「律?今いい?」エプロン姿で律の書斎の引き戸を少し開けて顔を覗かせると、律が視線だけこちらに合わせてきた。「ああ」「今、ご飯の下準備できたから終わりそうになったら教えてもらえる?出来立てを出したいから三十分前くらいに声かけてもらえると嬉しいな」「分かった。……凛、ちょっと」律は顔も私の方に向けると、こっちに来てと小さく手招きをしている。「どうしたの?」律に言われるまま近くまで行くと、律はゆっくりと私の方へ身体を向けたキャスター付きの椅子で私に近づくと腰に手を回して、椅子に座ったまま抱きしめてきた。「え、ちょっと何?」「ん、普段じっくりとエプロン姿を見ることがなかったから」「そうだとしてもこの状態で見えてる?」「柄が少しだけ……」私のツッコミに、律は少し顔だけを離してエプロンを見ようとした。しかし、背の低い私に椅子に座った律が抱き着くと、
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