麗華side遥の惨めな過去を晒せば、憧れの「令嬢社長」から、出自の怪しい「成り上がり」と世間のイメージは変わり、渇望の眼差しは一瞬で消える。 人々は手のひらを返したようにその遍歴に疑問を持ち、嘲笑の的になる。そうなれば、あの女はもう終わり。そう信じて疑わなかった。 ネットで悪意に満ちた投稿が瞬く間に拡散されていく様子に、私の胸は歓喜で震えていた。リポストの数字が跳ね上がり、失望のコメントが並ぶのを見るのが楽しみで、暇さえあればスマホを開いてインプレッションを確認していた。あの女が築き上げた砂の城が、私の指先一つで崩れていく――。その快感に酔いしれていたのだ。しかし、その甘美な時間は長くは続かない。東宮側の対応は、私の想像を絶するスピードだった。投稿者の特定、アカウントの凍結、そして徹底した情報の火消し。それだけではなく、住吉家への出入り禁止、「接触禁止の示談書」へのサイン、仕事面では、現在、五十嵐工業の社長という椅子を奪われようとしている。代償は多岐にわたった。古臭い五十嵐工業に愛着も未練もないが、こんな形で降ろされるのは不本意だ。SNSへのたった数回の投稿。その火遊びの代償が、私の人生を根底から揺さぶるものになるとは、夢にも思っていなかった。そして、一番驚いたのは奏多の変貌だ。 この一件以来、奏多は私に対して不信感を露わにしている。以前なら、私がどんなことを言っても「麗華が言うなら」と微笑んでいた。私の言葉に耳を傾け、最後には何でも言うこと
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