奏多side「はい、住吉です―――」見知らぬ番号からの着信に声を整えて出ると、電話主は少しだけクスッと声を漏らして余裕に満ちた様子で話し始めた。「東宮グループ代表の東宮俊です。星野さんの件で話があるとのことで電話させてもらったよ」「東宮社長……?」月島が話を繋いでくれることを願っていたが、どこかで無理だろうと諦めていた。東宮俊から電話がきたことに驚きを隠せずにすぐに次の言葉が出てこなかった。「本題を聞かせてもらえるかな?まさか連絡を取るために言っただけということはないよね?」「それはもちろんです……星野麗華、及び五十嵐工業を住吉の傘下から正式に除外しました。また過去のスキャンダルについても当時のことを徹底的に調べさせています」「それで目星はついたのか?」「はい……当時、私はある企業と大きな商談の契約締結目前で、無事に話がまとまれば一気に昇格し、社長に就任する予定でした。それが、あのスキャンダルのせいで社長の話は流れてしまい、結果的にその時は副社長どまりです。もし、私側の人間が企てたことだとしたら、社内の権力争いで私を邪魔だと思う人物か、取引先など社内の人間の行きが掛かった人物の仕業だと
最後更新 : 2026-06-12 閱讀更多