凛side「ねえ、私のために何かしてくれるのは嬉しいけれど、今までのままこっそりだと、律がしてくれたことが分からないまま過ぎちゃう。感謝も出来ないし誤解するかもしれない。だから、これからは直接言って、直接渡して」律は私の手に自分の手を重ねてた。中学の細くて背が低くてまだ声変わりのしていない気弱な律ではなく、身長が伸びて大きな手と骨ばった指の大人の律が私を優しく包みこむ。「分かった。これからはそうする。それにもう凜から目を離したくないんだ」「メールも小森さんじゃなくて、律が返事してよ?」「小森?何の事だ?そんなことを一度もしていないぞ」「え?だって結婚したばかりの頃、全然メールくれないって怒ったら、小森さんに返信させているって」「……そんなことも言ったな。なんて打てばいいか迷ってなかなか送れなかったんだ。指摘されてあの時は、そう言ったんだ」「何それ。律のこと、簡単に嫌いになったりしないから、そんなこともう言わないでね?」私の言葉に、律はゆっくりと身体の向きを変えると私のおでこにチュッと音を立ててキスをした。手首を掴み私を優しくソファに寝かせると、覆い
Last Updated : 2025-11-30 Read more