誰が悪女だから幸せになれないって?〜契約結婚でスパダリを溺愛してみせる〜

誰が悪女だから幸せになれないって?〜契約結婚でスパダリを溺愛してみせる〜

last updateLast Updated : 2025-12-25
By:  中道 舞夜Completed
Language: Japanese
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元彼への未練を打ち切り年収条件ありのプレミアム合コンで男探しをする凛。そんな時に出会った蓮見律は大手商社の創業者の家系に育ち次期社長候補。見た目・スペック・将来性ともに理想通り!出会ってすぐにプロポーズされ有頂天。しかし、次の一言で笑顔は瞬く間に消え去った。「勘違いしないでください。結婚と言っても契約結婚です」「……え?」 元彼の契約結婚を疑っていた私がまさかの契約結婚!? 一度は断るも仕事と家を失いそうになり、律の条件を受けることに。冷酷な律との生活に耐えかねた凛は、契約期間内に溺愛させると心に誓う。果たしてスパダリと幸せな愛のある結婚生活は送れるのか? 誰が契約結婚だって?【番外編】悪女・凜が主人公

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Chapter 1

1.狙うはスパダリ!啓介よりもいい男を捕まえる

「前田さん、私と結婚してくれませんか?」

ミシュラン認定フレンチ店の個室で突然のプロポーズされた。

「……結婚、ですか?なんだか夢みたいで信じられない。ふふ、うふふ」

口元を手で隠していたが、自然と笑みが零れてくる。

だって、相手は将来有望な財閥の御曹司!おまけに顔もいい!私の理想とするスパダリ(※スーパーダーリン)そのものだ。

しかし、次に彼の口から出た言葉でその笑みは一瞬にしてピタリと止んだ。彼・蓮見律は、表情を一切崩さずに冷めた口調で言う。

「あの勘違いしないでください。結婚といっても契約結婚です」

(元カレの啓介が結婚すると聞いて、契約結婚を疑った。愛を奪う側だった私が、まさか契約結婚を突きつけられる側になるなんて思ってもいなかった。)

――――遡ること一週間前

私・前田凛は、この日参加男性は年収条件ありのプレミアム合コンに参加し、他の男性と談笑をしていた。

しかし、会場の隅にいた男性が突然、すごい剣幕でこちらに近付いて、会話を割って声を掛けてきた。それが、蓮見 律(はすみりつ)との出逢いだった。

身長は180㎝くらいのスラッとした長身で、クールな切れ長の瞳に高い鼻、薄い唇の透明感があり、顔もタイプだ。

(カッコいい!細身のスーツも似合っていて素敵!こんな人がこの場にいるなんて…!)

「こんばんは。今、いいですか?」

私の隣にいた男性は会話を邪魔されて怪訝そうな顔をしていたが、私の視線が捉えるのは律だけだった。

「ええ、大丈夫です。」 

受け取った名刺には、大手企業の蓮見グループの専務と書かれている。

「蓮見さんは、お若いのに専務なのですね。苗字が同じですが親族なんですか?」

「ええ、蓮見は曾祖父が作った会社です。」

私は、一気に蓮見への興味が湧いた。心の中で久しぶりに狩猟本能が目を覚ます。

「まあ、素敵。将来を期待されているんですね」

「あなたはどんなお仕事を?」

「私は、T製薬会社で受付をしています。」

「そうか、あなたのような見た目なら綺麗ですし目も引くな」

蓮見は、冷静に分析するようにゆっくりと視線を走らせて私の頭から足先まで眺めている。品定めされているかようで変な緊張感が生まれ立ち尽くしていた。

その後も、社内外の役員以上のクラスと関わる機会があるか、どんなことをするのかと尋ねられたので、時には秘書の代わりとして代行することも伝えると、蓮見は指を顎にあてて俯きながら何か考え事をするような仕草をしていた。

こうして合コンが終わるまで、ずっと一緒に二人きりで話をしていたが、連絡先を交換すると名刺にかかれている番号と同じ仕事用の番号を伝えられ脈ナシかとショックを受けた。

しかし、連絡をすると返事はその日中に返ってきて、食事も候補を何日か教えて欲しいと積極的に誘ってきて本心がよく分からない。

そして今、初めていった食事でこうしてプロポーズを受けている―――― 

「契約、結婚ですか……?私が?律さんと?」

「ええ、厳密には期間限定の契約結婚です」

「契約結婚、期間限定……?なぜ、契約結婚を?」

「蓮見グループは曾祖父が作った会社で、次期社長は蓮見家の中から決めます。最近は、家系図のポジションよりも実績と経歴重視です。そしてその経歴には【結婚】も含まれる。親会社のポストを狙うなら結婚はマストです。」

「……つまり出世のためには、結婚が必要」

「そういうことです。そして上層部が求める社交性と見た目を持ち合わせている女性を探していました。君ならその条件も大丈夫でしょう。」

「理由はわかりましたが、何故、期間限定なのですか?」

「社長に就任さえしてしまえば、プライベートが原因で役職を降格されることはない。だから決める時に結婚さえしていればいい。祖父が七十歳になる三年後が勝負だ。それまでに有利に進めていく。」

「三年間の期間限定妻、ということですか。」

「ああ。もちろん君の意見を尊重する。結婚している間は不自由な生活はさせないし、離婚後も君の生活が困ることがないよう一括で慰謝料を支払うよ。」

(啓介が仕事のために結婚したのではないかって疑ったけれど、まさか本当にこんな話があるなんて。啓介の契約結婚を疑った理由がそのまま私のところに返ってきたというの?)

「……せっかくですがお断りします。」

「なんだって?何が不満なんだ」

「あなたは条件でしか、私を見ていない。好条件を出せば黙って頷くと思っているかもしれないけれど、私はそんな女じゃありません。」

今まで散々自分が条件で男性を選んでいたが、男性に品定めされるのは嫌だった。 

「そうですか、では少し猶予を与えましょう。受ける気になったら連絡してください」

断ったのに一歩も引かない蓮見の強引さに圧倒されながらも、その日はそのまま店を後にした。蓮見は、驚きと悔しさを滲ませた顔で私を見送っていた。

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