「瑠理香さんは香澄さんと同じ大学なんですよね。うちの姉と妹も同じ大学でして」隼人が瑠理香に向かって話しかけると、瑠理香も胸の前で手を合わせて微笑んでいた。「まあ、隼人さんのお姉さんと妹さんも。隼人さんは、どちらの大学なんですか?」「僕は王都です」「王都って偏差値高いですよね。隼人さん、学力も高く多彩なんですね」「いや、小学校受験でそのままエスカレーター式なんで誰でもなれますよ」「それなら私も。幼稚舎から入っていたので、受験という受験を経験したことがなくて。友人もそんな感じですわ」(幼稚舎?あの芸能人や資産家の子どもが多く通っているあの有名私立に!?二人とも幼稚園・小学校から通っていたの?『誰でも』ってあそこ通うだけでいくらお金がかかるんだろう……)「凛さんはどちらのご出身で?」一番話題を振られたくないタイミングで瑠理香が私に尋ねて来た。横目で律を見ると、彼は何も言わずただ無言で私を見つめている。助け舟を出す気など、微塵もないようだ。「私は東京の出身ではない
Last Updated : 2025-10-11 Read more