All Chapters of 誰が悪女だから幸せになれないって?〜契約結婚でスパダリを溺愛してみせる〜: Chapter 41 - Chapter 50

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41.別居の終焉・同居生活のスタート

「こ、ここは衣裳部屋で……。元々、律さん一人で住んでいたお部屋だったので私の荷物が入りそうになくて。そうしたら、衣裳部屋にするために、律さんが隣のお部屋を借りてくれたんです」「へー、律が。そうなのね」香澄さんは納得したのか分からない曖昧な笑みを浮かべたまま、それ以上は言及してこなかった。しかし、そのことが私をより一層不安にさせた。「あ、そうだ。凜ちゃん、お出かけよね?呼び止めちゃってごめんなさい」「いえ。香澄さんも今から内覧ですよね。声を掛けてくださってありがとうございます。また今度ゆっくりお会いできると嬉しいです」社交辞令的な挨拶を交わし、私はエレベーターに乗り込んだ。一階のエントランスホールを早足で歩きマンションから出ると、周りに誰もいないのを確認してから、すぐさま律に電話を掛けた。「はい。今、仕事中だ。何の用だ?」相変わらずの冷たい律の声が返ってくるが、そんなことを気にしている場合ではなかった。「何の用じゃないわよ!今、出掛けようと部屋を出たら香澄さんに会ったの。香澄さんが今度このマンションに引っ越してくるかもしれないのよ。しかも、同じフロアだって!」「何だって?それは本当か?」
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43.ダブルベッドと初めての夜

「わ、なんだその格好は」シャワーを浴びてパジャマに着替えた私を見て、律は虫でも見つけた時のような反応で後ずさりをして声を上げた。その大きな動揺に、思わず私まで恥ずかしくなり頬が熱くなる。「そんな驚くことないでしょ!これしかなかったのよ」私が愛用しているのは、淡いピンクでオーガニックコットンを百パーセント使用しているパジャマだ。柔らかな肌触りで、ショートパンツはお風呂上がりにオイルマッサージをするために裾をめくる必要がなく、生地にオイルがつく心配がないため気に入っていた。「シャワーを浴びてくる」律は私から目を逸らし、足早に浴室へと向かった。遠目から律の姿をこっそり眺める。浴室も洗面所も、髪の毛が落ちていないか念入りに確認し、綺麗にしてから出てきたつもりだったが、彼が私が使用した形跡を感じないか、気になってしょうがなかった。(律の前でオイルマッサージするのは嫌だから今のうちにやっておこう)化粧水と乳液をたっぷりと顔全体につけてスキンケアをしてから、オイルで全身のボディマッサージをした。綺麗でいるために常日頃から努力している姿を、誰かに見られるのは気恥ずかしい。そう思っていつもより早くケアをしていたのに、予想以上に律のシャワーが早く、私が左のふくらはぎをケアしている最中に、律がリビングに入ってきた。
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44.ダブルベッドと初めての夜②

私だって大人だ。今までも結婚を考えた相手もいるし、彼氏の家に泊まったことだってある。でも、いくら夫とは言え、まだキスすらしたことない相手と同じベッドで寝るかもしれないと思うと、緊張で心臓が大きく音を立てて落ち着かなかった。言われた通り、そっと寝室に入ると、部屋の中央に置かれたダブルベッドが、静かにしかし、圧倒的な存在感を放っている。ふんわりと寝心地が良さそうな布団と分厚いベッドマットは、いかにも高級そうで寝心地も良さそうだ。ゆっくりと布団をめくり中に入ると、枕やシーツから律の匂いを感じて、さっきよりも胸の鼓動が大きくなるのを感じた。(仮にも夫婦だし、結婚しているなら同じベッドで寝るよね。うん、そうよね)自分に言い聞かせながら目を閉じたが、律もこの後、部屋に来るかと思うとなかなか寝付くことが出来なかった。律からの気配はなく、結局、緊張したままうたた寝をしてしまった。しばらくして、まだ辺りが暗い中、小さな足音が聞こえてきた。ドアがごく僅かに開いて、リビングの灯りが差し込む。私は寝たふりをして静かにしていると、数秒後、律は小さく息を吐いてからそっと扉を閉めた。律が部屋に入ってこなかったことに、私はホッとしたような、それでいて少し残念がるような複雑な気持ちを抱き、今度は深い眠りについた。朝、目が覚めると、やっぱり律は寝室にはおらず布団に入ってきた形跡もない。リビングに行くと、律はソファから足をはみ出しながらも眠っている姿があった。
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46.赤く染まる嫉妬の炎

瑠理香side「この前、律の住むマンションに行ったら義妹が律の隣の部屋から出てきてね。聞いたら衣裳部屋に借りているって言うのよ。ありえなくはないんだけど、もしかしたら一緒に暮らしていないんじゃないかって疑っちゃった」香澄は、笑い話のような口調で言っているが、私の心は複雑だった。大学時代から高校生の律に想いを寄せていた。律は、私といつか手に入れるべき存在だったのに、知らない女性とスピード結婚をした。その上、今度は一緒に住んでいないかもしれないなんて。「そうなの。香澄はなんで律君のマンションに行ったの?」「実は、律のいるマンションに引っ越そうと思っていて。今のところより広くて設備も新しいのよね」「でも、マンションなら律君と同じ場所じゃなくても、所有しているところは他にもいくつもあるんじゃないの?わざわざ近くに住むって気まずくない?」「ん、ちょっとね」香澄は、少し歯切れの悪い返事をしてきた。これ以上、詮索するなという暗黙の了解だと感じ、私は話題を変えた。香澄の真意はどうあれ、この話は私にとって律の生活を探る絶好の機会となる。「律君と同じマンションなら、久々に律君にも会いたいな。香澄の引越し祝いと律君の結婚祝いも兼ねて、遊びに行かせて」
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50. 価値観の壁

「瑠理香さんですよね。こんにちは。蓮見隼人です」隼人はにこやかに瑠理香に向かって挨拶をして、椅子に座れるように背もたれを持って引いている。その流れるかのように自然なエスコートに、私は感心していた。(やっぱり普段からエスコートするのに慣れている人は違うわね……。同じ親族なのにどうしてこうも違うのかしら)横目で律を見ると、一瞬だけ目があった気がしたが、すぐに視線を逸らされてしまった。(今、目が合ったよね。なんでそんなに嫌そうに目を逸らすの?私が邪魔なら、香澄さんに適当に理由をつけて、最初から自分ひとりで来ればいいのに!)「本当はケータリング頼む予定だったんだけど、いつも頼んでいる人が予約でいっぱいでね。帝王ホテルのオードブルになっちゃうんだけど」「帝王ホテル、和食はいまいちだけどフレンチは美味しいわよね。私も頼むわ」香澄と瑠理香は当たり前のように話しているが、私にはまるで住む世界が違って見えた。(いつも頼むケータリング!?それに帝王ホテルって……でも、家事代行を使っているくらいだから、ケータリングも日常の一部なの?)大人になると金銭感覚や価値観の近い人と親しくなりやすいというが、香澄や瑠理香が普通だと思っていても、私
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