白なテーブルクロスに反射して会場全体がキラキラと輝いている。午後六時のパーティー開始時刻の三十分前からマスコミも入ってくるようで更に賑わうらしい。「マスコミの方は写真撮影も行いますので、お顔を出したくない方は中央の柱より後ろ側にお願いできますでしょうか。後方は写真NGと伝えていますのでご安心ください」蓮見家のこともあり、顔出しはしたくない私は、広報担当者の誘導で中央より後方へと移動していた。あたりを見渡しながら歩いていると綺麗なドレスや着物を着た女性や生地のしっかりした上品なスーツに身を包むビジネスマンなど、洗練された人たちが大勢いて、彼らたちもこの場を華やかにしているようだった。後方の脇を歩いていると、すれ違いざまによく知る人物の顔を見た。「あっ!」お互い同時に小さく言葉を発すると、担当者も目の前の人物に気がついて挨拶をしている。「あ、高柳さん!本日はお越しくださいましてありがとうございます。高柳さんたちのおかげで今日を迎えることが出来ました」「いえ、とんでもないです。こちらこそ選んでいただきありがとうございます。新規事業の成功、心よりお祈りします」
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96. オシャレの誤解

「なんで律が、私が高柳さんに会ったことを知っているの?それに、なんで高柳さんに会うためだと思っているの?」「……凜は、高柳さんと付き合っていたんだろう?」(なんで私が啓介と付き合っていたことを知っているの?私、律に話していないし、律に私の友人も紹介していないから、啓介の関係が分かるはずないのに、なんで?私の過去の恋愛までも事前に調べていたの?)「なんで、それを?」誤魔化すことも出来たかもしれないが、律に嘘はつきたくなかった。私は、動揺しながらも律に聞き返すと、律は俯いて寂しそうな瞳で言った。「所詮、俺はあの人の代わりに過ぎないんだよな。だから、あの人が結婚したことを知っても、相手の女性のことを知っていても気にせず会いに行くなんて……」以前、バーで啓介と佳奈に偶然会ったときの事を思い出した。あの時、佳奈と話をしていた時はいつもの社交的なビジネスマンとして対応をしていた。だけど、啓介も挨拶をして「高柳」と聞いた瞬間、名前を聞き返していた。個室に入ると、急に不機嫌になり、カクテルを注文だけして飲まずに一人で先に帰ってしまったのだった。(もしかして、あの時から既に私と啓介の関係を知っていたの?だから名前を聞き返したの?)「違う!確かに会ったけれど、あの人に会うためじゃない。それにあの人がいるなんて知らなかった。」
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97.亀裂

「本当は身体を許した時も、頭の中では、俺とあの人を重ね合わせていたんじゃないのか?あの人が手に入らなくて、人肌寂しくなっただけで、俺じゃなくても、本当は誰でも良かったのではないか?」その言葉に、私は怒りよりも先に胸を抉られるような痛みを感じた。ソファに座る律に跨って思いっきり胸を叩いた。「ひどい、そんなことしない、そんなことするわけないじゃない……。私は、律だから、律がよくて……もう彼とは終わって、結婚したことも祝福してる。好きでも何でもない」言っている途中で、虚しさがこみあげて言葉に詰まった。私は俯きながら、両手で律の胸を思いっきり押して身体を離した。(どうして、こんなことになってしまったのだろう……私が好きなのは律なのに、やっとこの気持ちに気がついたのに)律は、私の手首を掴むと身体の向きをくるりと変えて、強引にソファに押し倒して私に跨るとキスをしてきた。普段の柔らかい優しいキスとは違う、自分の欲望を満たすための荒々しいキスに、顔を背けて抵抗すると呼吸を乱しながら律は呟いた。「俺だから良かったって言ったよな?今のは嘘だったのか?」律は、私の頬に手を当てて力づくで正面を向くように押して顔を近づけてきた。「……嘘じゃない。でも、今の律も、こんな自分勝手
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98.疑惑

日付が変わり、空がまだ暗い頃に玄関が開く音がした。廊下の電気がついて、律が帰ってきたことを知らせた。眠ることが出来ずにベッドで横になって様子を伺っていたが、結局その日、律が寝室に姿を現すことはなかった。翌朝も起きてリビングに行ったときには、既に律の姿はなく会社へと行ってしまったようだ。(なんでよ、こんな時こそ話をしてよ。ちゃんと律と向き合いたいのに……。)律の逃げるような行動に無力感と怒りがこみ上げる。「それにしても、なんで律は私と啓介の関係を知っているの?昨日、啓介と会ったことも、前に佐藤さんに会った時も、偶然にしては出来過ぎている……。疑いたくないけど、律は私のことを監視している? でも、律だって暇なわけではないし、私の行動を逐一把握できるとは思えない」律への疑惑が深まっていき、考えれば考えるほど闇に落ちて真っ暗になってしまいそうだった。気分転換に外に出て、百貨店で新作のコスメを見ていたがどうも気分が晴れない。「あれ、前田さんじゃないですか?お久しぶりです」振り向くと以前、受付を一緒にやっていた後輩の姿があった。あの影で、私のことを色々言っていた後輩二人組の片割れだ。後輩も25歳を過ぎて、彼女たちの言う年齢限界説に突入しているはずだ。「久しぶりね。今日はどうしたの?」
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99.疑惑②

「前田さんが退職してから、前田さんが辞めたのは、旦那さんが働くのに反対していたからって噂が流れて」「その噂、もう少し教えてもらえる?」「え、あ、はい。旦那さんは、蓮見の重役で奥さんには専業主婦でいて欲しいという意向で、新しいフランス人の副社長と友人だったことから、頼んで退職をさせたって話でした」(律と副社長が友人?何それ、聞いたことない。もし本当だとしたら、律は私に仕事を辞めさせるように圧力をかけたってこと?)「そんな噂があったんだ」「ごめんなさい、やっぱりデマでしたか?」「ううん、蓮見グループの重役って言うのは本当よ。でも、夫が副社長に頼んでいたことは知らなかったからびっくりしちゃって」「え、やっぱり本当だったんですか?前田さん、凄い!蓮見グループの重役なんて年収もすごく高いじゃないですか!いいなー。渋々辞めてもいいって言ってくれる旦那さんはいても、辞めて欲しいなんて言える人なかなかいませんよ!」「あ、このあと予定あるからまたね。元気な子が産まれてくるの祈ってるわ」後輩が切望の瞳で私を見ていたが、話を切り上げてその場を去った。頭の中は噂のことでいっぱいだった。契約解除になった理由も、今度の副社長に就任する人がフランス人で海外からの取引先の訪問が増えるからバイリンガル
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